コラム【ミキティの”勇気は一瞬、後悔は一生”】vol.4 速い選手は本当にどこでも強いのか?
2023.06.16
皆さんこんにちは、SUPER FORMULAアンバサダーの小山美姫です。今シーズンも早いもので既に4戦が終わりました。残すところあと5戦、今週末で折り返し地点ですね!
さて、オートポリス大会はいかがだったでしょうか?ローソン選手が完璧なレース運びで優勝。そのままランキングトップに躍り出ましたね。レースペースという点では、頭ひとつ抜けていたかと思います。ピットタイミングがミニマム付近だったローソン選手。タイヤ交換後、まだピットを終えていないライバル達に追いついてしまう場面がありましたが、素早くオーバーテイクし素晴らしいレースペースでアンダーカットを成功させトップに立ちました。レース終盤のSCで築いていたギャップを詰められてしまいましたが、後続にタイヤの新しいライバル達がいる中逃げ切り優勝。ドライバー、チームの総合力は非常に高い所で安定しているように見えました。
また、それに続く上位勢のドライバーは、開幕戦から同じ顔触れです。トップ5フィニッシュしているのは、実際には7名のドライバーのみ。(野尻選手、山下選手、リアム選手、平川選手、宮田選手、坪井選手、山本選手)どこのサーキットへ行っても変わらないという事は、今年から登場したSF23を速く走らせるセットアップのスイートスポットが狭い可能性があります。各大会の練習走行では、タイヤの使用制限やトラックコンディションなどの変化で、正確に車のポテンシャルを上げていく作業が非常に難易度の高いものとなっていると考えられます。
この流れで次戦の菅生大会を予測すると、上位陣のドライバーはあまり変わらないものになるのではと考えています。とはいえ上位陣でも、あと一歩で勝てるドライバー、予選で1発の速さを出せるドライバー、レースペースが速いドライバーと、それぞれの強みを持っていてポテンシャルが高いドライバーが多く居るので、新たな役者の台頭が楽しみです!
そして菅生はSF開催サーキットの中で最もチャレンジングなコースと言っても過言ではないでしょう。狭いコース幅の中、速度域の高いコーナーが連続する菅生で走るSF23はカッコ良さそうです(笑) またコースの特性上オーバーテイクしにくいので、予選の順位が大事になります。菅生は1周3.586kmと短い為上手くクリアラップを取る事が重要ですが、Q2では12台でのアタックになるので、アタックタイミングの違いだったり、位置取りの関係で前車に詰まってしまったり、様々な要因を予測してアタックに入る事が鍵ですね。
総合的に判断して、菅生での注目選手は…
P.MU/CERUMO・INGINGの坪井選手と阪口選手、TOM‘Sの宮田選手です。この3名の走り出しが気になります。そして、入賞し続けている山下選手と平川選手の位置づけや復活する野尻選手!菅生といえば、私の記憶に残っている関口選手も気になります!
サーキットではイベントもたくさん開催されてます!子供たちが参加できるカート教室もあるので、サーキットにいらっしゃる皆さんはレース以外も楽しんでくださいね。
シリーズ争いに関わる大事な1戦でもあるので、今から緊張感溢れますね。シーズン折り返しになる一戦に是非注目してください!
written by 小山美姫
フォーミュラカーレースをメインに様々なカテゴリーで活躍する現役ドライバー。国内だけでなく、海外のカテゴリーにも参戦する国際派。22年はフォーミュラ・リージョナルジャパンでチャンピオンを獲得し、SUPER FORMULA参戦を目標に意欲的に活動中。