菅生大会も終わり、富士で2日間の合同も行われ、いよいよ今週末が富士大会になりますね！このイベントでは「夏祭り」がテーマとなっていて、レース以外にも楽しめるコンテンツが盛りだくさんになっています。そしてシーズン後半になってもタイトル争いが炸裂している今年のスーパーフォーミュラですが、ぜひ現地へと家族で足を運んでみませんか？

僕は菅生でスーパーフォーミュラ・ライツ初表彰台、そして初勝利を飾る事ができたんですが、前回行われた鈴鹿大会でかなり苦戦してしまいました。次戦は今週の富士でスーパーフォーミュラと併催になるので、現地にきて頂く方はスーパーフォーミュラ・ライツの方にも注目してみてください。勝てるようにフルプッシュします！

早速ここでスーパーフォーミュラの菅生戦をちょっと振り返ってみます。前回のコラムでも予想したんですが、大湯選手が予選で凄い所を見せてくれました。2番手には今年凄く安定している宮田選手が並び、3番手にはオートポリスは体調不良で参加できなかった野尻選手が見事な復帰を果たし見事にトップ3内に予選でタイムを刻んできました。

レースでは大湯選手がスタートを上手く決めトップをそのままキープしたんですが、レースペースが中々上がらず、その後方で10位くらいまで隊列ができていて続々とプレッシャーをかけている状態になりました。まず最初に大湯選手をパスしたのが、オーバーテイクシステムを良いタイミングで使った宮田選手でした。まだ後方が大湯選手と争っている中、宮田選手は自分のリズムを序盤からとる事ができてこの時点で大きくリードを稼ぐ事ができました。他にその状況でペースを上げれなかったドライバーが何人か早めのピットインで戦略勝負に出ました。6位から10位あたりに走行していた牧野選手、野尻選手、そして大嶋選手選手が早めにピットインを行い、前に誰もいない状態で自分のペースだけに集中する事が可能になりました。

その間、大湯選手は坪井選手とのバトルで1コーナーのブレーキング勝負で止まりきれずコースアウトをしてしまい、大きくポジションダウンしてしまいます。後半でピットに入る作戦をとったのは、坪井選手とリアム選手でした。しかし坪井選手のタイムもその時点でちょっと苦戦していて、リアム選手はそれにふたをされてしまい思い切った走りができない状態でした。全てのマシンがピット作業を終えると、2位には野尻選手、3位には牧野選手、そして4位には大嶋選手が大きくポジションアップしていました。フロントの方で色々バトルがおきている中、タイヤもフレッシュで前にあまり車がない状態で走行できていたのがキーポイントでした。

リアム選手はピット後には10位まで下がったんですが、最後10周を猛プッシュで5位まで追い上げ、ファステストラップも獲得。ペースはいつも通り良かっただけに、今回は作戦が上手く噛み合わなくてちょっと残念だったと思います。

今回のレースのトップ5は、1位宮田選手、2位野尻選手、3位牧野選手、4位大嶋選手、5位リアム選手でした。宮田選手は富士でのパフォーマンスがかなり高いイメージがあるので今週末も強いレースと見せてくれると思います。野尻選手は復帰レースとはいえ、予選もかなり速いタイムを出してレースも上位に食い込んできたのが凄いです。後半戦の追い上げも期待できると思います。牧野選手は車とマッチングする時は凄い速さをいつも見せてくれます。今年の富士では苦戦していたんですが、テストで得たものを生かして今週末もどこまで順位を上げれるか楽しみです。

大嶋選手はなんとROOKIE Racingベストリザルトの4位をマークしました。ここで車の方向性を掴めたとすると、次のレースも良い所を狙えるかもしれないです。リアム選手はちょっと悔しい結果に終わったかもしれないですが、いつもみたいにレースペースは凄く速かったので今後も要注目です。

富士の合同テストでは各チームが車のセットアップ、ランプラン等バラバラにメニューをこなしていたので、本当に誰が速かったのかはちょっとわからない所が正直です。ガソリンを多めに積んでタイム出していた車もいそうで、なんとも言えないです(汗) ただ公式テストからパワーアップしてくるチームもいそうなので、前半戦に比べて各チームの勢力図がどう変わるか楽しみです！

 

 

Written by イゴール・フラガ
日本生まれの日系ブラジル人レーシングドライバー。幼い頃からカートのタイトルを獲得し、その後多数の国でF3に参戦し好成績を残す。同時に「FIAグランツーリスモチャンピオンシップ」のワールドチャンピオンを獲得し、23年はSUPER FORMULA Lights、SUPER GTに参戦。e-Motorsports界でも有名なリアル＆バーチャルの『二刀流』ドライバーとして活躍している。