2012 Formula NIPPON
No.32 小暮卓史
第3戦オートポリスの決勝日を迎えた。この日の朝、サーキットの上空はさわやかな青空が広がり、阿蘇の山並みの新緑ときれいなコントラストを見せていた。気温は20℃、コースはドライだ。
No.3 安田裕信
今大会を前に路面が一新されたオートポリス。金曜日に雨が降ったため、土曜の走行では流れ出た砂で滑りやすい状況だった。予選になるとその砂も飛び、今朝は日差しも強く路面温度が上昇し、さらに路面が“できあがって”きた。刻々と変化していく新路面を決勝に向け、把握し、午後の状況を予測するため、データを少しでも多く収集、セッティングの確認をするべく、全車が積極的に周回を重ねた。
走行開始から5分、早くも1分30秒を叩き出したのは、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)だ。3周目で出したタイムは1分30秒8716で、タイミングモニターのトップに名を刻む。これに僚友のNo.31 中嶋大祐も続き、1分31秒299でワン・ツー体制となる。この2台に割って入ったのが、No.3 安田裕信(KONDO RACING)。走行8分時点に1分30秒716で2番手につける。セッションの終盤までこの3台がトップ3を形成した。
No.1 アンドレ・ロッテラー
そして終盤、走行20分過ぎ。これまで1分32秒台前半でコンスタントに走行していたNo.1 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が1分31秒272を記録。中嶋大祐を抜き3番手となる。そし、No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)は、走行時間ラスト5分に1分31秒302までタイムアップし、5番手に浮上。昨日はQ2止まりと不本意な予選となった2名が、決勝への逆転手応えある走行を見せていた。
それ以外の上位陣に変動はなく、走行時間30分は終了。トップ5は小暮、安田、ロッテラー、中嶋大祐、デ・オリベイラとなった。
一方、ポールポジションのNo.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は、コンスタントに1分32秒前半から31秒台後半で走行。結局、ベストは1分31秒778で、最終的なポジションは11番手。予選2位のNo.20 松田次生(TEAM IMPUL)も1分31秒623で10番手に留まった。
この天気なら、午後に入るとさらに気温は上がるだろう。そうなると路面温度も高くなる。それを見越したセッティングや確認を行ったチーム、ドライバーもあるはずだ。また、このセッションの燃料搭載量もチームによって違うだろう。そのため、このフリー走行のタイムがそのままレースでのペース、勢いに繋がるとは思えない。ただ、見ている限りではロッテラーとデ・オリベイラは何かしらの手応えを得たように見え、決勝で台風の目になりそうだ。
決勝レースのスタートは14時30分。54周、約250kmの先にある栄冠は誰が掴むか? まだ現状では分からない。