4月に開幕した全日本選手権フォーミュラ・ニッポンも、いよいよ最終決戦。チャンピオン決定の場となるのは、開幕戦と同じ三重県・鈴鹿サーキットだ。
温かな陽射しに包まれた11月6日(土)、午後からはポールポジションのポイントがかかる緊迫のノックアウト予選が行なわれる。
それに先立ち午前9時25分から、1時間のフリー走行が実施され、約7ヶ月ぶりにフォーミュラ・ニッポンのエンジン音が、鈴鹿の空に響き渡った。
中国から東へと進んできた温かな高気圧に包まれ、鈴鹿は上着のいらないような小春日和となった。フリー走行が開始された時点で、気温は17℃、路面温度は22℃。開幕戦の同じセッションよりいずれも、数度高い。
そんなコンディションの中セッションが開始されると、半分ほどのマシンがユーズドタイヤでコースへと入った。チャンピオンタイトルを争っている No.19 J.P・デ・オリベイラ(Mobil 1 TEAM IMPUL)、No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)、No.32 小暮 卓史(NAKAJIMA RACING)、No.1 ロイック・デュバル(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、さらにNo.8 石浦 宏明(Team LeMans)らは路面のコンディションが良くなるまでピットでしばらく待機していた。
これらのドライバーの中で、最初に動いたのは石浦。開始から約15分が経過したところでまず、ユーズドタイヤでの最速を書き換える1’41.840 をマーク。この後ロッテラーが1’41.725、1’41.712、1’41.641と自己ベストを更新。デュバルも1’41.643、1’41.413 とタイムを伸ばし、2台は最初から石浦のタイムを上回ってきた。
小暮は時折マシンをスライドさせながら猛プッシュを見せ、ユーズドタイヤでの最後の周には1’41.770をマーク。やはり石浦を上回る。これに対し一歩遅れを取る形となったのは、オリベイラ。オリベイラは、1’42.216、1’42.139と自己ベストは更新するものの、この時点では5番手に留まっていた。
そして、セッションの残り時間が約7分となったあたりから、各ドライバーがニュータイヤを投入。午後の予選に向けて、タイムアタックのシミュレーションを行なった。
ここでまずタイムを出したのがロッテラー。ロッテラーは、アタック1周目に1’40.751をマーク。さらにプッシュを続けたが、マシンの限界を超えてしまい2コーナーでスピン。その後のタイムアップはならなかった。
これに続いたのは、デュバル。デュバルは「ブレーキのフィーリングが今ひとつだった」ということで、「ヘアピンで真っ直ぐ行きそうになった」とのことだがそれでも1’40.815を叩き出し2番手に滑り込んだ。さらに、小暮も1’40.928をマーク。3番手につける。
これにNo.31 山本 尚貴(NAKAJIMA RACING)、No.2 伊沢 拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と続き、オリベイラはまさかの6番手。ここから午後の予選での巻き返しはなるのか。それがタイトル争いでもキーポイントとなりそうだ。
一方ロッテラー、デュバル、小暮の3人は僅差。今回はQ1の結果がそのまま第1レースのグリッドとなり、ここにもポールポジションの1ポイントがかかっているが、1周限りのアタックをキッチリまとめてポールを獲るのは誰なのか。注目の予選セッションは、午後2時から開始される。