「第1回瑶子女王杯(Princess Yohko Cup )FP.1は牧野任祐がトップタイム
2024.07.20
FP.1トップタイム 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELIION RACING)
7月7日(日)〜8日(月)に行われた第2回合同テストから、わずかに約2週間。多くの学校が夏休みに入ったばかりの7月20日(土)〜21日(日)には、第1回瑶子女王杯 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第4戦富士大会(Princess Yohko Cup Japanese SUPER FORMULA Championship Round4 Fuji Speedway)が行われる。今回の舞台となるのは、静岡県富士スピードウェイ。事前の合同テストも非常に暑いコンディションとなった富士で行われたが、レースウィークの木曜日には東海地方が梅雨明け。走行初日もテスト時と同じく朝から真夏のコンディションとなった。午前中には90分間に渡ってフリー走行が行われたが、そこでトップタイムをマークしたのは、テストから絶好調だった牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。これに大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、山下健太(KONDO RACING)と続いている。
この第4戦は、「第1回瑶子女王杯(Princess Yohko Cup)」のタイトルが懸けられており、優勝者には賜杯が御下賜されるというドライバーにとってもチームにとっても非常に名誉な大会。同時に、富士スピードウェイが「スーパーフォーミュラ夏祭り2024」と題して様々なイベントを実施。場内では親子で楽しめる仕掛けが用意されている。そのため、予選前日から、多くの観客がゲート前で入場を待つなど、朝からサーキットは賑わった。そんな中、午前9時20分からは、90分間で行われるスーパーフォーミュラのフリー走行が始まる。早朝は曇り空だった富士。しかし、セッション開始が近づくと青空が広がり、太陽が照りつけた。メインストレートには追い風が吹いていたが、セッション開始時点で気温は30℃、路面温度は35℃まで上昇。また、湿度が非常に高く、蒸し暑いコンディションとなった。
コースがオープンされると、野尻智紀(TEAM MUGEN)を先頭に、岩佐、牧野、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、Juju(TGM Grand Prix)、今回から松下信治に代わってステアリングを握ることになった大津弘樹(TGM Grand Prix)、三宅淳詞(ThreeBond Racing)といった順で、3分の1ほどのドライバーがすぐさまコースイン。野尻、牧野、阪口はアウトラップでマシンのチェックを行うと、すぐにピットに戻った。一方、岩佐、太田、Jujuはそのまま計測ラップへ。大津はアウトラップ、インラップと走ってピットに戻る。この頃には、小高一斗(KONDO RACING)、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、福住らがコースイン。やはりマシンの状態をチェックするとピットに戻っている。
FP.1 2番手 大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
走行を続けていた中では、まず太田が計測3周目1分24秒809をマーク。続いて、太田は1分24秒351までタイムを伸ばしてくる。これは、前回のテストの最初のセッションに当てはめると、6番手となるタイム。この頃から各ドライバーは本格的な走行に入った。開始10分という所で、太田に続き1分24秒730と24秒台に入ってきたのは野尻。さらに、開始から13分という所では山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)が1分24秒183というタイムをマークして一気にトップタイムを書き換えた。これに続いて、大湯、国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、岩佐、阪口、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)らも24秒台に突入。坪井も本格走行に入ると、1分24秒291と、山本に続く2番手タイムをマークしてくる。坪井は、一旦ピットに戻ってセットアップを調整、再びコースに戻ると、セッション開始から28分という時点では1分24秒238と自己ベストをわずかに更新してきた。
FP.1 3番手 福住仁嶺(Kids com Team KCMG)
一方、この頃ピットガレージでトラブルシューティングに追われていたのは、佐藤。佐藤のマシンは燃料ポンプにトラブルを抱えて、交換を余儀なくされる。この作業に要した時間は約1時間。佐藤はコクピットを下りて作業終了を辛抱強く待っていた。また、佐藤と同様、セッション序盤にトラブルに見舞われたのは阪口。こちらはパワーステアリングに不具合を抱え、やはり長時間ピットでの修復作業が行われている。
その間に、他のドライバーたちは、路面コンディションなどに合わせて、セットアップを細かく調整していく。その中で、セッションを折り返した所では、木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)が1分24秒647と自己ベストをマーク。テストでは不調に陥っていた可夢偉が1分24秒449、岩佐が1分24秒534と次々に自己ベストを更新していく。残り時間が30分を切った所でようやくピットを後にした佐藤も、走行を再開すると1分24秒778と24秒台に入ってきた。そして、残り時間が20分余りとなった所では、牧野が1分24秒036と、それまでトップだった山本のタイムを上回る。さらに、笹原もここで1分24秒211をマーク。この時点での3番手に浮上してきた。この頃になると、気温は33℃、路面温度は45℃まで上昇。ここからチェッカーに向けて、路面温度は49℃まで上がっていった。
セッション終盤になると、予選に向けて多くのドライバーがアタックシミュレーションに入る。真っ先にニュータイヤを装着してアタックを行なったのは岩佐。岩佐は残り時間が7分を切った所で、1分23秒908といよいよ23秒台に突入。これに続いて、残り時間が5分を切ったあたりからは、多くのドライバーがニュータイヤを装着してコースに入る。そして、アウトラップ、ウォームアップラップを終えると、笹原、太田、大湯、福住、山下といった順でアタックに入っていった。
FP.1 トップタイム 牧野任祐
この中で、最初にアタックラップを終え、チェッカー目前にコントロールラインを通過した笹原は、1分24秒007をマーク。わずかに23秒台には届かなかった。続いてアタックした太田も1分24秒019と23秒台には届かず。しかし、続いてアタックした坪井は1分23秒800と、岩佐のタイムを書き換えてくる。さらに、大湯は坪井のタイムを上回る1分23秒723をマーク。福住も1分23秒739と、坪井をわずかに上回ってくる。そして、圧巻のアタックを見せたのが牧野。牧野はここで1分23秒582を叩き出すと、トップに立つ。その後にアタックしたドライバーたちは牧野に届かず。牧野がテストと同様、首位で最初のセッションを締めくくった。これに続いたのは、大湯、福住、坪井、岩佐、山下。ここまでは1分23秒台のタイムをマークしている。以下、笹原、太田、山本、平良響(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、木村、阪口、国本、大嶋和也(docomo business ROOKIE)と続いた。
午後2時から行われるノックアウト予選では、このまま昨年のポールシッターである牧野が速さを見せるのか。あるいは山下や坪井、岩佐ら、テストから速さを見せていたドライバーたちがポールを奪うのか。Q1から見逃せない争いが展開されるだろう。