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2025年 第8戦 東北大会 スポーツランドSUGO レースプレビュー

2025.08.07

静岡県富士スピードウェイで行われ、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がそれぞれ優勝を果たしたシリーズ第6戦・第7戦から3週間。全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦は、8月9日(土)〜10日(日)にかけて、宮城県スポーツランドSUGOを舞台に行われる。8月の2週目は、青森のねぶた祭り、秋田の竿燈祭り、山形の花笠祭り、そして仙台の七夕まつりという4大祭りで、東北地方が1年で一番ホットになる1週間。祭りの熱気冷めやらぬ中で、SUGOでも国内トップフォーミュラの火花散る戦いが繰り広げられる。坪井、太田に加え、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、野尻智紀(TEAM MUGEN)が鎬を削り、次第に今年のタイトル争いも激しくなってきているが、このSUGO大会を制するのは誰なのか。非常に気になるところだ。
 
2023年のスタートシーン
 
かつてスーパーフォーミュラが、全日本F3000選手権という名称だった頃は、七夕祭り直前の開催が恒例だったSUGO大会。しかし、その後は9月や10月、あるいは5月や6月と、SUGO大会が夏休みの時期と重なることはほとんどなかった。最後に七夕祭り直前、8月3日〜4日に開催されたのは2002年のこと(翌2003年は7月末開催)。それから23年の時を経て、今年は久々の8月、しかも七夕祭り直後の開催となる。東北地方では年に一度のトップフォーミュラカーレースが、祭りの余韻のなかで行われるということで、今年は例年以上の盛り上がりを見せるはずだ。
 
舞台となるスポーツランドSUGOは、森に囲まれた緑豊かな施設。スーパーフォーミュラが行われるインターナショナルレーシングコースは、国内屈指のチャレンジングなドライバーズサーキットだ。コース全長は約3.586kmと比較的短いが、低・中速から高速までコーナーはバラエティに富んでいる。中でも最終コーナーからメインストレートにかけて10%という上り勾配になっているのが、SUGOの醍醐味。ドライバーにとっては技術と度胸が試されるポイントでもある。コース幅が比較的狭いこともあり、オーバーテイクは容易ではない。だが、最終の上りからストレートにかけてスリップストリームに入れば、1〜3コーナーにかけてのバトルでポジションを上げて行くことは可能だ。かなり難易度は高いものの、バックストレートから馬の背コーナーにかけても、オーバーテイクのチャンスがあるかも知れない。
 

 
さて、そんなSUGOで他のサーキット以上に大事になってくるのは、グリッドポジション。オーバーテイクが容易ではない分、上位入賞するためには、できるだけ前のグリッドが必要となる。今回も予選はノックアウト方式となるが、最初から最後まで息のつけない展開となるだろう。このノックアウト予選はQ1とQ2で争われ、Q1は第7戦までのポイントランキングをもとに、AグループとBグループに分けて実施される。10分間のセッションの中で、各ドライバーがアタックに向けてニュータイヤでコースに入るのは終盤。真夏とはいうものの、コースが短い分、アウトラップに加えてウォームアップラップを走ってから、各車がアタックに入るものと思われる。ここで各グループ6番手までに入ったドライバーは、Q1をパス。Q2に駒を進めることになる。そして、7分間で争われるQ2は、12台での争い。ここでは各ドライバーがいきなりニュータイヤでコースに出て行くことになるが、今季からニュースペックになったタイヤで一体どのようなタイムを刻むのか。SUGOはもともと各ドライバーのアタックタイムが超僅差となることでも有名。その中で誰がPPを獲得するのか、注目だ。
 
ランキングトップ 87Pts. 坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)

 
ランキング 2位 84Pts. 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

 
ランキング 3位 73Pt. 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

 
決勝は、51周(最大75分間)で争われるが、まず見所となるのは、スタート。SUGOはグリッドから1コーナーまでの距離が短いが、クラッチミート次第では、ここでのポジションの入れ替わりもある。そこから、まだタイヤが温まっていないオープニングラップには、各ドライバーが計200秒間使用できるオーバーテイクシステム(OTS)をフル活用するはず。随所で接近戦のバトルが演じられるだろう。そのバトルの中で、アクシデントが発生する可能性ももちろんゼロではない。そして、SUGOの場合には、エスケープゾーンが狭いということもあり、アクシデントが発生した場合には、すぐさまセーフティーカーが導入されるケースがままある。その場合には、リスタート時の駆け引きも見所のひとつとなるだろう。そして、今回もドライであれば、タイヤ交換が義務付けられる。交換のウィンドウは、先頭車両が1周回目の第1セーフティーカーラインを超えた時点から、ファイナルラップに入るまで。各チーム、各ドライバーは自身が走っている位置やまわりの状況によって、それぞれ違うストラテジーを採ってくるはずだ。早目にピットに入ってアンダーカットを狙うのか、引っ張ってから終盤に新しいタイヤのアドバンテージを生かすのか。この作戦面にも注目だ。その後は、ドライバーがコース上で決着をつけるという展開になるだけに、各所でドライバーたちの意地と意地がぶつかり合うことになる。そして、最後に笑うのは誰なのか。観客にとっては、最初から最後までドキドキとワクワクが止まらない1戦となるだろう。
 

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