阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO･INGING)が初のPPを獲得した予選から一夜明けた3月10日(日)の三重県鈴鹿サーキット。予選後にはサーキットに雪が降るなど冷え込みがさらに増し、決勝日となる10日も真冬のような天候となった。そんな中、午前9時10分からは全日本スーパーフォーミュラ選手権のフリー走行が20分間に渡って行われている。このフリー走行では、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)がトップタイムをマーク。これに佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)、山下健太(KONDO RACING)と続いた。昨日の予選で2番手のポジションを獲得している太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)はこのセッションでは4番手、予選で3番手のポジションを獲得している野尻智紀(TEAM MUGEN)は6番手。PPの阪口は13番手に留まっている。
 
FP.2 P1 坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)

 

晴れたり曇ったりという朝を迎えた3月10日(日)の鈴鹿。気温8℃、路面温度12℃と、公式合同テストの時よりも冷え込んだコンディションのもと、午前9時10分から始まったフリー走行。コースがオープンされると、野尻を先頭に、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、坪井、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、阪口、大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO･INGING)、テオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、山下、小高一斗(KONDO RACING)、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)といった順で、ドライバーたちが次々にピットを後にする。セッション開始から約2分という所では、最後に佐藤がコースイン。全車が走行を開始した。

この中で、アウトラップを終えると、野尻、岩佐、坪井、牧野、大湯、可夢偉、国本らはピットロードに滑り込む。そして、多くのドライバーたちが、ピットロード出口でスタート練習をおこなった。スタート練習からの連続周回で、まもなく1分39秒に飛び込んできたのは野尻。野尻は計測3周目には1分39秒951をマークし、この時点でのトップに立つ。これに続いて、坪井が計測3周目に1分39秒172をマーク。野尻のタイムを大きく上回ってきた。一方、ピットに入ることなく最初から連続周回に入ったのは松下信治(TGM Grand Prix)。松下は、計測も計測4周目に1分39秒557をマーク。続いて、牧野が1分39秒767、福住が1分39秒385、太田が1分39秒294、山本が1分39秒464、佐藤が1分39秒280、山下が1分39秒289と多くのドライバーが39秒台に入ってきた。
 
FP.2 P2 佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)

 
その後は数周してピットに戻り、セットアップを微調整するドライバー、そのまま連続周回するドライバーと、それぞれメニューをこなしていった。その中でも連続周回で好タイムを維持したのは、今日セカンドグリッドからスタートする野尻。野尻は自己ベストとなる1分39秒951を出した後、1分40秒198、1分40秒394、1分40秒265、1分40秒449、1分40秒622と、40秒台前半から半ばのタイムを続けてマーク。その後、タイムは41秒台に落ちたが、かなり仕上がりの良さを感じさせた。また、予選2番手、フロントロウからスタートする太田は、1分39秒294というタイムをマークした後、1分39秒588、1分40秒119、1分40秒474、1分40秒811。一旦ピットに入った後、再び1分40秒844、1分40秒238というタイムをマークし、こちらもかなり仕上がりが良さそうだ。さらに、気になる存在が、予選4番手の佐藤。佐藤は、1分39秒280をマークした後、1分40秒231、1分40秒445、1分40秒594、1分40秒760というタイムをマーク。一旦ピットに入ってマシンの微調整をした後も、1分40秒322、1分40秒417を出し、野尻や太田と同等かそれ以上に安定して速いタイムを刻んだ。これに対して、PPからスタートする阪口は、1分39秒990という自己ベストを出した後、1分40秒551、1分41秒085。一旦ピットに入ってセットアップを微調整した後も、1分41秒053、1分41秒972、1分41秒216と、40秒台での連続走行はできていない。
 
FP.2 P3 山下健太(KONDO RACING)

 
このフリー走行では、何Kgの燃料を搭載しているのか、何周走ったタイヤで走行しているのか、ドライバーによってまちまち。そのため単純な比較はできないが、タイムシートから見ると、フリー走行ではホンダエンジン勢が安定している様子だった。これに対して、PPの阪口や、4列目スタートの山下、福住ら、トヨタエンジンユーザー勢が決勝でどう対抗するのか。ストラテジーを含め、決勝レースはスタートから見所が満載だ。