「ここからが勝負になると思っています」第8戦 決勝記者会見
2025.08.10
第8戦 決勝1位 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)
「まずはやっと優勝できて、嬉しいのひとことですね。ここまで時間がかかってしまったというのは本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも、ここまでずっと優勝できなかった期間、応援し続けてくださったファンやスポンサーの方々、チーム、ホンダのみなさんに感謝したいです。ただ、ここから本番の戦いが始まるというか、今週見せた自分たちのスピードだったり強さみたいなものを引き続き見せていくタイミングだと思っています。今日終わるまではしっかり喜んで、明日から切り替えて、次戦に向けてしっかり準備していきたいなと思います。
1勝の重みはゆくゆく変わってくるんじゃないかなと(苦笑)。今はこの1勝に対する重みは全然感じていないというのが正直なところです。去年からスピードがあったりなかったりという状況があって、いろいろトラブルもあって、今年は基本的にスピードはあるけどトラブルで落としてしまうレースがいくつかあって、まとめきれなかったのが(優勝するのに)ここまで時間がかかった要因だと思っています。(今日のレースで)しっかりそれ(優勝)ができるということを自分たちで確認できたので、さらにそれをベースにスピードやパフォーマンスを上げながら、引き続き戦っていくだけかなと思っています。
フリー走行の時から(タイヤが)キツくなるのは分かっていたので、レースの始めからマネージメントして、F2の時の経験を活かしてやりきったという感じでした。最後のペースもそんなに悪くなかったですし、ペース配分だったりをどこでマネージメントして、どこでプッシュしてとか、ドライバーとして最大限のパフォーマンスを見せることができたのは自分の経験が活きたかなと思います。
やっと(チャンピオンシップを)戦える位置に戻ってきたというか、ここからが勝負になると思っています。もちろん簡単にはいかないと思っていますし、それは身に沁みて感じているので、全力プッシュするだけだと思います」
第8戦 決勝2位 サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)
「(2位という結果は)とても嬉しい。本当に難しいシーズンで苦戦していたなか、2位を獲得することができたことをポジティブに思っています。もちろん勝ちたかったですけど、チームとしては2位を獲得できたことは本当に嬉しいことだと思っています。37号車はしばらく苦戦していたので、これによってモチベーションも上がりましたし、本当に嬉しいです。
レースに関しては本当に難しいレースでした。セーフティカーが何度も出たり、常にタイヤのマネージメントをしなければならず、デグラデーションも出ていたので、タイヤやクルマのコントロールを頑張りました。1周目のバトルはとてもエキサイティングでしたし、楽しかったです。
岩佐(歩夢)選手をオーバーテイクするチャンスは(セーフティカーラン明けの)1周目の1コーナーで、アウトから仕かけたんですけどうまくいきませんでした。その後はデグラデーションが厳しかったので、レースの90%はタイヤをセーブしていました。タイヤのコントロールがキツく、パワーをかけることができませんでした。最後の10分で雨が降ってくると聞いていたので、そこでまたプッシュする計画を立てていて、最終ラップにOTS(オーバーテイクシステム)を使ったけど、ちょっと足りなかったですね。
また表彰台に上がりたいと思いますけど、約束はまだできないかな。ステップ・バイ・ステップで一歩ずつ進んでいきたいと思います。前回の富士でのレースはとてもいい週末で、そこからクルマを変えていって、それがいい方向に変わっていきました。シーズン後半に向けて、とても期待できる変化だと思っていますが、(また表彰台に上がる)約束はまだできないし、次のレースで“やっぱりいい方向にいっている”という確信も必要だと思っています。とにかく、最後まで頑張ってベストを尽くしたいと思います」
第8戦 決勝3位 福住仁嶺(Kids com Team KCMG)
「今日こういう天候のなかで、難しいレースになりましたけど、昨日のフリー走行からすごいポテンシャルがあったわけではなくて……予選もギリギリでQ1を通過して、Q2に向けてアジャストして5位になれたことがこの結果に結びついたと思っています。
今朝の30分(のフリー走行)で初めてこのタイヤを使って、この雨量で走っていくなかで、チームのみんなと田坂(泰啓)エンジニア、(チームアンバサダーの松田)次生さんが細かいところまで考えてくれて、その結果、ポテンシャルの高いクルマになったかなと思います。途中タイヤが冷えている時の最終コーナーが全然ダメで、イゴール(オオムラ・フラガ)選手に一回(前に)いかれてしまったことはかなりもっていなかったなと思うんですけど、その後、巻き返せて良かったです。
(前のふたりは)タイヤマネージメントをしていたということでしたが、自分のペースはかなりあったと思うので、早い段階でポジションを上げていれば、もっとプレッシャーをかけてタイヤを使わせることができたとか、そういう可能性もあったと思います。僕にとっては2回のセーフティカーも痛かったなと思うんですけど、そのなかでも3位が獲れて良かったなと思います。本当にチームに感謝です。
嬉しい3位のはずなんですけど、去年から表彰台の“てっぺん”にはのぼれてなくて……正直、今回の結果も個人的には“また3位か”と。勝てるポテンシャルがあるのに、なかなか勝てないというのが正直なところです。ただ、そういうポテンシャルが今年は全然なくて、(今回)初めて決勝でいいペースをつかめたと思っています。ドライになれば大きく変わると思うんですけど、(今日の結果が)チームの自信にもなっていると思いますし、僕自身も流れに乗りやすいと思うので、後半戦はしっかりと優勝を狙って(いきたい)。次の富士は去年も流れが良かったのでしっかりとポイントを獲って、少しでも上位でシリーズを終われるように頑張りたいと思います」
優勝チーム監督 田中洋克
「今日は本当に『嬉しい』のひとことでしかないですね。岩佐(歩夢)を応援してくれている関係者、スポンサー、多くのファンのみなさんは(優勝を)待ちわびていたと思うんですけど、今までチームのミスなどで勝てるレースを勝てなかったということが繰り返しあったので、今日は優勝できて本当に嬉しいです。岩佐が頑張ってくれて、優勝をもぎ獲ってくれたこと、チームメンバー全員が嬉しくて、こみ上げてくるものがありました。これを機に頑張ってほしいと思っています。
(チャンピオン争いについては)速さはある程度もっているかなと思ってはいますけど、ほかのライバルも速いので、ひとつのミスもしてはいけないという状況がありますから、チーム一丸となって、ミスをせず、岩佐をサポートできるような体制で、緊張感をもって戦いたいと思っています。そうすればきっと結果はついてくると思っています。
(野尻智紀選手については)昨日の午前中(フリー走行)の時点では予選も期待できるかなとは思っていましたが、予選がふるわずでした。クルマに原因があることは分かっていましたし、ウエットレースということでセットを変えていったんですけど、思うように走れなかった。何か問題があると思いますので、そこはきっちり分析して、次のレースに挑みたいと思います」