2011 Formula NIPPON
2010年 第5戦
全7戦で行われる2011年の全日本選手権フォーミュラ・ニッポン。次戦は第6戦スポーツランドSUGO大会(9/24,25)。つまり、残すところ2戦となり、チャンピオン争いもついに終盤戦だ。ランキング上位陣はもちろん、最終戦での逆転に向け是が非でも勝ちに出るドライバーも少なくないはず。これだけでも緊迫感あるレースが予想されるが、舞台はハプニングが多いことで知られる難コース、スポーツランドSUGO。北の杜で展開されるドラマは、見逃せないものとなるだろう。
No.36 アンドレ・ロッテラー
スポーツランドSUGOは、宮城県仙台市から1時間少々、東北自動車道の村田インターチェンジ近くの山間にある緑豊かなサーキットだ。コースの性格としては高速系のレイアウトで、迫力あるコーナリングが随所で観られる。
一方、メインストレート、バックストレッチという2本の直線は、山間のサーキットらしく非常にきつい坂になっている。アクセル全開で上るメインストレートの先の1コーナー、下り坂の加速でブレーキングの難しいバックストレッチ先の馬の背コーナー。どちらもパッシングポイントであり、ドライバーのテクニックを問う見どころでもある。この他、SPコーナーもSPインとSPアウト、2つの中速コーナーが見渡せ、ドライバーやマシンの技術を味わうことができる。
No.37 中嶋一貴
このSUGOでよく言われるのが“何かが起こる”ということ。コース幅が狭めで、抜くのが難しく、さらには中高速系コーナーが多いだけにハプニングが起きやすいのだ。また、トップカテゴリーのマシンでは、車種やセッティングによる差が付き難く、接戦になりやすいのもそこに輪を掛けている。
観る側には“スリリングで、ドラマティック”だが、ドライバーにとっては気の抜けない難コースなのだ。
No.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
この大会、やはり中心になるのはタイトル争いで三つ巴状態のNo.36 アンドレ・ロッテラー、No.37 中嶋一貴(共にPETRONAS TEAM TOM'S)、No.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)であろう。そして、そこに誰が割って入るか? 最終戦にチャンピオンの可能性を残すのは誰になるのか? ここが最大の見どころだ。
それだけにランキングの第2グループに注目したい。No.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.7 大嶋和也(TEAM LeMans)、No.2 平手晃平(TEAM IMPUL)ら若手、いや、もはや結果を残さねばならない3、4年目のドライバーたちには、正に正念場の戦いになる。そして、今季始めにチャンピオン候補に挙げられながら未だ未勝利のベテラン、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)。自信のあった第5戦鈴鹿が悪天候で中止になっただけに、このSUGO戦には期する思いがあるはず。タイトル争いに残るため、ホンダ系のエースとしての存在を賭け、必勝体制で臨むレースとなるだろう。
No.32 小暮卓史
No.41 塚越広大
今回のレース形式も、タイヤ交換4本義務のピットインを2回行うスタイルになる。昨年のSUGO戦はノーピット作戦の大嶋和也が、レース早々にピットインしたデ・オリベイラ、スタンダードな1ピットで追い上げたロッテラーを振り切って、大逆転のFN初優勝を手にした。これはこれでスリリングな燃費競争だったが、今年は2ピットのルールらしい終始スピーディで迫力あるレース展開が期待できそうだ。
なんにせよ“最終戦を前にしたレースが最もおもしろい”とよく言われる通り、見どころ豊富な第6戦。しかも舞台は“何かが起こる”SUGOだ。この一戦、今シーズンの山場となるのは間違いないだろう。