2026 年開幕戦予選 岩佐歩夢がポール・ポジション獲得
2026.04.04
R-1予選P・P
岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)

春爛漫の天候となったフリー走行から一夜明けた、4月4日(土)の栃木県・モビリティリゾートもてぎ。早朝にはうっすらと陽が射す時間帯もあったが、その後は空が雲に覆われ、午前8時過ぎからはパラパラと雨粒が落ちる場面もあった。しかしその後雨は止み、コースの路面を濡らすこともなかった。そんな中、午前9時30分からは、全日本スーパーフォーミュラ選手権開幕戦のノックアウト予選が行われる。Q1、Q2を通じて激しいタイムアタック合戦が繰り広げられた結果、今季最初のPPを獲得したのはディフェンディングチャンピオンの岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)。これに太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)が続き、ホンダエンジン勢がトップ3を独占している。これに続いたのは、今季チームを移籍した福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)。福住がトヨタエンジン勢では最上位となったが、予選後の再車検で最低重量違反との裁定を下され、失格。代わって、今日がデビュー戦となるルーキーの野村勇斗(San-Ei Gen with B-Max)が4番手に食い込む健闘を見せている。
小雨が降るタイミングもあったもてぎだが、スーパーフォーミュラのノックアウト予選が近づいてくるとその雨は止み、コースはドライコンディションのままとなる。ただし、曇りがちだったため、前日よりは気温、路面温度ともにかなり低め。午前9時30分、10分間で争われるAグループのQ1が開始した時点で、気温は13℃、路面温度は17℃に留まっていた。また、セッション直前からメインストレートには少し強い追い風が吹き始め、その中でコースがオープンされる。今回、Aグループに振り分けられたのは、岩佐、笹原右京(REALIZE KONDO RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、小林可夢偉(KDDI TGMGP TGR-DC)、山下 健太(KCMG)、小出峻(ThreeBond Racing)、ザック・オサリバン(TEAM IMPUL)、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)、大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、野村、チャーリー・ブルツ(TEAM GOH)、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)の12人。セッションが始まると、岩佐を先頭にフラガ、笹原、大湯、野村、小出といった順で、多くのドライバーがすぐにコースに入っていく。これに対して、セッション序盤、ピットに留まっていたのは、牧野、山下、フェネストラズの3人。この3人はセッション開始から1分ほどというところで、コースに向かった。一方、最初からコースに出たドライバーの中では、笹原、大湯、可夢偉、ブルツの4人だけがアウトラップを終えてピットイン。タイヤ交換を行うと、セッション開始から3分を過ぎたところでブルツ、大湯、野村、可夢偉という順で再びコースに戻る。このシーズンオフ、もてぎは路面が全面改修されたが、前日のフリー走行から各陣営ともにニュータイヤの温まりに苦しむという状況が起こっていた。そのため、岩佐をはじめ多くのドライバーたちは一旦コースに入ると、ピットに戻ることなく走行。タイムアタックに向けてタイヤを着々と温めていった。この中で、まず真っ先にタイムアタックに入ったのは、岩佐。セッション開始から約6分、岩佐はまだ他のドライバーたちがウォームアップを行なっているタイミングで、最初のアタックラップに入る。そのため、アタックラップ中も、他のドライバーたちの間をすり抜けるような走りとなったが、ここで岩佐は1分32秒662をマーク。まずはこれがターゲットタイムとなった。その後、セッションの残り時間が2分と切ったあたりからはフラガや小出をはじめ全員がアタックラップに入る。フラガは、チェッカーまで1分というあたりで1分31秒718をマークして、この時点でのトップに浮上すると、もう1周アタックを続行した。フラガに続いてアタックしていた小出は、1分31秒020を叩き出して、フラガを大きく上回ってきた。ちょうどこの頃、2回目のアタックに入ったのが岩佐。岩佐は1回アタックした後に、1周のクールダウンラップを挟むと、チェッカー目前という段階から最終アタックに入っている。そして、チェッカーが提示されると、フラガが1分31秒026までタイムアップ。フェネストラズが1分31秒160と、フラガに続く。オサリバンも1分31秒407と、31秒台に突入してきた。さらに、これに続いた牧野は、1分31秒007と一発のタイムアタックを見事に決め、トップタイムを書き換えてくる。しかし、最後の最後にトップに立ったのは、2回目のアタックで大きくタイムアップした岩佐。岩佐は1分30秒833と、唯一1分30秒台に突入すると、Q1をトップで締め括った。2番手には牧野、3番手には小出。これにフラガ、フェネストラズ、最後の最後に自己ベストをマークした野村が続き、この6人がQ1を突破。一方、僅差ながらオサリバン、大湯、山下、ブルツ、笹原、まともにアタックラップを刻めなかった可夢偉は、残念ながらQ2に駒を進めることができなかった。
R-1予選2位
太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

5分間のインターバルを経て、10分間で争われるBグループのQ1が始まったのは午前9時45分。今回、Bグループには、ルーク・ブラウニング(REALIZE KONDO RACING)、太田、野中誠太(KCMG)、Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)、福住、野尻智紀(TEAM MUGEN AUTOBACS)、松下信治(DELiGHTWORKS RACING)、小林利徠斗(KDDI TGMGP TGR-DC)、坪井翔(VANTELIN TAM TOM’S)、阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、佐藤、ロマン・スタネック(ナビクルBuzz MK RACING)の12人が振り分けられた。コースがオープンされると、野尻を先頭に、坪井、佐藤、野中といった順で、ほとんどのドライバーはすぐにコースイン。これに対して、福住とスタネックはしばらくピットに待機、セッション開始から1分が過ぎたあたりで福住、1分半が過ぎたあたりでスタネックがコースに向かっている。また最初からコースに入ったドライバーたちの中では、野中と松下だけがアウトラップを終えると一旦ピットイン。タイヤ交換を終えるとコースに戻った。Aグループと同様、Bグループのドライバーたちもタイヤに熱を入れるために4周ほどかかっていたが、その中で、セッション残り時間3分という段階で、まず1分31秒303というタイムを刻んできたのは佐藤。佐藤は、ユーズドタイヤでコースに入っており、計測4周目でここまでタイムを上げてきた。これに続いて野尻が1分31秒793、ブラウニングが1分31秒762をマーク。さらにアタックを続行する。これに続いてアタックしていた太田は、1分31秒204をマーク。佐藤を上回り、この時点でのトップに立った。だが、アタックを続行していた佐藤はさらにタイムアップし、セッションの残り時間が1分40秒ほどとなったところで1分30秒759と、真っ先に30秒台に突入してきた。続いて坪井が1分30秒675をマークし、佐藤を上回ってくる。さらに、チェッカーまで残り20秒という時点で、1分30秒463をマークして一気にトップタイムを書き換えたのは、他のドライバーとコースインのタイミングをずらした福住。同じくタイミングをずらしたスタネックもチェッカー目前に1分30秒744をマークする。昨日がもてぎ初走行、これがデビュー戦となるスタネックが光るアタックを見せた。そして、チェッカーが提示されると、さらに順位は大きく動く。まず野尻が1分30秒452と、福住を上回ってくる。さらに、最後の最後にアタックを行った太田がここで1分30秒118と大きくタイムアップ。このタイムを破ったドライバーはおらず、太田はQ1をトップで締め括った。2番手には野尻、3番手には福住。以下、スタネック、坪井、佐藤までがQ1を突破。一方、阪口、アタックラップの5コーナーでブレーキングミスがあったブラウニング、利徠斗、野中、Juju、やはり5コーナーでのブレーキングにミスがあった松下の6名は、Q2に駒を進めることができなかった。
R-1予選3位
佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)

10分間のインターバルを経て、いよいよPPを決定づける10分間のQ2が始まったのは、午前10時05分。このQ2では、コースがオープンされると牧野、太田、野尻、岩佐、坪井、フラガ、佐藤、野村がまもなくピットを後にする。一方、小出、福住、フェネストラズ、スタネックの4名はしばらくピットで待機。開始から1分というところで、小出、福住、フェネストラズという順でコースに向かい、開始1分半というところでスタネックが最後にピットを後にした。Q1と違い、Q2ではアウトラップを終えてピットに戻るドライバーはおらず。各車ともにアタックに向けて、じっくりとタイヤに熱を入れていった。その中で、真っ先にアタックに入ったのは、Q1と同様の作戦を採った岩佐。岩佐はセッションの残り時間が4分となったあたりから、最初のアタックラップに入る。その1分後には福住、牧野、太田らもアタックに入る。岩佐は最初のアタックラップで1分30秒316をマークし、この時点でのトップに浮上。ここから1周のクールダウンに入る。福住はプッシュラップ1周目こそ1分32秒914とタイムを伸ばせなかったが、そこからアタックを続行した。それに続いてアタックしていたフラガは1分30秒233をマークし、岩佐のタイムを上回る。佐藤も1分30秒487をマークし、岩佐に迫った。しかし、セッションの残り時間が1分20秒となったあたりで、大幅にタイムを上げてきたのは太田。太田は、計測5周目に1分29秒946と、今日初めて29秒台に突入し、この時点でのトップに立つ。その後にアタックしていた野尻、野村、小出は29秒台には入れることができず、このまま太田がPPを獲得するかと思われた。しかし、チェッカーまで残り20秒を切ったところから再度アタックに入ったのが岩佐。Q1と同様、クールダウンラップを挟んでもう1回アタックを開始した岩佐は、ここで1分29秒847を叩き出し、太田をコンマ1秒上回ってきた。その後、29秒台に入ったドライバーはおらず、岩佐はこれでPPを決定。太田が2番手で続く。3番手には最後の最後に1分30秒067までイムアップした佐藤。佐藤はQ2でもユーズドタイヤでコースに入り、ここまでタイムを上げてきた。以下、福住、野村、フラガ、小出、フェネストラズ、野尻、スタネック、牧野、坪井という結果になっている。ところが、セッション終了後の再車検で、福住の車輌が最低重量違反の裁定を受ける。その結果、福住は失格となり、決勝は最後尾スタートに。5番手以降のドライバーたちは、予選ポジションがひとつずつ繰り上がる結果となっている。
予選終了からまもなく、本格的に雨が降り始めたもてぎ。路面も完全にウェットとなった。このままのコンディションだと、午後からの決勝レースもウェットタイヤでの戦いとなるが、一体どのような展開になるのか。全く予想できないドラマが繰り広げられそうだ。
