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2025年 第8戦東北大会 岩佐歩夢が悲願の初優勝!!

2025.08.10

 

 
朝から雨が降り、その雨が強弱を繰り返した7月10日(日)の宮城県スポーツランドSUGO。朝のフリー走行から4時間20分のインターバルを経て、午後2時20分にセーフティーカースタートで全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦の決勝レースが行われた。最初のセーフティーカーが抜けた後も、アクシデントなどで2回のセーフティーカーが導入されたこのレースは、最終的にタイムレースとなり、当初の51周ではなく、48周でチェッカーフラッグが振られた。レース中も雨が止んだり、また降り出したりというコンディションになり、各ドライバーがタイヤのデグラデーションに苦しんだこの決勝で、参戦2年目にして自身初優勝を果たしたのは、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)。2位にはサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)、3位には最終盤に坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)をかわした福住仁嶺(Kids com Team KCMG)が入賞。福住は今季初の表彰台獲得となっている。
 
午後1時28分からは15分間のグリッド試走。多くのドライバーがスタート練習を行なった後、ダミーグリッドに着いたが、その時点では雨が降っていた。そこから雨脚は次第に弱くなり、一時はハイポイントコーナーから霧が降りてくる時間帯も。しかし、フォーメーションラップのスタートが近づくと、再び雨がパラつき始め、競技団はセーフティーカースタートを決定した。そして、午後2時20分、気温27℃、路面温度28℃というコンディションのもとで、レースはスタート。岩佐を先頭に、フェネストラズ、阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、福住、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、ザック・オサリバン(KONDO RACING)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)、山下健太(KONDO RACING)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)と、全車が予選ポジション通りに周回を開始する。
 

 
セーフティーカーがピットロードに滑り込み、実質的にレースがスタートしたのは、5周を終えた時点。各車のタイヤはまだ温まり切っていなかったこともあり、この直後にはコース上の随所でバトルが発生する。まず動きを見せたのはトップ争い。フェネストラズが、1コーナーでアウトから岩佐に並びかける。しかし、岩佐はがっちりとラインをキープ。トップのポジションを守り切った。また、3番手争いでは、坪井が1コーナーで阪口をオーバーテイク。ひとつポジションを上げることに成功した。さらに、同じ周の馬の背コーナーでは、オサリバンが牧野をオーバーテイク。ひとつポジションを上げてきた。オサリバンはその勢いをキープしたまま、翌周の馬の背ではフラガのインを刺す。しかし、ここはフラガがポジションを守ってみせた。
 
序盤、トップの岩佐は1分16秒台のタイムをマークして、フェネストラズとの差をジワジワと広げていく。9周を終えたところでは、1秒208という差をつけていた。しかし、その周の2コーナーで佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)が単独スピンし、グラベルにストップしてしまう。ここでコース上にはセーフティーカーが導入された。佐藤はオフィシャルの手で引き出された後、下り坂を利用してエンジンを再始動。コースに復帰している。これでコース上はクリアとなり、14周を終えたところでセーフティーカーがピットロードに戻り、レースはリスタート。ここでは、岩佐が見事な加速を見せてトップをキープする。その後方では5番手争いが激しさを増し、フラガが1コーナーで福住のインに飛び込み、3コーナーでは完全に前に出ることに成功した。その周のS字立ち上がりでは、佐藤が再びストップ。しかし、佐藤は自力でマシンをバックさせて、エスケープゾーンの外に運んだため、ここではセーフティーカー導入とはならなかった。佐藤は残念ながら、ここでリタイヤとなっている。
 

 
その翌周、16周目に激しくなったのは、2番手争い。坪井が1コーナーでアウトからフェネストラズに並びかける。だが、フェネストラズがポジションをキープ。坪井は2コーナーで少しバランスを崩す形となり、フェネストラズとのギャップが開く形となった。一方、トップの岩佐は1分17秒前半のタイムを連続してマーク。序盤と同様、少しずつフェネストラズとの差を広げていった。また、20周目には、5番手争いが再逆転。福住が1コーナーから3コーナーにかけて、フラガの前に出ることに成功した。その後、同じ周の馬の背進入でアクシデントが発生。野尻智紀(TEAM MUGEN)の真後ろにつけていた三宅淳詞(ThreeBond Racing)と、三宅にアウト側から迫った大嶋和也(docomo business ROOKIE)の2台が接触。三宅はフロントウィングにダメージを負って、ピットに戻ろうとしていたが、最終コーナーでコース外に飛び出し、タイヤバリアにクラッシュ。ここで再びコース上にはセーフティーカーが導入された。三宅のマシン回収だけでなく、タイヤバリアの補修も必要となったため、このセーフティーカーランは少し長めとなったが、この頃になると雨が一旦止んでおり、路面が乾き始めていた。そのため、タイヤのでグラデーションに苦しみ始めるドライバーも多く、小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC)、野中誠太(KDDI TGMGP TGR-DC)、小出峻(San-Ei Gen with B-Max)、Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)は21周を終了したところでピットに入り、新しいレインタイヤに交換。さらに、25周を終えたところでは、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)がピットに入り、ただ一人スリックタイヤへの交換を断行した。このセーフティーカーがピットに入り、レースがリスタートしたのは28周終了時。この時点で、最大75分のレースは残り約25分20秒となっていた。
 

このリスタートでも岩佐は上手い加速で、トップをキープ。フェネストラズ、坪井と続く。その後方では、4番手争いが白熱。馬乗せコーナーでは福住が阪口に並びかける。だが、ここは阪口がポジションを守った。しかし、36周目の1コーナーでは福住が阪口をオーバーテイク。4番手に浮上してきた。雨の中でペースが良かった福住は、その後も勢いが止まらず。39周目の1コーナーでは坪井に並びかける。しかし、ここは坪井がポジションを死守している。この頃になると、各ドライバーともにタイヤをマネージメントしながらの走行。岩佐も1分18秒台前半での周回となり、フェネストラズ、坪井、福住、阪口までは、それぞれ1秒以内の差での争いとなっていた。その中で、44周目には再び4番手争いが激化。1コーナーで阪口が福住のインに飛び込む。だが、福住はクロスラインをとって、阪口の追撃を凌ぎ切った。その後、福住は前方の坪井に再び迫り、46周目の馬の背で真後ろに付ける。その周の最終コーナーで、福住はイン側のラインを選び、メインストレートの途中ではいよいよ坪井と横並びとなった。そして、福住は47周目の1コーナーで坪井の前に出ることに成功。表彰台圏内に入ってきた。
 

 
その間にも時間はカウントダウンされており、トップの岩佐が47周を終えたところで、最大の75分までは残り約40秒。ここからの1周がファイナルラップとなる。そして、スタートからトップを守り切った岩佐は、最後まで見事なタイヤマネージメントを見せ、48周を終えてトップチェッカーを受けた。これが岩佐にとっては、参戦2年目にして自身初優勝。これまで勝てそうなチャンスを幾度も逃し、悔しい思いをしてきた岩佐が遂に勝利をもぎ取った。これに僅差で続いたのは、フェネストラズ。フェネストラズはシリーズ復帰後、初の表彰台獲得となった。さらに、残り2周というところでポジションを上げた福住が3位に入り、今季初表彰台を獲得した。以下、坪井、阪口、フラガ、オサリバン、決勝で大きく追い上げた太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、山下健太(KONDO RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)までがポイントを獲得している。
 

 

 

 

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