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2012 Formula NIPPON

Round3オートポリス

  • オートポリス
  • 公式予選
    決  勝
  • :2012年5月26日(土)
    :2012年5月27日(日)
  • オートポリス:4.674 km
    決勝レース:54 Laps [252.396 km]

Race

あまりにも完璧な初勝利
塚越広大が涙のポール・トゥ・ウィン!
2位には伊沢が入り、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGが初のワン・ツー・フィニッシュ

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No.41 塚越広大

初夏というよりも、夏と言っていいような好天に恵まれた5月27日(日)、オートポリス(大分県)で2012年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第3戦の決勝レースが行われた。このレースで、No.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がポール・トゥ・ウィンで初優勝を飾った。2位にも同じチームのNo.41 伊沢拓也が入り、チーム初のワン・ツー・フィニッシュを果たした。

2012-05-27 14:30-15:57 天候:晴れ コース:ドライ 気温:26℃ 路面温度:49℃

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塚越が素晴らしいスタートを決める

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No.40 伊沢拓也
 フォーメーションラップがスタートした午後2時30分の段階で、気温が26℃、路面温度が49℃まで上昇した決勝日のオートポリス。1周の隊列走行を終えて、正式スタートが切られると、ホールショットを決めたのは、ポールポジションスタートの塚越。今季自己ベストの2番手グリッドからスタートしたNo.20 松田次生(TEAM IMPUL)はホイールスピンで出遅れる。一方、ここで抜群のスタートを決めたのは、伊沢。伊沢は1コーナーに入るまでに、2番手に浮上すると、チームメイトの塚越と1-2フォーメーションを確立した。
 これに続いたのは松田。松田は出遅れのミスを取り返すかのように、1〜2コーナーまでにNo.7 大嶋和也(Team LeMans)をかわして、3番手を守ったが、第1ヘアピンでは大嶋が差し返した。この時、接触を避けようと、松田はアクセルオフ。その間に、後続のマシンにかわされ、8番手まで後退してしまった。

 一方、その後方では、クラッシュも発生。予選8番手からスタートしたNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)は、2コーナーでアウト側からポジションアップを狙ったが、突然グリップを失ったということでコースアウト、クラッシュ。No.1 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)も、スタートでポジションは上げていたものの、同じ場所で軽くコースアウトし、再び13番手までドロップした。さらに、同コーナーでは、No.62 嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset Motorsport)がNo.18 折目遼(SGC by KCMG)に追突する形となり、2台揃ってコースアウト、リタイアとなっている。その後、12周目には、ロッテラーが左リアサスペンションにダメージを負ってコースアウト。ピットに戻ると、そのままリタイアとなった。

54周に渡るチームメイト同士の息詰まる戦い

photo トップ争いは、オープニングラップから塚越が逃げる展開。伊沢がそれに必死に食らいついていく。しかし、その差は20周を終えたところで6秒以上まで開いた。とは言うものの、伊沢が逆に詰め寄って行く場面もあり、外から見ている以上に緊迫した一進一退の攻防が繰り広げられていた。一方、スタートで思ったようなポジションまで上げられなかったドライバーたちは、早目のタイミングでピットインを開始する。まず序盤7番手につけていたNo.2 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が、15周を終えたところでピットイン。燃料補給とリヤタイヤのみ交換して、11秒余りという素早い作業でコースに戻る。その翌周には、9番手を走行していたNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)がピットイン。さらに、その翌周には、一貴を意識したのか、3番手を走っていた大嶋と、最後尾スタートながら上手いポジション取りで一気に6番手まで浮上していたNo.16 山本尚貴(TEAM 無限)がピットイン。大嶋は、一貴の前でコースに戻ったが、山本は一貴に先行を許してしまった。

 しかし、トップ集団は、なかなかピットに入ろうとしない。この時点でも、彼らのラップタイムは、タイヤ交換をしたドライバーたちよりも速かったためだ。ようやく上位陣がピットに入ったのは、35周を過ぎてから。まず2番手を走っていた伊沢が37周を終えたところでピットイン。給油とタイヤ4本を交換して、13秒3のストップでコースに戻る。その翌周には、大嶋のピットストップ後、3番手に浮上していたNo.8 ロイック・デュバル(TEAM KYGNUS SUNOCO)がピットイン。さらに、その翌周にはトップの塚越がようやくピットに入る。この塚越も、給油とタイヤ4本交換を12秒5という短いストップで終え、一度も首位を明け渡すことなく、コースに戻った。

デュバルが新チームで初表彰台を獲得

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No.8 ロイック・デュバル
 結局、ここでのポジションの入れ替わりはなく、塚越、伊沢は見事なワン・ツー・フィニッシュを果たす。4年目にしての初優勝ということで、ウィニングランを終えた塚越の眼には、涙がにじんでいた。彼らに続いたのは、デュバル。最後まで3位を守り切ったデュバルにとっては、新チームでの初表彰台となった。

 以下、レース終盤、大嶋をかわした松田が4位、同じく大嶋をかわしてきた一貴が5位。6位には大嶋、7位にはNo.38 平手晃平(Projectμ/cerumo・INGING)、8位にはNo.39 国本雄資(Projectμ/cerumo・INGING)。ここまでが入賞している。中嶋一貴は昨年開幕戦でありデビュー戦から続いていた連続表彰台が、残念ながらこの一戦で途切れてしまった。ただ、連続ポイント獲得はまだ途切れなかった。
 このレースの結果、ドライバーズランキングでは塚越が23ポイントで首位に浮上。一貴が20ポイントで2番手、伊沢が17ポイントで3番手まで上がってきた。今回、いずれもリタイヤに終わったロッテラーは4位、デ・オリベイラは5位に後退している。またチームランキングでも、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGが38ポイントで、トップ浮上。これを4ポイント差でPETRONAS TEAM TOM'Sが追う展開となっている。

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No.20 松田次生
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No.2 中嶋一貴

 フォーミュラ・ニッポンは、少し間が空き、第4戦富士スピードウェイが行われるのは、7月14日(土)〜15日(日)。それまでに、このレースで負けたチームは、さまざまな対策をしてくるはずだ。一方、勝ったチームも、兜の尾を引き締めてくることだろう。その真剣勝負をお待ちいただきたい。


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2位 No.40 伊沢拓也 / 優勝チーム 村岡 潔監督 / 優勝 No.41 塚越広大 / 3位 No.8 ロイック・デュバル

決勝レースダイジェスト [VIDEO LIBRARY]
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記者会見

星マークをいっぱいつけたいです
優勝
No.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
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 ほんと優勝できて、優勝をHonda、チームにプレゼントできてほんとに良かったです。レースはスタートさえうまくいけば、決勝ペースには自信があったので、集中してスタートを決めることを考えました。スタートを無事にトップで行くことができて、それからは毎周プッシュして、少しでも後ろとのギャップを築けるように走りました。伊沢(拓也)さんが後ろにいたのはすぐにわかったので、同じチームだけに一番手強いと思ったので、最後までプッシュして走りました。ずっと同じようなペースだったし、途中ミスしたら簡単にギャップが縮まってしまいそうな感じだったので、それを思うと本当に長い長いレースでした。最後まで攻めるクルマにつくってくれた(エンジニアの田中)耕太郎さんに感謝したいですし、自分自身も最後まで気持ちよく走ることができました。
 ゴールした瞬間は、ヘルメットの中では涙が出ていて…。勝つ勝つといいながら4年経ったんですが、やっと勝ててうれしさとあとはここまで長くなってしまったけれど、ホッとできたという思いを噛みしめながら走ってきました。『耕太郎さんには何か叫べよ! 』と言われましたが、本当に自分で(うれしさを)噛みしめて…。耕太郎さんには最高のクルマだったっていうことを、そして村岡監督にはお礼の言葉を(無線で)伝えました。あとはいろんな人への感謝の気持ちを持ちながら(ウィニングランを)走りました。
 まだポイントランキングの話をするのは早いと思いますが、この勢いでたくさん勝ちたいですね。(マシンに貼って勝ち数を表す)星マークをいっぱいつけたいです。
ふたりは非常に細かいバトルをしていました
2位
No.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
 昨日の予選では塚越選手にポールポジションを獲られて、僕自身もミスが多くて5番手に沈んで悔しい思いをしたので、(決勝では)気持ちを切り替えてスタートに向けて集中しました。それがまずうまくいったのが今日の結果につながりました。僕自身、スタートは上手いほうだと思うのですが、当然今日も(スタートでトップに出ることを)狙っていたんですが、あと一歩で届かなかったですね。ただ、3番手スタートならいけたかなと思うくらい、今日も非常にいいスタートでした。
 レース中は塚越選手が見える位置にいたのですが、僕もできる限りがんばりましたし、彼もがんばっているのがわかっていた。内容としては単調に見えたかもしれませんが、ふたりの間では非常に細かいちょっとしたツメの部分のバトルを感じながら走りました。
 村岡(潔)監督には(移籍して以来)長い間、苦労をかけたし、迷惑もかけてました。でも、チームとして初めてのワン・ツー・フィニッシュができたのでうれしい部分があるんですが、僕のほうがチームに長く居るぶん、先に優勝したかったな、というのが正直なところでもあります。
表彰台に上がれて、いいレースウィークだった
3位
No.8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)
 まず最初にDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの優勝にお祝いを言わなければ。僕もお世話になったチームだからね。そして、なにしろ彼らは今週末速かったし、いいレースをしていたから。
 一方、僕自身は今年フォーミュラ・ニッポンに戻ってきて、しばらくの間、ちょっとうまくいかなかったりしたんだけれど、今日こうやって、コンペティティブな戦いもできたし、表彰台に上がるレースができた。序盤のペースは良かったし、接近戦にもなったんだけけれど、ほとんど同じようなペースになってしまうと、かえって抜くことが難しいんだよ。結果として今回もそういう状況になってしまったと思う。それから、ピットストップでは予定よりも給油時間が短くなってしまい、燃費が厳しくなった。だから、後半は燃費をセーブして走らなきゃいけなくなったんだ。だけど表彰台に上がることができたので、いいレースウィークだったと言えるね。
ふたりを共に勝たせてあげたかった
優勝チーム監督
村岡潔監督(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
 ランキングがトップになり、ドライバー部門でも塚越君がトップに立ったということですが、今日のレースではそういうことを常に計算しながら戦っていました。まずは皆さんにお礼を申し上げます。
 今回、オートポリスを戦うにあたり、(勝つ)チャンスがあるとチーム内でも(統一した)理解がありましたので、かなりの集中力をもってチームスタッフ全員挑みました。準備できるものは準備し、ハードもソフトも含め、用意できるものを用意してきました。Hondaとして、チームとして長らく勝てていなかったので、メインスポンサーであるドコモさんはじめ、いろんな企業さんにガマンをしてもらっていました。そのガマンの期間がまた長くならないようにいつも勝っていきたいと思います。
 幸か不幸か我々が最後に勝ったのは、一昨年の鈴鹿のロイック(デュバル)なんです。今日、ロイックが3番手を走っているのを見て、あぁこれも運命かなと思いながら、そのロイックがチームに与えてくれたものを伊沢君と塚越君の2人でこういう形(ワン・ツー・フィニッシュ)にしてくれたと思うので、ほんとにいい表彰台になったと思います。残念なことは、伊沢君と塚越君のふたりを共に勝たせてあげたかった、と。本当に勝たせてあげたかった、それだけです。

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