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コラム【MIURA’s EYE】vol.7 ドライバーたちのプライドと闘争心

2023.09.07

皆さん、こんにちは!SUPER FORMULAアンバサダーの三浦愛です。真夏の祭典「もてぎ2&4レース」ご観戦ありがとうございました!決勝レース直前の気温は33℃、路面温度は46℃という蒸し風呂状態の酷暑でした。人にも車にも相当なストレスがかかる過酷なレースウィークとなりました。

スタート直後に大きなアクシデントがあり驚かれた方も多いと思いますが、実はそれ以外でもコース上での接触やピット作業ミスが多発し、現地では終始どんよりとした空気が流れているように感じました。そんな中でも大きな怪我なくドライバーの無事が確認できたことだけが唯一の救いでしたが、個人的には「早くレースが終わってほしい」「とにかく皆が無事でいてほしい」という想いしかありませんでした。極限で戦う彼らにとって、この“暑さ”が各所で起きたアクシデントの引き金になっていたことは間違いありませんが、この状況下だからこそより色濃く見えたドライバーたちのプライドや闘争心には改めて感銘を受けましたた。今大会の主役はやはり「おかえり、のじさん!」ではないでしょうか?予選では2番手に約0.2秒の大差をつけ今季3度目のポールポジションを獲得。決勝レースも他を寄せ付けない安定した走りでトップを一度も譲ることなくポールトゥウィン。野尻智紀選手の歯車がガッチリはまった時の誰も手を付けられないスピードはまだまだ健在です!病気療養など苦しい時間を乗り越え、三連覇をかけた今大会での優勝は最終戦に向け大きな弾みとなりましたね。野尻選手の心からの歓喜の雄叫びがとても印象的でした。そして、私たちの心を打つような光を放ってくれたのがフロントローを獲得したルーキー太田格之進選手でした。他カテゴリーでの怪我により不参加となった開幕前テストから本人としても少し出遅れた感覚を持っていたようですが、前戦の富士大会から好調さを覗かせ遂に掴み取った今季最高位フロントロー!からの…、決勝はスタートミスで大きく順位を落とし、ピットレーンでの他車との接触という不運も重なり、SUPER FORMULAの洗礼を浴びるかのようにリタイアという結末を迎えてしまいました。最終戦はホンダ育成ドライバーとして走り慣れた鈴鹿サーキット。チームのマシンとしても得意としている鈴鹿では、最終ラウンドでチームメイトの牧野選手と2台揃っての表彰台も夢ではなさそうですね!

スタート直後から波乱の展開でサバイバルレースとなった今大会では、「2位は嫌いじゃ」と無線で名言を残しながらも流石の走りを見せてくれた平川亮選手や、スタートで順位を落とし最後尾から怒涛の追い上げを見せてくれた宮田莉朋選手など、今シーズン上位ランカーたちの活躍はもちろん、これまで歯がゆいレースが続いていたドライバーたちの熱い走り、手に汗にぎるバトルからも目が離せませんでしたね!小林可夢偉選手大嶋和也選手小高一斗選手の接近戦は見物でしたし、フリー走行からポテンシャルの高かったKids com Team KCMGは2台揃ってポイントGET!3位表彰台を獲得した大湯都史樹選手、5番手グリッドから自信漲るコメントをくれた関口雄飛選手は久々に笑顔を見せてくれたり…泣いた選手(チーム)笑った選手(チーム)それぞれの様々な想いが入り混じったとっても濃いレースでした。最終ラウンドとなる第22回JAF鈴鹿グランプリは、開幕ラウンド以来の2連戦(2レース制)です。三つ巴のチャンピオン争いも白熱しそうです!!

 

 

written by 三浦 愛
全日本F3選手権で女性史上初のクラス優勝を果たすなど、女性レーシングドライバーとして活躍。一方、2023年に自身のチーム「Team M」を設立し若手育成も視野に入れるなど、モータースポーツ界に貢献する。SUPER FORMULAでは2022年までピットレポーターを務めるなど、色々な視野(EYE)を持つまさに「アンバサダー」。

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