晩秋を思わせる冷え込みとなった9月25日(土)、宮城県・スポーツランドSUGOを舞台に全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第5戦の予選が行なわれた。気温が低い影響から路面のグリップが高く、エンジンもよく回る状況だったということで、上位数人のドライバーがコースレコードを上回るという白熱のタイムアタック合戦となり、昨年ここでポール・トゥ・ウィンを飾ったNo.1 ロイック・デュバル(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が、これを制した。そして100分の5秒という僅差でNo.32 小暮 卓史(NAKAJIMA RACING)が続き、ランキングトップのNo.19 J.P・デ・オリベイラ(Mobil 1 TEAM IMPUL)が3位、No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)が4位となった。
No.1 ロイック・デュバル
朝からどんよりとした曇り空となったSUGOは、日中を通して雨になるとの予報が出されていた。実際、午前のフリー走行中には小雨がパラついている。しかしその後、天候の大きな崩れはなく、午後の予選はドライコンディションの中で行なわれた。ノックダウン方式の予選はQ1で15台中3台が脱落、続くQ2では4台。最終的に8台がQ3を戦うことになる。
その最初のセッション、20分間のQ1が開始されたのは、午後2時30分。この時点で気温は14℃、路面温度は16℃と、午前中のフリー走行とほぼ同じコンディションだった。これは結局、Q3終了までほぼ変化がなかった。Q1が始まり、ピット出口がオープンされると、ほとんどのマシンがユーズドタイヤでコースイン。朝の走行でクラッシュを喫したオリベイラ、やはり朝の走行でトラブルを抱えたNo.18 平中克幸(KCMG)だけは、最初からニュータイヤでコースインしていく。ここでオリベイラは1’06.893までタイムを伸ばすが2番手。ユーズドタイヤで 1’06.634をマークしたデュバルには及ばなかった。デュバルはその後、ユーズドタイヤでさらにタイムアップ。1’06.143までタイムを伸ばす。その後全車がピットに戻り、ニュータイヤを装着してコースインのタイミングを待つ。セッションの残り時間が約7分となったあたりで、再び続々とピットを後にした。ここでタイムを大きく伸ばしてきたのがNo.7 ケイ・コッツォリーノ(Team LeMans)。さらに、チームメイトのNo.8 石浦宏明(Team LeMans)、No.31 山本 尚貴(NAKAJIMA RACING)小暮らも次々に自己ベストタイムをマークし、ポジションを上げてくる。オリベイラも1回目のアタックタイムを上回り、4番手に滑り込んだ。一方デュバルは、このニュータイヤでのタイムアタック中、SPアウトコーナーでコースアウトしタイムを伸ばせなかった。しかし他のドライバーは、デュバルがユーズドでマークしたベストタイムを上回ることができない。その結果、Q1はデュバルがトップ。以下、小暮、石浦、オリベイラ、コッツォリーノ、山本、ロッテラー、No.10 塚越 広大(HFDP RACING)と続いた。脱落したのは、No.16 井出 有治(MOTUL TEAM 無限)、No.3 松田 次生(KONDO RACING)、No.29 井口卓人(DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING)の3人となった。
No.32 小暮 卓史
10分間のインターバルを経て、午後3時からQ2が開始。セッションが10分間ということで、全ドライバーともにニュータイヤを装着した状態でコースインのタイミングを待った。そして開始から3分、まず塚越がピットから動き出す。これを合図にデュバル、伊沢、平手、石浦と次々にコースイン。路面温度が低く、なかなかタイヤが温まらないため、各ドライバーはアウトラップを含めて3周ウォームアップをした後、残り時間が3分となったあたりから、タイムアタックへと入る。しかし、このアタック中、ハイポイントコーナーでコッツォリーノがコースアウト。No.2 伊沢 拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も、SPでコースアウトを喫してしまう。またコッツォリーノのコースアウト現場で黄旗が出されていた影響から、アクセルを緩めた平中と No.37 大嶋 和也(PETRONAS TEAM TOM’S)もタイムを伸ばせず、Q2で脱落する結果となっている。そしてここでもデュバルが、午前中に自身がマークしたコースレコードに迫るタイムでトップに立つ。石浦、オリベイラがこれに続き、塚越が4番手、ロッテラーが5番手。トラフィックに引っ掛かった小暮は、思ったようにタイムを伸ばせず6番手に留まった。
No.19 J.P・デ・オリベイラ
コッツォリーノのマシン回収に若干時間が掛かったこともあり、10分間で争われるQ3は当初の予定から3分遅れの午後3時23分に開始。ここでも全車、ニュータイヤを装着した状態でコースインのタイミングを待つ。そしてやはり、開始から3分というところで小暮が動くと、他のドライバーも一斉にコースイン。3周ほどタイヤを温めると、いよいよタイムアタックに入る。ここでまず、1分05秒台に入れてきたのが小暮。小暮はデュバルが午前中にマークしたタイムを上回る1’05.892を叩き出した。しかし間もなくデュバルがこれを上回る。わずか100分の4秒差ながらデュバルは1’05.843をマークし、昨年に続くポールポジションを決めた。また2番手には小暮、3番手にはオリベイラ、4番手にはロッテラーと、シリーズを争うドライバーがやはり上位に並ぶ。これに続いたのが石浦、山本、塚越。ランキング3位のNo.20 平手 晃平(Mobil 1 TEAM IMPUL)は8番手に留まった。ところがQ3のセッション中、塚越にピットロードでのスピード違反があったということで、明日のレースではグリッド降格。塚越が8番手、平手が7番手からスタートすることになる。
予選2位 No.32 小暮 卓史/PP No.1 ロイック・デュバル /予選3位 No.19 J.P・デ・オリベイラ