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2026年 第10戦富士大会 波乱のレースを岩佐歩夢が制し今季初優勝を飾る!

2026.10.11

第10戦 決勝1位 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)

 
3日間を通して晴れやかな秋晴れに恵まれた静岡県・富士スピードウェイ。アクシデントもセーフティーカー導入もなくスムースに運んだ前日の第9戦から一転、10月10日(日)に行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権・第10戦は、トップ集団を含めて随所でアクシデントが発生し、3回ものセーフティーカーが導入されるなど大荒れの展開となった。その大荒れのレースで2番グリッドからスタート直後にトップに立って、終始安定した走りを展開し、今季初優勝を果たしたのは、岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)。ファイナルラップの2317コーナーで豪快なオーバーテイクを見せたザック・オサリバン(TEAM IMPUL)が自己最高位となる2位。最後にオサリバンの先行を許したものの、松下信治(DELiGHTWORKS RACING)が今季2度目の表彰台となる3位を獲得した。PPのイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)はスタート直後に岩佐の先行を許しただけでなく、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)にも先行された。タイヤ交換後には再びフラガが前に出るが、まもなく太田と接触。太田はリタイヤ。フラガも一旦ピットに戻ってマシンの修復を行ったが、大きく遅れてポイント獲得はならなかった。
 

 
前日よりも陽射しが強く、汗ばむような陽気となった富士。フォーメーションラップがスタートした午後3時の段階で、気温は26℃、路面温度は38℃まで上昇。この週末、最も暑いコンディションのもとで24人のドライバーは1周の隊列走行に入る。そして、全車が正規グリッドにつくとシグナルオールレッドからブラックアウト。ここでPPのフラガと2番グリッドの岩佐はまずまずの動き出しを見せるが、フラガは2コーナーの立ち上がりでトラクションが良くなかったため、岩佐の先行を許してしまう。その後方では、4番グリッドの太田が好スタート。3番手スタートのオサリバンの前に出る。そこに迫った大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)とオサリバンは1〜2コーナーで軽く接触するシーンも見られた。その結果、大湯はここで大きくポジションを落としてしまう。オープニングラップを終えてのオーダーは、岩佐、フラガ、太田、オサリバン、坪井、松下、小出峻(ThreeBond Racing)、野村勇斗(San-Ei Gen with B-Max)、野尻智紀(TEAM MUGEN AUTOBACS)、大湯となっている。
 

 
一旦4番手に落ちたオサリバンは2周目に入ると、コカ・コーラコーナーでラインがワイドになった太田に迫り、ダンロップでのブレーキングでも隙をうかがう。しかし、太田は逆に前を追う走りを展開。序盤から積極的にオーバーテイクシステムを使い、3周目の1コーナーではアウトから前を行くフラガに並びかけた。対するフラガはコカ・コーラコーナーでもポジションを守り、その周を2番手で終えた。だが、太田は諦めず、4周目の1コーナー進入では、一瞬アウトにラインを振ったところから、ズバッとインに飛び込んでレイトブレーキング、フラガの意表を突くと、オーバーテイクに成功し、2番手に浮上した。またその翌周には、4番手争いも白熱。最終コーナーからオサリバンの背後につけた坪井がストレートでは真横に並び、5周目の1コーナーではオサリバンをオーバーテイク。ポジションを上げてくる。また、同じ1コーナーでは、スタート直後にポジションを落とした大湯が野村を交わそうとしたが、大湯の左リヤと野村の右フロントが接触し、野村はコースアウト。右フロントサスペンションのトラブルによって、マシンをストップさせ、ここでリタイヤすることとなった。このアクシデントを受けて、コース上にはセーフティーカーが導入される。
 

 
野村のマシン回収が終わり、コースがクリアになると、8周を終えたところからレースはリスタート。岩佐は2317コーナーを立ち上がったところから加速を開始する。その岩佐を捉えたい太田だが、ストレートの伸びは岩佐が1枚上。ここでのポジション入れ替わりはなかった。上位集団は、岩佐、太田、フラガ、坪井、オサリバン、松下、小出、大湯とほぼ等間隔で続く。そして、岩佐が11周を消化したところで、タイヤ交換のウィンドウが開くと、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、ロマン・スタネック(ナビクルBuzz MK RACING)の3台がまずピットイン。その翌周には大湯と小林可夢偉(KDDI TGMGP TGR-DC)もピットに入った。その後、16周を終えたところでは、松下と山下健太(KCMG)がピットイン。そして、トップ集団の中では、17周を終えたところで、太田が真っ先にピットロードに滑り込んだ。ピット作業に多少手間取ったという太田がコースに戻った時は、大湯の前。だが、すでにタイヤが温まっていた大湯はあっという間に太田に迫ると、コカ・コーラコーナーではアウトからオーバーテイクしにかかる。しかし、大湯の左リヤと太田の右フロントが接触。大湯はスピンを喫して遅れる結果となってしまった。
 
第9戦 決勝1位 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)

 
そして、太田の翌周、18周を終えたところで、フラガがピットに入る。同時にオサリバンもピットロードに滑り込んだ。フラガとオサリバンは太田の前でコースに戻ることに成功。だが、ピットアウト直後の1コーナーでは、太田がオサリバンをかわしていく。太田はフラガにも迫っていったが、フラガも簡単にはポジションを開け渡さなかった。しかし、この2台はGR-GTコーナーで接触。フラガが通常のラインを走行していたところ、イン側のラインを取った太田の右フロントとぶつかり、太田はコースオフ。ここでリタイヤを余儀なくされた。フラガはリスタートしてピットに戻ったが、左側のサイドポンツーンにダメージを負っており、修復作業によって大きく遅れることとなっている。
 
第9戦 決勝2位 ザック・オサリバン(TEAM IMPUL)

 
このアクシデントをきっかけに、コース上には2度目のセーフティーカーが導入された。それを機にピットロードは大混乱に。まだタイヤ交換を行なっていなかった小出、福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)、小林利徠斗(KDDI TGMGP TGR-DC)、野尻、卜部和久(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)、ジュリアーノ・アレジ(KCMG)、ルーク・ブラウニング(REALIZE KONDO RACING)、Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)が一斉にピットに戻ってきたからだ。この中でさらにアクシデントが発生。クルーが作業を終え、福住が動き出したところ、ブラウニングが福住よりも1コーナー寄りの自チームのピットに入ることができず、福住の目前のファストレーンで横を向いてストップしてしまう。そのブラウニングに、作業を終えてファストレーンを走ってきた小出、さらには利徠斗が激突する多重事故となっている。レース後、福住にはアンセーフリリースによって競技結果に対して30秒加算のペナルティーが科されているが、福住はブラウニングのマシンを乗り越える形でコースに戻り、レースを続行。だが、ブラウニングと小出、利徠斗はここでリタイヤすることとなった。
 

 
隊列が出来上がると、この時点でのオーダーは、岩佐、松下、オサリバン、山下、坪井、牧野、大湯、可夢偉、卜部、フェネストラズとなる。そして、太田のマシン回収が終わると、24周を終えたところからレースはリスタートした。トップの岩佐はリスタートを前に2317コーナー立ち上がりから加速を開始。そこに松下がピッタリとついて加速していく。そして、25周目の1コーナーでは松下がアウトから並びかけに行った。しかし、岩佐も踏ん張りを見せて、ここではポジションをキープした。その後方ではリスタート直後にまたしてもアクシデントが発生。5番手を走行していた坪井がブレーキに問題を抱えたため、1コーナーの進入で全く減速できず、アウト側にラインを変える。だが、それでも避けきれずに、前を行く山下に追突。坪井はタイヤバリアに真っ直ぐ正面から激突。山下もマシンにダメージを負い、2コーナーを立ち上がったところでストップ。2台ともにここでリタイヤとなる。また、このアクシデントを受けて、コース上にはすぐさま3回目のセーフティーカーが導入された。これでオーダーは、岩佐、松下、オサリバン、牧野、大湯、可夢偉、卜部、フェネストラズ、野尻、最後尾スタートのロマン・スタネック(ナビクルBuzz MK RACING)となった。
 
第9戦 決勝3位 松下信治(DELiGHTWORKS RACING)

 
坪井のマシン回収にはかなりの時間を要し、レースがリスタートしたのは31周終了時点。このリスタートを前にした岩佐は、なかなか加速を開始しない。結局最終コーナーを立ち上がったところからようやく加速を開始した岩佐に虚を突かれる形で、松下は少しギャップを広げられてしまう。コントロールラインまでは追い越しが禁止となっているため、オサリバンも松下の真横近くまで並ぶ形となったが、その後方のドライバーたちはもっと手前からの加速が可能。その結果、ストレートスピードが伸びた大湯が、一気に牧野とオサリバンをかわして32周目の1コーナーでは3番手まで浮上してくる。またさらに後方では、アクシデントも発生。セーフティーカーランで加減速を繰り返しているうちにブレーキに不具合を抱えたという卜部が、最終コーナーで可夢偉に追突、スピンする場面があった。だが、可夢偉がすぐに復帰したため、ここでのセーフティーカー導入はなし。残り10周はそのままレースが続行された。
 
終盤、上位のバトルの中で力走を見せたのはオサリバン。一旦5番手まで後退したオサリバンは、34周目には牧野を捉えて4番手、さらに36周目の最終コーナーで大湯の後ろにピタリとつけると、ストレートではオーバーテイクシステムを使って、再び3番手に返り咲く。そして、前を行く松下に迫って行った。その松下も岩佐を追い詰めていく走り。残り2周という段階で、岩佐と松下の差は0.813秒、松下とオサリバンの差は0.711秒という接近戦となっていた。この中でファイナルラップに逆転が起こったのは2番手争い。オサリバンがダンロップコーナーのブレーキングで松下に迫り、松下はここでポジションをキープ。だが、ダンロップの立ち上がりで松下のマシンが少しバランスを崩す。それを見逃さず、オサリバンは2317コーナーで松下に並びかけると、軽くぶつかりながらも前に出ることに成功。最後の最後に2番手に浮上した。
 

 
トップの岩佐はスタートでトップに立った後、結局はポジションを落とすことなくそのまま今季初優勝。「フォーミュラeとの日程重複のため、これがスーパーフォーミュラでの最後のレース」と語ったオサリバンが自己ベストリザルトの2位。3位には最後に逆転を許したものの、今季2度目の表彰台を獲得した松下。以下、大湯、終盤牧野をかわしたフェネストラズ、牧野、野尻、やはり終盤オーバーテイクを成功させたブルツ、アレジ、スタネックまでがポイントを獲得する結果となっている。次戦はいよいよシーズンを締めくくる11月20日(金)〜22日(日)の第11&12戦。今大会でのタイトル決定はならなかったが、ランキングトップの太田と、今日優勝した岩佐とのギャップは32.5ポイントと、依然として太田は大量リードを保っている。あとは、太田がどこで初戴冠を決め切るかが大きな見どころ。そのドラマの舞台は、三重県・鈴鹿サーキットだ。
 
 

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