まさに行楽日和というにふさわしい秋晴れに恵まれた10月16日(土)の大分県・オートポリス。朝から多くの観客がサーキットへと足を運び、固唾を呑んで予選を見守った。そんな中、Q2までは白熱のタイムアタック合戦が繰り広げられていたが、Q3は波乱の展開に。真っ先にタイムアタックに入ったNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)がコントロールラインを切った後、1コーナー先でスピンし、コース上にストップ。これによって、赤旗が提示され、セッションはそのまま終了。ほとんどのドライバーはタイムアタックを行なう前に、走行を負えなければならなくなった。その結果、PPを獲得したのは、ロッテラー。ほぼ同時にタイムアタックを行なったチームメイトのNo.37 大嶋 和也(PETRONAS TEAM TOM’S)が2番手。他のドライバーはアタックに入っておらず、アウトラップのタイムにより、No.20 平手 晃平(Mobil 1 TEAM IMPUL)が3番手、No.8 石浦 宏明(Team LeMans)が4番手、No.1 ロイック・デュバル(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が5番手。以下のドライバーは未計測だったため、Q2の結果でNo.19 J.P・デ・オリベイラ(Mobil 1 TEAM IMPUL)、No.2 伊沢 拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.31 山本尚貴(NAKAJIMA RACING)と続くことになった。前戦・菅生を終えて、シリーズランキングトップに立ったNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)は、まさかの9番手で、Q3進出ならず。決勝では、ここから追い上げをはかることになる。
No.37 大嶋 和也
温かな陽射しの下、20分間の予選Q1が開始されたのは、午後1時45分から。この時点で気温は18℃、路面温度は33℃まで上昇した。コースがオープンされると、間もなく全車がコースインする。この中で、最初からニュータイヤを装着していたのは、山本、No.7 ケイ・コッツォリーノ(Team LeMans)、No.29 井口 卓人(DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING)、No.18 平中 克幸(KCMG)、No.3 松田 次生(KONDO RACING)の5人。その他のドライバーは、ユーズドタイヤで走り始める。ニュータイヤ組は、ここで最初のアタックを敢行。ピットに戻ると2セット目のニュータイヤに交換する。ユーズド組は、マシンの状態を確認すると一旦ピットに戻り、最初のニュータイヤ投入のタイミングを待った。そして、セッションの残り時間が7分を切ったあたりで、平手を先頭に、ほぼ全車が一気にコースイン。タイムアタックへと向かう。ここでトップタイムをマークしたのは、オリベイラ。デュバル、ロッテラー、石浦、平手がこれに続いた。一方、このQ1で惜しくも敗退となったのは、No.16 井出 有治(MOTUL TEAM 無限)、地元出身の井口、朝のフリー走行でほとんど走行できなかった松田の3人だった。
No.20 平手 晃平
10分間のインターバルを経て、10分間のQ2が開始されたのは、午後2時05分。この時点では、気温18℃、路面温度34℃。Q1とほぼ同じコンディションになった。セッションが開始されると、各車はタイムアタックのタイミングをピットで待つ。そして、開始から約4分が経過したところで、小暮がピットアウトすると、それを合図に全車がコースイン。タイムアタックに向かう。ここでアウトラップの次の周にタイムアタックに入り、まず1分30秒997をマークしてトップに立ったのはロッテラー。しかし、デュバルがこのタイムを大きく上回る1分30秒582を叩き出し、トップに立つ。結局、この2人だけが30 秒台をマーク。3番手以下には、オリベイラ、平手、石浦、大嶋、伊沢と続く。小暮は、ギリギリまで8番手に留まっていたが、チェッカー目前にチームメイトの山本がタイムアップ。小暮のタイムを上回った。その結果、小暮はまさかのQ2敗退。以下、塚越、コッツォリーノ、平中までがQ3進出を逃している。
No.8 石浦 宏明
さらに10分間のインターバルを経て、午後2時35分から、いよいよPPを決定するQ3が開始される。ここでも気温18℃、路面温度32℃と、コンディション的にはQ1からほぼ変わらない状況。ドライバーたちも、Q2同様、ニュータイヤを装着してピットで待機。コースインのタイミングを待った。そして、開始から約3分半、真っ先にコースインしたのがロッテラー。これを合図に、平手、大嶋、石浦、デュバル、伊沢、オリベイラが一気にピットアウトし、山本は少し遅れてコースへと入った。最初にコースに入ったロッテラーは、やはりアウトラップを終えたところからタイムアタックを敢行。ここで1分30秒879 と、Q2のタイムを若干上回ってくる。また、大嶋もここでは1周目からアタック。前にいた平手に引っ掛かりはしたが、1分31秒973をマークした。その他のドライバーは、その翌周にアタックを行なう予定だった。ところが、1周目のタイムアタックを終えたロッテラーが1コーナーの先でスピン。その際エンジンがストップし、ライン上にストップしてしまう。これにより、赤旗が提示された。だが、開始から5分が経過していたため、セッションの延長はなし。結局、赤旗が提示されたまま、セッションは終了し、ほとんどのドライバーはタイムアタックを行なうことができていない。その結果、セッションの順位は、ロッテラー、大嶋、平手、石浦、デュバルとなる。全く計測していないオリベイラ、伊沢、山本はQ2のタイムにより、そのポジションが6位、7位、8位となった。この暫定結果が発表されると、Q3に進出したドライバーが所属するチームのうち、PETRONAS TOM’Sを除く全4チームが正式抗議。その4時間後に、暫定結果は改定され、予選セッション中の赤旗の原因を作ったということを理由に、ロッテラーは4グリッド降格されることになった。その後、この暫定結果・改訂版に控訴が提出されなかったため、それがそのまま正式結果ということになった。
これにより、自身初のポールポジションを獲得することになったのは、大嶋。平手が2番手、石浦が3番手とトップ3は日本人ドライバーが占めることになった。タイトルを上位で争っている選手は、デュバルが4番手、ロッテラーが5番手、オリベイラが6番手。そして、小暮が9番手からの追い上げとなるが、今回もリーダーの入れ代わりがあるのか。3人の外国人ドライバーのグリッドが並んでいることもあり、明日はスタートから火花散る熱戦となることは間違いない。