スーパーフォーミュラ2023年のシーズンも残り2大会3レースだけになりました。前回の富士戦ではホンダ勢が強かったんですが、今週末のモテギではトヨタもパフォーマンスアップできるのでしょうか？天候も良さそうでドライレースになりそうです。

先程色々結果などみていたんですが、ランキングトップの宮田選手、そして2位のリアム選手、二人合わせて今シーズン5勝もしているんですが、面白い事に二人ともまだポールポジションを一回もとっていないんです。いつも予選で前の方にはくるんですが、レースでポジションアップしてポイントを稼いでいるイメージが強いです。Rd.6富士でも同じような強いレース運びをしてきましたね。

富士ラウンドではDOCOMO TEAM DANDELIONとTCS NAKAJIMA RACINGのパフォーマンスが目立っていたと思います。牧野選手は予選でもの凄い速さをみせてくれてポールを獲得して、ルーキーの太田選手も速くて3番手のタイムをマークしました。佐藤選手と山本選手もパフォーマンスアップして予選でも良いタイムをマークしていました。

レーススタートでは太田選手が出遅れて少しポジションダウンしました。前方のドライバーはほぼ順位変動がなく1周目を終えました。ここから長い精神バトルが牧野選手とリアム選手で行われ、最終的にはリアム選手がアンダーカットを成功させて前にでることができました。宮田選手もポジションを二つほどあげる事に成功していました。ただここでだんだん目立ち始めたのは20位スタートの平川選手でした。

ほぼ最後尾からの追い上げでいつもみたいにスティントを伸ばす方向の作戦でレースを進行させていましたね。なぜか他がタイヤの摩耗等でペースを保ちきれない所をあっさりずっと同じペースで走っているんです。気づいたらピットインする前には山本選手のすぐ後ろを走行していて、最後はフレッシュタイヤの追い上げで4位でチェッカーを受けました。予選でとても苦戦しているんですが、レースペースがとても早いのも中々興味深いですよね。

次のレースはモビリティリゾートもてぎになるんですが、コースのレイアウト的に他のコースとかなり異なるので、どのチーム、そしてドライバーが良いパフォーマンスを見せてくるのか楽しみです。もてぎは長く曲がりこむコーナーがほぼなくて、ハードブレーキングをしてから90度曲がる所が非常に多いので、車の止まる力、コーナー進入で向きを変えてトラクションもかけやすくする事が重要です。なのでボトムスピードを上げるというよりかは、早く止まれて、早くアクセルを全開にできるかが重要になってきます。

ストレートもかなり長くていくつもあるので、エンジンパワーもタイム的に大きく影響します。富士ではホンダエンジンが強かったと思うんですが、この大会に向けてトヨタエンジンもパワーアップしてくるのか注目ですね。しかも今年は異なるメーカーでタイトル争いをしているので、メーカー同士の戦いもみれるのかちょっと個人的にワクワクしています。

チャンピオン争いに目が離せないもてぎ大会でも「スーパーフォーミュラ夏祭り in モビリティリゾートもてぎ」として色々なイベントもあるので、現地の盛り上がりが楽しみです！

 

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Written by イゴール・フラガ
日本生まれの日系ブラジル人レーシングドライバー。幼い頃からカートのタイトルを獲得し、その後多数の国でF3に参戦し好成績を残す。同時に「FIAグランツーリスモチャンピオンシップ」のワールドチャンピオンを獲得し、23年はSUPER FORMULA Lights、SUPER GTに参戦。e-Motorsports界でも有名なリアル＆バーチャルの『二刀流』ドライバーとして活躍している。