2012 Formula NIPPON
No.1 アンドレ・ロッテラー
2012年の開幕戦は決勝日の朝を迎えた。鈴鹿サーキットの上空は薄く雲が掛かるが、天候は晴れ、コースはドライ。朝の寒さはあるものの、気温は16度、路面温度21度とレースには絶好のコンディションとなった。
No.32 小暮卓史
決勝レースへのマシン・セッティング、レース・シミュレーションが最大の課題となるフリー走行が午前9時10分から30分間で行われた。
1周1周が大事な走行となるだけに、各車はコースオープンと共にピットを飛びだして行く。ただNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)のみ、開始4分ほどまでピットに留まっていた。
周回も3周となりタイヤも温まりだすとまず素晴らしいラップを決めたのが、昨年のチャンピオンで予選6番手のNo.1 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)。ロッテラーは1分42秒022を記録し、さらに1分41秒029までタイムを縮める。結局このタイムが、フリー走行の最速タイムとなった。この後、ロッテラーはピットワークの練習を行い、コンスタントに41〜43秒台と決勝での走行を前提とした走りに終始した。予選3位のNo.2 中嶋一貴も3番手となり、決勝に向けてPETRONAS TEAM TOM'Sとしては、十分な手応えを得るフリー走行といえるだろう。
No.2 中嶋一貴
予選はQ2で脱落、11位と不本意なポジションとなったNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)も序盤に1分42秒315を出して、このセッション2番手となった。決勝への巻き返しを期待させるポジションだが、一方で11分以上ピットに籠もりサスペンションのセッティング変更をしており、その点は心配もある。チームメイトのNo.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)もセッション4番手につけている。
ポールポジションを獲得したNo.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は、最速タイムこそ7番手の1分43秒095だったが、このセッションをコンスタントに1分43秒台で走行。単純なタイムアップ狙いでなく、決勝を見据えた走行と思われる。ただ、予選2位のNo.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は14番手(1分43秒586)に留まった。
セッション5、6番手はNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)、No.8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)、そして8番手にNo.20 松田次生(TEAM IMPUL)とチャンピオン経験者が並んだ。予選Q3でクラッシュを喫したNo.16 山本尚貴(TEAM 無限)もマシンを修復し、フリーを走行。1分43秒390で10番手につけた。
このフリー走行で1分41秒台はトップのロッテラーただひとり。2番手の小暮以下10番手の山本までの9人がタイム差でほぼ1秒以内であり、1分43秒台と言うことなら15番手のデビュー戦のNo.3 安田裕信(KONDO RACING)までが含まれる。それだけに決勝レースは昨年以上の混戦となるかもしれない。
フリー走行終了直後には、メインストレートのグリッド上でスタート練習が行われた。各車はストレートに戻ると、一端グリッドにマシンを止めて静止。各自のタイミングでスタートをしていく。今年最初のレース、新人、カムバック組も少なくないだけに、重要な練習機会と言え、決勝レースがより良い状況で行われそうだ。