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2025年 第6戦富士大会 坪井翔が富士スピードウェイ4連勝!!

2025.07.19

優勝した坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)

 

午前中に行われたノックアウト予選から5時間余り。静岡県・富士スピードウェイでは、午後3時15分から全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の決勝が行われた。この決勝で見事なオーバテイクを見せただけでなく、ハイペースで周回を重ねて第5戦に続いて2連勝を果たしたのは、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)。富士だけに絞れば、坪井は昨年の3勝に続き、今回で4連勝を果たし、ランキングでもトップに浮上した。これに続いたのは、予選でPPを獲得し、早目のタイヤ交換を行なった野尻智紀(TEAM MUGEN)。さらに、タイヤ交換を引っ張った岩佐歩夢(TEAM MUGEN)が終盤に入って福住仁嶺(Kids com Team KCMG)を逆転し、3位表彰台を獲得している。
 
午後になってメインストレートに強い追い風が吹き始めた富士。空には雲が広がったものの、依然として夏の暑さとなり、午後3時15分にフォーメーションラップがスタートした時点で、気温は33℃、路面温度は49℃と、マシンやタイヤにも、ドライバーにも厳しいコンディションとなった。そのコンディションのもと、22台のマシンは1周の隊列走行を開始する。そして、全車が正規のグリッドに着くと、後方でグリーンフラッグが振られ、シグナルオールレッドからブラックアウト。36周先のゴールに向けて、22台が一斉にスタートを切った。
 

 
スタートでホールショットを奪ったのは、PPの野尻。これにフロントロウスタートの坪井、3番手スタートの福住と続く。動き出しの後の加速は、坪井より福住の方が良く、1コーナーでは福住がアウトから一旦坪井の前に出る所まで行った。しかし、コカ・コーラコーナーでは坪井がポジションを取り戻し、2番手を死守している。続く100Rでは、福住の後方に好スタートを切った予選5番手の岩佐が迫るが、ここでは福住もポジションを守り切った。福住の追撃を守り切った坪井は、ダンロップコーナーではトップの野尻に接近。GRスープラコーナーでは坪井が野尻のインを伺うが、ここでも野尻は堪えた。しかし、続くメインストレート、コントロールラインを過ぎたあたりで坪井はオーバーテイクシステム(OTS)を作動させながら野尻を豪快にオーバーテイク。野尻もOTSを作動していたが、坪井の勢いを止められなかった。
 

 
トップに立った坪井は、2周目には早くもこの時点でのファステストラップとなる1分24秒767をマークし、野尻をじわじわと引き離していく。その差は3周を終えた所で1秒768、4周を終えた所で1秒883、5周を終えた所で1秒940と開いていき、10周を終えた所で3秒123まで開いた。2番手の野尻も、3番手の福住に対して、少しずつリードを築いたが、その差は9周を終えた所で1秒891。そして、坪井が10周を終えると、早くもピットに動きが出る。まずは3番手を走っていた福住が真っ先にピットイン。同じ周には、7番手を走行していた牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、8番手を走行していた阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、さらに小出峻(San-Ei Gen with B-Max)、野中誠太(KDDI TGMGP TGR-DC)もピットに滑り込み、タイヤ交換を行なった。この翌周にはターゲットを福住に絞ったという野尻がピットイン。また序盤11番手を走っていた大嶋和也(docomo business ROOKIE)もピットロードに滑り込む。ここで野尻は福住の前でコースに戻ることに成功。アウトラップでもポジションを守り切った。
 
一方、まだピット作業を行なっていないドライバーたちのオーダーは、坪井に続き、岩佐、大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)、山下健太(KONDO RACING)、ザック・オサリバン(KONDO RACING)、小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC)となっていた。
 
この頃、トップの坪井は1分25秒前半から後半のタイムをコンスタントに刻んでいたが、タイヤ交換を終えた野尻は1分24秒台のタイムを連発。坪井との見えない差を削り取っていく。その差は12周を終えた所で43秒700あったが、15周を終えた所で41秒337、17周を終えた所では39秒945といよいよ40秒を切ってきた。
 

 
レースが折り返しに差し掛かると、ピットは再び慌ただしくなる。17周を終えた所では、三宅淳詞(ThreeBond Racing)がピットイン。また、19周を終えた所ではその時点で5番手を走っていた可夢偉、小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC)、高星明誠(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)がピットに入った。可夢偉はレースペースが良く、順調に追い上げていた大嶋の後ろでコースに戻る。さらに、20周を終えた所では、フラガ、オサリバン、ラスムッセンもピットイン。そして、21周を終えた所では、その時点で2番手を走行していた岩佐、4番手を走行していた大湯もピットに入っている。岩佐は、ミニマムでタイヤ交換を行なった牧野の後ろ、阪口の前でコースに復帰した。その翌周、22周を終えた所では、佐藤もピットイン。そして、いよいよトップの坪井が23周を終えた所でピットロードに滑り込む。同じ周には、太田、山下もピットに入った。クルーはいつものように素早い作業を見せたが、坪井がコースに戻った時には、野尻が前。野尻が実質上のトップで1コーナーに入っていった。
 
第6戦 決勝2位 野尻智紀(TEAM MUGEN)

 
この翌周には、事実上の4番手争いが激化。タイヤが温まった岩佐が、前を行く牧野に迫り、25周目のストレートでは前に出ることに成功する。さらに、その翌周、26周目には、いよいよ事実上のトップ争いが決着。新しいタイヤのグリップを充分に生かした坪井が、13コーナーで野尻のインに勢いよく飛び込むと、スパッとオーバーテイクしていった。
 
そして、26周を終えた所でサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)がピットに入ると、全車がタイヤ交換を終了。これで坪井はトップに立ち、そこからは1分24秒台のタイムを連発して、野尻を引き離していった。また、27周目に入ると、6番手争いにも動きが発生。今日が100レース目の節目となる大嶋が1コーナーで阪口をオーバーテイクし、ポジションを上げた。さらに、終盤に入って激しくなってきたのは3番手争い。ミニマムでタイヤ交換し、次第にペースが厳しくなってきた福住に、岩佐が迫る。そして、31周目の1コーナーで遂に岩佐が福住をオーバーテイク。表彰台圏内に入ってきた。タイヤ交換を引っ張った分、岩佐はここから野尻にも迫っていったが、オーバーテイクする所にまでは至らなかった。
 
第6戦 決勝3位 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)

 
結果、野尻に対して約7秒という大きな差をつけ、独走状態で今季2勝目をマークしたのは坪井。最後まで踏ん張りを見せた野尻は2位、岩佐が3位に入賞。序盤3番手を走行していた福住は4位。以下、牧野、大嶋、阪口、大湯、フラガ、レース中盤可夢偉と激しいポジション争いを演じた太田までがポイントを獲得している。
 
明日20日(日)には、午前10時10分から第7戦のノックアウト予選が行われ、午後3時15分からは決勝が行われる。PPを獲得するのは誰なのか、決勝で勝利の美酒を味わうのは誰なのか。新たなウィナー誕生の可能性もあり、見所は満載だ。
 

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