温かな小春日和となった11月6日(土)、いよいよ今シーズンを締めくくるフォーミュラ・ニッポン最終戦のノックアウト予選が、三重県・鈴鹿サーキットで行なわれた。その結果、レース1のポールポジションを獲得したのは、ランキング4位のNo.1 ロイック・デュバル(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。レース2のポールポジションは、ランキングトップのNo.19 J.P・デ・オリベイラ(Mobil 1 TEAM IMPUL)。自力タイトルの可能性を残しているドライバーたちが軒並み上位グリッドに並ぶこととなり、明日の激戦を予感させる結果となった。
No.1 ロイック・デュバル
いつも通り15台から3台が脱落する20分間のQ1が、午後2時より開始される。気温は18℃、路面温度は25℃と、半袖でも過ごせるようなコンディション。今回は決勝レースが2レース行なわれ、このQ1の結果がそのままレース1のスターティンググリッドとなる。そのため各ドライバーともに、セッション終盤にはフルアタックを見せた。まずセッションが開始されると、多くのドライバーは午前中のアタックシミュレーションに使用したユーズドタイヤでコースインし、マシンの感触を確かめる。No.18 平中 克幸(KCMG)、No.29 井口卓人(DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING)、No.16 井出 有治(MOTUL TEAM 無限)、No.7 ケイ・コッツォリーノ選手(Team LeMans)の4人が、最初からニュータイヤを装着していた。またNo.8 石浦 宏明(Team LeMans)もフロントにニュータイヤを装着し、スクラブするためにコースに出た。その他のドライバーは一旦ピットに戻り、残り時間が8分となったあたりからニュータイヤで再びコースイン。残り時間が3分となったあたりから、タイムアタックに入る。ここでまず1’40.872というトップタイムをマークしたのがNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)。しかし、間もなくデュバルが、その差はわずか100分の5秒でこれを上回る。さらにNo.32 小暮 卓史(NAKAJIMA RACING)がロッテラーに遅れること100分の9秒という僅差で3番手につける。そこに割り込んだのが、デュバルに遅れることわずか100分の1秒というタイムをマークしたオリベイラだった。その結果、レース1のポールポジションはデュバルが獲得することに。以下、オリベイラ、ロッテラー、小暮と、タイトル争いをしている4人がセカンドロウまでを占める大激戦となっている。しかも4台のタイム差は100分の8秒以内という、かつてない僅差。一方、ここで敗退したのは、井出、平中、井口の3人。中でも井口は、2セット目のニュータイヤを装着してコースに出て間もなく、エンジントラブルのために東ショートカットにマシンを停止。明日のレースに向けて、エンジンの積み替えを余儀なくされている。
No.32 小暮 卓史
10分間のインターバルを経て、Q2が始まったのは午後2時30分。この時点で、気温は18℃、路面温度は29℃まで上昇。コースがオープンされるとまず、石浦とコッツォリーノ、No.3 松田 次生(KONDO RACING)がフロントタイヤをスクラブするためコースに入る。その後、開始から3分30秒が経過すると、No.31 山本 尚貴(NAKAJIMA RACING)を先頭に、多くのマシンがニュータイヤでコースイン。タイムアタックに入った。ここで東コース最速タイムを大きく書き換えてトップタイムをマークしたのが小暮。これにロッテラー、山本、No.2 伊沢 拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、オリベイラ、No.37 大嶋 和也(PETRONAS TEAM TOM’S)と続く。Q1トップのデュバルはアウトラップからの2周、前方のマシンに引っ掛かり充分にタイヤを温めることが出来ず、まさかの7番手に留まっている。一方、ここで敗退となったのは、No.20 平手 晃平(Mobil 1 TEAM IMPUL)、石浦、松田、コッツォリーノの4人だった。
Mobil 1 TEAM IMPULの星野一義監督とNo.19 J.P・デ・オリベイラ
その約40秒後、ロッテラーと大嶋がコースイン。さらに40秒ほど経って、小暮、山本。さらに、オリベイラ、No.10 塚越 広大(HFDP RACING)がコースへと入った。ここで1’40.523をマークしてトップに立ったのが、真っ先にアタックに入ったデュバルだった。ロッテラーは 100分の2秒遅れの2番手。ところがその後、この2人のタイムをコンマ1秒ほど小暮が上回る。チームメイトの山本も、デュバルとロッテラーを上回る会心のアタックで続いた。しかし最後の最後に小暮のタイムを100分の5秒ほど上回り、ポールポジションを奪ったのはオリベイラ。午前中のフリー走行ではマシンバランスに苦しんでいたオリベイラだったが、予選では見事な巻き返しを見せた。これに小暮、山本、デュバル、ロッテラーが続いた。以下Q3は大嶋、伊沢、塚越という結果になったが、セッション後、伊沢のマシンがスキッドブロックの寸法違反に問われて予選の全タイムが抹消されることに。その結果、伊沢は両レースとも、最後尾からスタートすることになった。代わって7番手以下のタイムだったドライバーが全員、1つずつグリッドポジションを上げることになる。
明日は午前10時20分から、ノーピット20周で争われるレース1。午後2時半からは、タイヤ交換義務付けありの28周で争われるレース2が行なわれるが、この2レースを戦い、今年のチャンピオンタイトルを獲得するのは一体誰なのか。グリッドポジションを見ても、非常に興味深いレースが予想される。
決勝レース1 2位 No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/PP No.1 ロイック・デュバル /3位 No.36 アンドレ・ロッテラー
決勝レース2 2位 No.32 小暮 卓史/PP No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ /3位 No.31 山本 尚貴