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2025年第3戦・第4戦 専有走行 阪口晴南がトップ発進

2025.04.18

 
専有走行トップタイム 阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
 
日本の南に張り出した高気圧の影響で、太平洋側の各地では、初夏を飛び越えて”夏”といってもいいぐらいの暑さとなった4月18日(金)。この週末、全日本スーパーフォーミュラ選手権の第3戦・第4戦が行われる栃木県・モビリティリゾートもてぎも金曜日から汗ばむような陽気となった。この日は、19日(土)、20日(日)両日に行われる予選・決勝を前に、午前11時からの1時間と午後2時からの1時間、計2時間のフリー走行が行われたが、その中で総合トップタイムをマークしたのは阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)。これに午後のセッションでトップだった山下健太(KONDO RACING)、午前中からロングランに取り組んだ牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と続いている。
 
曇りがちながら、風が弱く、朝から気温が上昇したもてぎ。フリー走行1回目が始まった午前11時の段階で、気温は24℃、路面温度は30℃まで上昇した。ピット出口がオープンされると、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)を先頭に、野尻智紀(TEAM MUGEN)、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)、今大会に小林可夢偉の代役として参戦する野中誠太(Kids com Team KCMG)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)、ザック・オサリバン(KONDO RACING)といった順で、ほとんどのドライバーたちがまもなくコースイン。これに対して、牧野、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、山下の3人は、ピットに待機。路面がある程度できあがるまで走り出さなかった。
 
 
コースに出たドライバーたちはこれが今季からのニュースペックタイヤでのもてぎ初走行となるが、マシンの状態を確認すると、多くが一旦ピットイン。セットアップを微調整して再びコースへと入っていく。また、高星明誠(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)や小出峻(San-Ei Gen with B-Max)らのルーキー陣をはじめ、スタート練習するドライバーも多く見られた。これに対して、最初からタイムを刻んだドライバーたちも。まずはセッション開始から6分というところで、三宅淳詞(ThreeBond Racing)が1分33秒772と、真っ先に33秒秒台に入ってくる。また、開始から8分というところでは野尻が1分33秒194というタイムをマークして、この時点でのトップに立った。
 
ピットで待機していたドライバーの中では、セッション開始から10分というところで坪井がコースイン。これに引き続き、開始から12分というところで山下と牧野もコースに入る。牧野はアウトラップとインラップを終えてピットに戻ると、スタート練習。そこからいきなり決勝を見据えたロングランに入った。牧野は1分35秒356、1分35秒056、1分35秒148、1分35秒494と7周ほど1分35秒台のタイムで連続走行して、一旦ピットインしている。対して、坪井と山下は、始めからタイムを追う走り。坪井はここで1分33秒488と野尻に続き、山下は1分33秒165とこの時点でのトップタイムをマークしてくる。また、同じくこのタイミングでタイムに主眼を置いたのが牧野のチームメイト、太田。牧野がロングランを行なっている間に、太田は山下のタイムを上回る1分32秒959をマーク。このセッションで真っ先に32秒台に入ってきた。
 
専有走行2番手 山下健太(KONDO RACING)
 
その後も、各ドライバーはピットイン、アウトを繰り返しながら、マシンセットアップを煮詰めて行く。そして、セッション終盤には、ニュータイヤを装着してのアタックへと向かう。まず他に先駆けてニュータイヤを投入したのは、野尻。野尻はセッションの残り時間が10分余りとなったあたりでコースに出ると、残り時間が7分30秒というところで1分32秒655をマーク。太田が出していたタイムを上回ってくる。野尻がタイムを出したのとほぼ同じタイミングで坪井や岩佐ら数台がコースイン。残り時間が6分30秒となったあたりでは、牧野もコースに入る。さらに残り時間が5分30秒となったあたりで福住仁嶺(Kids com Team KCMG)やフラガ、山下ら数台がコースへと入っていく。各ドライバーのコースインのタイミングがまちまちだったため、セッションの最終盤には各所でトラフィックが発生。アタックに入ったところで、このトラフィックに捕まるドライバーたちも多かった。そんな中、各セクターで全体ベストに近い区間タイムをマークして1周を見事にまとめたのが阪口。阪口はチェッカーラップに1分32秒339というタイムをマークし、トップに立った。これに続いたのは太田。太田も最後のアタックで1分32秒628と、自己ベストを更新している。これに続いたのは早目にアタックを終えた野尻。以下、山下、佐藤、フラガ、最終セクターでトラフィックに引っかかり大きくタイムロスした牧野、小出、岩佐、福住と続いている。
 
2時間のインターバルを経て、フリー走行の2回目が始まったのは午後2時。この時点ではさらに温かくなり、気温は27℃、路面温度は41℃まで上昇。マシンにもドライバーにも厳しいコンディションとなったが、ピット出口がオープンすると牧野を先頭に、太田、野尻、岩佐、坪井、フェネストラズ、福住、野中、佐藤、フラガといった順でほとんどのドライバーがすぐにコースイン。太田や野尻、岩佐、山下、野中らはロングランテストに入った。太田は1分35秒台中盤から36秒台中盤のタイムで10周ほどの連続周回。野尻は1分35秒フラットから34秒台中盤に入り、そこから35秒台前半、36秒台前半までタイムを落とす形で7周ほどを走る。岩佐は1分35秒台前半から後半のタイムで数周。また、山下は1分35秒前半から始まり36秒台前半、36秒台後半のタイムで11周ほど周回したが、ずっと前に太田がいながらの走行だった。それでもタイヤのデグラデーションもなかったということで山下は手応えを感じていた。また、野中は途中1回のピットストップを挟んだものの、トータルで10数周、レース仕様での連続走行を敢行している。
 
専有走行3番手 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
 
一方、他のドライバーたちはこのセッションでもセットアップを様々試し、タイムを削っていく。1回目最後のアタックでトラフィックに引っかかった牧野は、セッション開始から5分というところで早目にプッシュ。1分33秒158とこの時点でのトップに立つ。このタイムはセッションを折り返すまで破られなかった。だが、残り時間が18分となったところで、坪井が1分32秒696と、午後のセッションでは初めて32秒台のタイムをマーク。この時点でのトップに立った。坪井はこれに先立ちセットアップを煮詰めていたが、セッション序盤には電気系トラブルに見舞われ、一度メインストレートでスローダウン。ピットロード出口に力なくマシンを止め、ピットに戻されるハプニングもあった。だが、そこからの修復を終えると、好タイムをマークしてきた。そして、残り時間が10分を切ると、多くのドライバーがピットイン。多くがニュータイヤを装着し、残り時間が6分を切ったあたりからは続々とコースに入っていく。そして、1日のまとめとなるタイムアタックを敢行した。ここでトップタイムをマークしたのは、山下。山下は1分32秒439というタイムをマークしてくる。続いてアタックしていた牧野は1分32秒565と、わずかに山下には及ばず。3番手には佐藤。以下、坪井、太田、野尻、阪口、福住、岩佐、オサリバンと続いている。
 
明日、第3戦のノックアウト予選が始まるのは、午前9時20分。午後には夏日となる予報だが、予選の時にはフリー走行よりも涼しくなることが予想されている。そのコンディションに合わせ込み、速さを見せるのは誰なのか。例年、各ドライバーのタイム差が小さいもてぎだけに、Q1から目の離せない展開となりそうだ。
 

 
阪口晴南のコメント
 
「開幕戦でちょっと苦戦してしまって、直したいところがなかなか直せずに終わってしまったので、今回のもてぎに向けてのインターバルではかなり反省点を踏まえてきました。そこで、自分たちの中でも、「これが答えに近いのかもしれない」という方向性が見えてきました。そして迎えた第2回大会ですけど、走り出しからフィーリングはすごく直っていました。ただ、タイムボード的には余り上にいなかったので、「あれ? 何でかな?」っていう感じでした。でも、ニュータイヤを履いたらいいアタックができたので、タイムとしては良かったと思います。でも、ライバル勢がまだニューを履いていないとかアタックできなかったというのがあるので、まだまだ詰めなきゃいけない所はあるなという感じで午前中は終わりました。午後は、そこからさらにパフォーマンスを上げるために、色々と取り組みましたが、調整していく中で違う方向に行ってしまって。最後は余りいいフィーリングではなかったので、なぜそれが起きたかっていう部分から、コンディション分をちゃんと引き算し、午前中とコンペアして、明日に臨みたいと思います。予選は気温が下がるので、まずそこで合わせないといけないですし、もてぎはタイム差が非常に少ないと思います。そこでキッチリ合わせないと沈んでしまうと思いますし、ちゃんとしないとQ1も通らないので、その辺はしっかりやっていきたいです」
 

 
山下健太のコメント
 
「走り始めから割とずっと上位に入られましたし、タイヤは去年と違うんですけど、乗っている感触としてもほぼ去年と近いような感触を持てています。去年、ロングが遅かったので、そこを重点的に大駅エンジニアに考えてもらって、色々なセットを試しながらロングをやったんですけど、ロングの結果も割といい感じでした。昨年の一発のタイムはそのままに、ロングのペースを上げることができていると思っているので、チャンスかなと思っています。明日の予選ではPPを目指したいですし、トップからスタートしてタレずに行きたい。今までタレることが多かったので、タレずに走って、勝ちたいなと思っています。結局MUGEN、DANDELION、TOM’Sが何だかんだ上げてきますし、そこに自分たちがどれだけ食い込めるか。このところ、その3チームしか勝っていないですし、その牙城を崩したいと思います」

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