2011 Formula NIPPON
No.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
7月17日(日)午前、富士スピードウェイで全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第3戦の予選が行われた。ポールポジションを決めるQ3は2人がトップタイムを出すという超激戦となり、No.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)が今季初のポールポジションを獲得した。
午前8時10分のスタートとなったこの公式予選は、朝の眠気を吹き飛ばすような熱い戦いとなった。
No.36 アンドレ・ロッテラー
昨日に引き続き、富士山がくっきりと見える好天の下、20分間のQ1が開始されたのは午前8時10分。この時点で、気温は26℃、路面温度は34℃。コースオープンされると、ほぼ全車がコースへと入った。昨日、全くニュータイヤを使っていないドライバーが多かったため、このQ1では、最初から好タイムをマークするドライバーが続出。最初のアタックから、No.8 石浦宏明(Team KYGNUS SUNOCO)が1分25秒882、No.16 山本尚貴(TEAM 無限)が1分25秒934と25秒台をマークしたほか、数人のドライバーが昨日の総合トップタイムを上回ってきた。
この時点で、唯一コースに入っていなかったのは、金曜日から連続でトップタイムをマークしてきていたNo.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)。オリベイラは、決勝レースにニュータイヤを1セット残すため、順当に突破できると考えられたQ1では、セッション終盤に1回だけアタックする作戦を取っていた。その他のドライバーは最初のアタックを終えると、ピットイン。残り時間が約7分となったあたりから、No.62 嵯峨宏紀(Le Beausset Motorsport)を筆頭に次々とコースに入って行った。
ここでまずQ1のトップタイムを書き換えたのは、No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)とチームメイトのNo.37 中嶋一貴がそれに続く。その直後、この2台を一気に上回ったのは、一発のアタックに賭けたオリベイラだった。オリベイラはアタック1周目に1分25秒496をマークすると、その翌周には1分25秒237までタイムアップ。Q1トップを決定付けた。これに続いたのは、ロッテラー。以下、No.2 平手晃平(TEAM IMPUL)、中嶋一貴、山本、No.7 大嶋和也(Team LeMans)と続いた。最初のアタックのタイムにより、7番手でQ1を突破した石浦は、セッション終盤はアタックせず。他のドライバーがニュータイヤでコースに入った時点で、石浦はユーズドタイヤでコースイン。Q2に向けてのマシンの状態を確認しただけで、ピットに戻った。これもやはり決勝にニュータイヤを1セット残すための作戦だ。一方、このQ1で敗退したのは、No.18 アレキサンドレ・インペラトーリ(SGC by KCMG)、No.3 アンドレア・カルダレッリ(KONDO RACING)、No.10 小林崇志(HP REAL RACING)、No.62 嵯峨宏紀(Le Beausset Motorsport)という結果になっている。
No.37 中嶋一貴
10分間のインターバルを経て、7分間のQ2が開始されたのは、午前8時40分。この時点では気温が27度、路面温度が39度まで上昇した。ここでコースオープンと同時にピットを後にしたのは、中嶋一貴とロッテラー。これに続くように、他のマシンもコースに入った。ここでまずトップタイムをマークしたのは、中嶋一貴。だが、ロッテラーがすぐにそのタイムを上回る。さらにオリベイラが再びトップを奪い、平手が2番手に浮上してきた。またここでNo.41 塚越 広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が一気にタイムアップ。インパル勢に次ぐ3番手に滑り込んでくる。さらに、山本が5番手、大嶋が6番手に入ってきた。だが、タイム的にはどのドライバーも非常に僅差。Q3も大接戦になることを予想させた。一方、ここでQ3進出を逃したのは、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)、No.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.33 国本雄資(Project μ/cerumo・INGING)、No.31中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)となっている。
さらに10分間のインターバルを経て、ポールポジションを決定する7分間のQ3が開始されたのは、午前8時57分。この時点では、気温が28度、路面温度が39度。セッションが開始されると、今度はオリベイラ、平手が真っ先にコースイン。これに中嶋一貴、大嶋、石浦、塚越、ロッテラー、さらには山本と続いたが、このコースインのタイミングがある意味ポールポジションの行方を左右することになった。ここで最初にタイムアタックに入ったオリベイラは、アタック1周目に1分25秒263を叩き出し、まずは順当にトップに立つ。平手はオリベイラにコンマ1秒ほど遅れて2番手につけたが、すぐ背後でアタックしていた中嶋一貴が100分の4秒ほど平手のタイムを上回り、2番手に浮上した。大嶋、石浦、塚越は、この3人のタイムに及ばず。そして、次にコントロールラインを切ったロッテラーがQ1、Q2よりもコンマ2秒ほどタイムを縮め、オリベイラと全く同じ1分25秒263をマークした。しかし、この場合、先にタイムを出したドライバーが上位に来るというレギュレーションがあるため、ロッテラーは2番手に。その結果、オリベイラが今季初のポールポジションを獲得することとなった。この2人に続いたのは、初のQ3進出を果たした中嶋一貴。以下、平手、塚越、山本、石浦、大嶋という結果になっている。
44周で争われる決勝レース。そのフォーメーションラップスタートは、午後2時40分。タイヤ交換が2回義務付けされている今回のレースは、どのような展開になるのか。決勝の暑さを考えて、タイヤを残しているオリベイラや石浦、決勝セットでのバランスに手応えを感じているロッテラーや中嶋一貴。最後に笑うのは誰なのか、目が離せない
第3戦 公式予選ダイジェスト [VIDEO LIBRARY]
No.36 A.ロッテラー ・ No.1 J.P.デ・オリベイラ ・ No.37 中嶋一貴