2011 Formula NIPPON
No.36 アンドレ・ロッテラー
7月17日(日)、富士スピードウェイ(静岡県)で2011年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第3戦の決勝レースが行われた。No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が、予選2番手から逆転で今季2勝目を挙げた。2位はNo.2 平手晃平(TEAM IMPUL)、3位にはNo.37 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が入賞した。
No.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
まさに灼熱地獄と言っていいほどの暑さとなった今日の富士スピードウェイ。レース距離200㎞、44周で争われたこのレースは、ドライバーにとっても非常にタフだった。フォーメーションラップがスタートしたのは、午後2時40分。この時点で、気温は34度、路面温度は50度まで上昇していた。このフォーメーションラップで、まずダミーグリッドを離れられなかったのは、No.62 嵯峨宏紀(Le Beausset Motorsport)。電気系の問題からギヤが入らなかった。嵯峨はピットに戻され、修復を終えた後、ピットスタートをすることになった。それ以外の15台は、1周の隊列走行を終えると、正規グリッドに着いた。
決勝レースのスタートが切られると、まず1コーナーまでにトップを奪ったのは、No.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)。No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)がそれに続いたが、予選3番手の中嶋一貴はクラッチミートに失敗して、失速。6番手まで後退した。代わって3番手に浮上したのはNo.2 平手晃平(TEAM IMPUL)。No.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.16 山本尚貴(TEAM 無限)がそれに続いた。
オープニングラップを終えると、レースは早くも動く。メインストレートでは、スピードに勝るロッテラーがさらにオーバーテイクシステムを活用し、オリベイラをオーバーテイク。早くも首位の座を奪った。一方、ここでNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)、No.8 石浦宏明(Team KYGNUS SUNOCO)、No.18 アレキサンドレ・インペラトーリ(SGC by KCMG)がピットイン。最初のタイヤ交換を済ませた。これに続いて、2周目にピットインしてタイヤ交換を行ったのが、No.3 アンドレア・カルダレッリ(KONDO RACING)。4周目を終えた所では中嶋一貴もピットに入った。
No.2 平手晃平
タイヤ交換を終えた中嶋一貴は、ここからファステストラップを書き換える好走。これを見て、2番手を走行していたオリベイラも8周を終えたところでピットに入った。ここでハプニングが発生。実際にはタイヤ交換作業こそ終わっていたのだが、フロントジャッキが下りたのを見た段階で、オリベイラはクラッチをミート。この時、まだリヤジャッキが上がっている状態だったため、タイヤが空転する。ここでチームは、ドライバーにブレーキを踏ませた後、ナットが締まり切っているかどうかを再確認したため、18秒5という作業時間が掛かり、オリベイラはポジションを落とす結果となったのだ。
No.37 中嶋一貴
この頃から、トップ争いはロッテラーと平手の戦いとなったが、その差は一進一退。1秒前後で推移した。その2人のうち、13周を終えて、先に1回目のピット作業に入ったのは、平手。平手はタイヤ交換を10秒4で済ませてコースに戻る。これを見て、その翌周にはロッテラーもピットイン。ここでの作業時間は9秒7と平手より1秒ほど早く、ロッテラーは事実上のトップでコースに戻ることに成功している。その後も2台は僅差で周回を重ねて行ったが、平手はストレートスピードに勝るロッテラーをかわすことができなかった。これと同じ状況は、3番手争いでも発生。早目のタイヤ交換が奏功し3番手に浮上した中嶋一貴に、ピット作業時のミスを取り返す力走で追いついてきたオリベイラも、ストレートスピードの差から、オーバーテイクを仕掛けることができなかった。
レースが折り返し、後半に入ると、各マシンともに2回目のピット作業に入り始める。トップ集団では、24周を終えたところで中嶋一貴がピットイン。ここではタイヤ交換だけでなく、燃料補給も行い、14秒7の作業時間でコースに戻る。
これを見て、中嶋一貴を追っていたオリベイラも25周を終えたところでピットイン。やはりタイヤ交換だけでなく給油も行なったが、作業時間はPETRONAS TEAM TOM'Sよりも1秒余り遅く、ここで中嶋一貴の前に出ることはできなかった。さらにこの翌周、26周を終えたところではトップを走っていたロッテラーがピットイン。やはりタイヤ交換と給油を行い、中嶋一貴と全く同じ14秒7という作業時間でコースに戻る。そして、これを見て平手もピットイン。ここでTEAM IMPULは意地を見せ、14秒1の作業時間で平手を送り出したが、平手はわずかにロッテラーの後ろでコースに戻ることになり、逆転はかなわなかった。
ここからの残り15周あまり、ロッテラーと平手、中嶋一貴とオリベイラの接近戦は続く。だが、レース前半と同様、ストレートスピードに勝るPETRONAS TEAM TOM'Sの2台をTEAM IMPULの2台は攻略することができず、44周のレースは終了。ロッテラーは前戦、オートポリス欠場の分を取り戻すように今季2勝目。開幕戦鈴鹿も勝利しているロッテラーは、つまり2戦2勝、勝率100%の強さを見せつけた。
平手は2位に入り、今季初の表彰台を獲得。中嶋一貴は、前回の優勝を含む3戦連続の表彰台獲得で、ポイントリーダーの座を守っている。以下、塚越、石浦、小暮と続き、ルーキーのNo.31中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)が8位入賞。嬉しい初ポイントを獲得している。
2位 No.2 平手晃平 ・ 優勝 No.36 アンドレ・ロッテラー ・ 3位 No.37 中嶋一貴 / 舘 信秀優勝チーム監督
第3戦 決勝レースダイジェスト [VIDEO LIBRARY]