2012 Formula NIPPON
No.40 伊沢拓也
4月14日(土)、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン開幕戦の公式予選が、鈴鹿サーキット(三重県)で行われ、No.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が、自身初となるポールポジションを獲得した。
完全なウェットコンディションとなった朝のフリー走行から一転。鈴鹿上空には昼頃から日が射し始める。しかし、まだ路面は乾き切らず、セミウェット状態の中、午後2時からノックアウト予選のQ1セッションが開始された。そのため、予選開始前にウェット宣言も出されている。
No.41 塚越広大
20分間のQ1セッションが開始されると、ほとんどのドライバーは、スリックタイヤを装着してコースイン。No.62 嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset Motorsports)とNo.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)の3人だけは、レインタイヤでコースイン。1周様子を見てピットに戻ると、スリックに履き替えてコースに戻った。このセッション前半は、路面が徐々に乾いていくコンディションとなり、どのマシンも周回するたびに大きくタイムアップ。残り7分頃からは、ほとんどのドライバーが2セット目のタイヤを投入して、さらなるタイム更新を狙った。その中で、チェッカーと同時にトップタイムをマークしたのは、No.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。これにNo.16 山本尚貴(TEAM 無限)、No.2 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)、No.1 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)、No.7 大嶋和也(Team LeMans)、No.8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)と続く。一方、このセッションで敗退となったのは、No.10 金石年弘(HP REAL RACING)、中嶋大祐、嵯峨、No.18 折目遼(SGC by KCMG)だった。
10分間のインターバルを経て、7分間のQ2が開始されたのは午後2時30分。この時点では気温が17度、路面温度が24度まで上昇する。セッションが開始されると、すぐに全車が、ニュータイヤでコースインした。多くのドライバーは、タイヤを2周温めてからタイムアタックに入ったが、ここで1周目からアタックを開始。
No.2 中嶋一貴
まずトップに立ったのは塚越。その後、No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)、中嶋一貴らがトップタイムを書き換えて行く。そして、チェッカー目前に唯一人、1分39秒台をマークしたのは山本だった。以下、中嶋、アタック2周目にタイムを刻んだ塚越、大嶋、オリベイラ、伊沢と続く。一方、ここで敗退となったのは、デュバル、No.39 国本雄資(Project μ/ceromo・INGING)、小暮、No.38 平手晃平(Project μ/ceromo・INGING)、No.3 安田裕信(KONDO RACING)だった。
さらに10分間のインターバルを経て、7分間で行われるQ3が始まったのは、午後2時47分。Q2とほぼ同じコンディションの中、セッション開始が迫ると、ロッテラーと中嶋一貴はピットロードエンドでコースオープンの時を待つ。そして、シグナルがグリーンになると真っ先にコースへと入った。これに続いて他のマシンもピットアウト。ここでも2周、タイヤを温めてアタックに入る。最初にアタックに入ったロッテラーは、デグナー2つ目の入り口でテールが流れて、若干コースからはみ出す。ここでタイムを大きくロスし、次の周に仕切り直すことになる。これに続いてアタックをしていた中嶋一貴は、1分39秒991をマーク。まずはトップに立った。
その直後、他のドライバーたちがアタックラップに入っている真っ最中に、セッションは赤旗で中断される。これは2コーナー立ち上がりで、山本がスピン、クラッシュしたため。残り時間1分05秒という時点で起こったアクシデントだった。このマシンの回収が終わり、午後3時からセッションは残り時間2分半ということで再開。残る7人のドライバーはピット出口オープンと同時に、次々にコースに入り、1周のみのウォームアップを経て、仕切り直しのアタックに入る。
No.7 大嶋和也
No.20 松田次生
ここで、まず中嶋一貴が、赤旗前に出していた自己ベストタイムを更新してトップに立つ。だが、これを上回ってきたのが、伊沢だった。ちょうど、それと同じ頃、スプーン2つ目でオリベイラがスピン。ストップしてしまう。オリベイラの後ろでアタックしていた塚越は、セクター2まで伊沢を上回るペースで来ていたが、このスピンの影響を受けたこともあり、コントロールラインを切った時のタイムは2番手だった。それでも、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGはフロントロウ独占。初のポールポジションを獲得した伊沢も、ピットロードに戻り、コックピットを下りると全身で嬉しさを爆発させた。
No.41 塚越広大 / No.40 伊沢拓也 / No.2 中嶋一貴