自力チャンピオンの可能性は4人、展開次第では平手、大嶋も!?
4月に開幕した2010全日本選手権フォーミュラ・ニッポンも、いよいよ来週末、鈴鹿サーキットで今シーズンの最終戦を迎える。ここまで6戦を終えて、自力チャンピオンの可能性を残すドライバーは、J.P・デ・オリベイラ、アンドレ・ロッテラー、小暮卓史、ロイック・デュバルの4人。他のドライバーの結果次第では、平手晃平や大嶋和也にもタイトルの可能性が残っており、ここ数年見られなかったような大混戦となっている。その中で、最後に笑うのは誰なのか? タイトルを目指す者たちにとっては、一切ミスの許されない緊迫感溢れる週末が間もなくやってくる。
変則ルールの予選、Q1から全車フルアタック! 今回のレースは、これまで行なわれた6戦とは違い、2レース形式。予選は、従来どおりのノックアウト方式だが、Q1の結果で第1レースのグリッドが決定。 Q1からQ3まですべての結果で、第2レースのグリッドが決定するという変則ルールだ。しかも、各レースのポールポジション獲得ドライバーには、それぞれ1ポイントが与えられる。つまりQ1でトップタイム、さらにQ3まで進出して、そこでトップタイムをマークすることで、計2ポイントを獲得することができるのだ。通常、ノックアウト予選のQ1では、上位を争うドライバーが、自分の100%の力を振り絞って、タイムアタックを行なうということはない。ある程度マージンを残して、Q2、Q3への進出を狙うのがセオリーだからだ。しかし、このQ1に1ポイントが懸かっているとなれば、話は別。タイトルを争うドライバーだけでなく、最後をいい形で締めくくりたいと願うドライバー全員が、フルアタックを行なうことになり、見応えは満点。まずはここで誰がトップを奪うのかということが、ポイントのひとつだ。もちろん、これはQ3に関しても同様。前回のオートポリス戦では、思わぬ赤旗により、多くのドライバーがタイムアタックを行なえないままでセッションを終えたが、今回の鈴鹿ではそのような事態が発生することなく、各ドライバーの全力でのタイムアタックを見せてもらいたいものだ。その結果、誰がポールシッターとなるのか、こちらも見所と言っていいだろう。
スタートを制する者がシリーズを制する…
決勝レースに関しては第1レースが20周、第2レースが28周(10周目以降にピット作業の義務付け)の変則的なスプリントレースを採用している。どちらのレースも周回数が少ないため最大ポイントはスタートだが、第2レースに関してはピット作業を含めたチームの総合力が試されるレースになる。しかも、優勝と2位以下では、雲泥の差。今回のレースでは、優勝者にそれぞれ、通常のポイントだけでなく、3ポイントのボーナスポイントが与えられるからだ。つまり、両レースで優勝すれば、ボーナスだけで6ポイント。優勝ポイントも合わせれば16ポイントを獲得することができる。各レースでの2位に4ポイント、3位に 3ポイントなど、優勝以下のポイントを見ていくと、いかに優勝することかが大切か分かる。そのため、予選順位もさることながら、上位のドライバーは全員、優勝しか考えないはず。そして、勝つために、最も重要なポイントとなるのが、スタートなのだ。オートポリス同様、ここで波乱が起きるのか。あるいはポールシッターがそのまま優勝するのか。これがレースでは最大の見所だ。その後は、寒い時期ということで、スタートから2~3周が勝負どころ。特に、タイヤが冷えている時の走りに定評のある外国人ドライバーたちが、どんな走りを見せるのかに注目だ。
最後に栄冠をつかむのは
このところ、予選で圧倒的な速さを見せているディフェンディング・チャンピオンのデュバルが劇的な逆転を見せるのか、常に安定した速さを見せるオリベイラが逃げ切るのか。あるいは参戦8年目、ここまで毎年のようにタイトル争いに絡んできたロッテラーや小暮が、ようやく栄冠を掴むのか。最後に誰がタイトルを奪うにしても、アツい戦いが繰り広げられるのは間違いない。