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2025年 第5戦九州大会オートポリス 野尻智紀が自身の最多P・P数を更新する22回目のポール獲得

2025.05.18

ポール・ポジションを獲得した野尻智紀(TEAM MUGEN)

 
前線が南下し、天候が回復に向かった5月18日(日)の大分県オートポリス。曇りではあるもののすっかり霧が晴れた当地は、周囲の山々に新緑が溢れ、藤の花が盛りを迎えていた。夜間の気温がある程度高かったことや風の影響もあり、コースの路面コンディションも速やかに好転。午前9時40分からの全日本スーパーフオーミュラ選手権・第5戦の予選は、ところどころウェットパッチは残るものの、ドライコンディションのもとで行われている。この予選で自身22回目のPPを獲得したのは野尻智紀(TEAM MUGEN)。野尻は最多PPの記録をまたひとつ伸ばした。2番手には、山下健太(KONDO RACING)、3番手には小林可夢偉(Kids com Team KCMG)と続いている。
 
前日、全く走行ができなかったため、今回の予選は40分間の計時方式に変更。気温18℃、路面温度20℃というコンディションのもと、コースがオープンされると、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)を先頭に、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、野尻、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)、可夢偉、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)と言った順でまもなく全車がコースに入っていく。多くのドライバーは、この時ユーズドタイヤを装着していたが、牧野とザック・オサリバン(KONDO RACING)、Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)、三宅淳詞(ThreeBond Racing)は最初からニュータイヤを装着してコースに入った。この中で牧野はアウトラップを終えるとすぐにピットイン。それに対して、他の多くのドライバーたちはまずユーズドでのアウトラップ、ウォームアップラップに続き、マシンの状態確認も含めて、プッシュラップに入る。そして、セッション開始5分というところではまず太田が1分28秒196をマーク。続いて野尻が1分28秒311、岩佐が1分28秒789と28秒台に入ってきた。セッション開始から7分という時点では可夢偉が1分28秒316、福住が1分28秒707とこちらも28秒台に入ってきた。また、牧野はこの時点で次のニュータイヤを装着し、1分28秒473をマークしてくる。
 
この頃、多くのドライバーはピットイン。ここからは立て続けにニュータイヤでのアタックに入っていく。その中で、まず1分27秒台に入ってきたのは、太田。太田はセッション開始から12分というところで1分27秒590をマーク。その2分後には岩佐が1分27秒575と太田のタイムをわずかに上回ってくる。その直後にはフェネストラズが1分27秒376、さらに野尻が1分27秒027とトップタイムが次々更新されていった。また、ここで2セット目のニュータイヤを投入したオサリバンが1分27秒701までタイムアップ。チームメイトの山下健太(KONDO RACING)も1分27秒169と、この時点での2番手まで浮上してきた。続いて可夢偉が1分27秒654、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)が1分27秒433、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)が1分27秒101と次々に1分27秒台に入ってくる。さらに、セッション開始から20分というところでは、福住が1分27秒020をマークして、野尻のタイムをわずかに1000分の7秒上回り、この時点でのトップに立っている。
 
予選2番手 山下健太(KONDO RACING)

 
このアタックを終えると、多くのドライバーはピットに戻り、次のニュータイヤを装着。再びコースに向かう。セッションの残り時間が15分を切り、この2回目のアタックでトップタイムを書き換えたのは野尻。野尻はここで1分26秒757と真っ先に26秒台に突入し、再びトップに立った。これに続いて福住もアタックに入っていたものの、福住はセクター3で他のマシンに引っかかる形となり、ピットに戻る。これに対して、自己ベストを更新してきたのは坪井。坪井は1分27秒061をマークして、この時点での3番手に浮上。さらに、山下が大きく自己ベストを更新。1分26秒803を叩き出して、2番手に浮上してくる。このアタックを終えると多くのドライバーたちは、最後のアタックに備えてピットに戻る。逆にコース上のマシンの台数は非常に少なくなっていた。そのタイミングで2回目のアタックを敢行していたのが可夢偉。可夢偉はここで1分26秒928までタイムを伸ばすと、この時点での3番手に浮上した。また、それと同じタイミングでやはりプッシュしていたのは、牧野。牧野はこの時、セッション開始時に装着してアウトラップだけを走ったスクラブタイヤで走っていたが、ここで1分27秒749と自己ベストを更新して、ピットに戻った。
 

 
そして、全てのドライバーがニュータイヤを装着し、セッションが残り5分となったあたりから続々とコースイン。牧野、高星明誠(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)、そして可夢偉が最後にコースへと向かった。そしてセッションの残り時間が1分となったあたりから、太田を先頭に各車がアタックへと向かうが、その隊列の中でアタックに入る直前のフェネストラズが最終コーナー直前でスピンアウト。アウト側の芝生エリアに乗り上げたまま横を向いてストップしてしまう。また、アタックに入った中でも、野尻が1コーナーの進入でブレーキをロックアップさせてコースアウト。フロントウィングにダメージを負う。野尻はコースには戻ったものの、スロー走行しながらピットを目指すことになった。中でも、フェネストラズのアクシデントによって、当該箇所が黄旗となったため、この最後のアタックでは全車のタイムが抹消となった。
 
予選3番手 小林可夢偉(Kids com Team KCMG)

 
その結果、セッション半ばのアタックの結果によって、野尻は自身22回目のPPを獲得。これに山下、可夢偉、福住、坪井、フラガ、岩佐と続いている。開幕大会からここまで4連勝を果たしていたDOCOMO TEAM DANDELION RACINGは太田が8番手、牧野がまさかの13番手に留まった。午後からの決勝では、PPの野尻がこのまま今季初優勝を果たすのか。山下や可夢偉、あるいは福住が勝利の美酒を味わうのか。はたまた中断グリッドから太田や牧野が巻き返してくるのか。緊張のフォーメーションラップスタートは、午後2時42分だ。
 
牧野任祐と太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

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