2012 Formula NIPPON
No.2 中嶋一貴
7月14日(土)、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第4戦の公式予選が、富士スピードウェイ(静岡県)で行われ、No.2 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が、フォーミュラ・ニッポン初のポールポジションを獲得した。
3年ぶりの2日間開催となった今大会。この14日土曜に決勝のスターティング・グリッドを決めるノックアウトアウ方式の予選が行われた。サーキットの上空は、まだ梅雨が明けきらず、どんよりとした曇り空だ。
ノックアウト方式の予選が開始されたのは、午後2時10分。これに先立って行われたF3の決勝中盤から、富士スピードウェイには再び雨がパラつき始める。そのため、フォーミュラ・ニッポンの予選Q1もウェット宣言が出される中で20分間のセッションがスタートする。しかし、路面はほとんど濡れるところまで行っておらず、全車スリックタイヤを装着してコースに入ると、マシンの感触を確かめる。ところが、開始から3分というところで、セッションは赤旗のため中断に。これは現在ランキング3位につけるNo.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が最終コーナー立ち上がりでスピン、ストップしてしまったため。このマシンが回収されると、午後2時19分、残り17分ということでセッションは再開された。
No.7 大嶋和也 その後、各ドライバーはコースに入り、再びマシンの状態を確認。セッションが残り6分余りとなったあたりから、ニュータイヤでのアタックに入った。ここで、チェッカー目前にトップタイムをマークしたのは、No.1 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)。No.2 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)がそれに続く。3番手にはNo.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。さらに、No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)、No.39 国本雄資(Projectμ/cerumo・INGING)、No.20 松田次生(TEAM IMPUL)、No.8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)、No.38 平手晃平(Projectμ/cerumo・INGING)と続く。一方、Q1で敗退となったのは、No.62 嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset Motorsport)、No.10 金石年弘(HP REAL RACING)、今回がデビュー戦となるNo.11 中山友貴(HP REAL RACING)、No.18 折目遼(SGC by KCMG)、さらにノータイムとなってしまった伊沢だった。
10分間のインターバルを経て、7分間で争われるQ2が開始されたのは、午後2時46分。この時には雨も上がっており、路面もドライに。セッションが開始されると、間もなくQ2に進出した13台のマシンがニュータイヤを装着してコースに入った。
ここで異変に見舞われたのは、Q1でトップタイムをマークしたロッテラー。「マシンのセットアップは何も変えず、タイヤしか換えていないのに、全くグリップしない」という症状に陥ったロッテラーは、それでも渾身のアタックを見せたが、全くタイムが伸びす、このセッション9番手。まさかのQ2敗退という結果に終わった。これとほぼ同じ症状に見舞われたのは、デュバル。デュバルも「Q2でのタイヤの感触がQ1とは全く違った」ということで、Q3進出を逃している。一方、このセッションでトップタイムを叩き出したのはデ・オリベイラ。一貴、松田、塚越、No.7 大嶋和也(Team LeMans)。No.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)が6番手のタイムを叩き出し、初のQ3進出を果たす。さらに、国本と平手もQ3に残った。これに対して、Q3進出を逃したのは、前述のロッテラーとデュバル。さらに、No.16 山本尚貴(TEAM 無限)、No.3 安田裕信(KONDO RACING)、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)もここで敗退となった。
No.41 塚越広大
さらに10分間のインターバルを経て、8台のマシンによるQ3が開始されたのは、午後3時03分。ピット出口がオープンされると、残る8台のマシンはすぐさまスリックタイヤでコースに入った。
だが、このセッション開始直前から、再び富士は雨に見舞われ、再びウェット宣言が出された。しかも、この雨はQ1の時よりも強く、アッという間にセクター3の路面が濡れてしまった。そのため、全車まともなタイムアタックはできなかった。その中、まっ先にコースインし、何とか前半区間がドライのうちに駆け抜けた一貴が1分36秒694のトップタイムをマーク。それに続いた大嶋、塚越、国本が2番手から4番手につける結果となった。
この滑りやすいコンディションの中、最後までプッシュを続けて自己ベストを更新し続けた松田は5番手。以下、コースインのタイミングが若干遅れたデ・オリベイラが6番手、大祐が7番手。パドルシフトの調子がおかしくなってしまった平手は、計測だけは行ったが、まともに走れない状況となったため、その後走り続けることはなく、ピットに戻っている。しかも、平手はQ1でニュータイヤを装着してコースに入る際、ピット出口のホワイトラインをカットしたということで、決勝レ-スで3グリッド降格というペナルティーも受ける結果となってしまった。
デ・オリベイラ、ロッテラー、デュバル、伊沢といった実力派ドライバーが後方に沈み、一方、ランキング2位とトップの一貴と塚越が前方に並ぶという明暗が分かれた予選となった。ここから決勝レースはどのような展開になるのか。日曜日も不安定な天候になることが予想されているだけに、波乱は必至と言えるだろう。
No.39 国本雄資
No.20 松田次生
No.7 大嶋和也 / No.2 中嶋一貴 / No.41 塚越広大