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第8戦予選 逆転タイトルに向け野尻がポール・ポジション 宮田は2番手 ローソン7番手

2023.10.28

第8戦 ポール・ポジションを獲得した野尻智紀(TEAM MUGEN)

 
昨日の専有走行後、夕方になって激しい雷雨に見舞われた三重県・鈴鹿サーキット。この雨は午後7時頃には上がったものの、上空に流れ込んだ寒気の影響で、気温はぐっと冷え込んだ。そして全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦の予選&決勝が行われる10月28日(土)は、朝から再び晴れの天気。ただし、メインストレートには、前日の向かい風とは逆の強い追い風が吹き、やはり空気は冷たかった。
そんな中、午前9時30分からいよいよノックアウト予選が開始。Q2ではチェッカー間際に赤旗が提示されるハプニンクがあったが、その後セッションは残り3分で再開。充分タイヤを温める時間がない中で、各ドライバーは力強いアタックを見せた。その結果、今季4回目のPPを獲得したのは野尻智紀(TEAM MUGEN)。これに宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と続いている。以下、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)と続き、リアム・ローソン(TEAM MUGEN)は7番手。予選でのポイント獲得はならず、3ポイントを獲得した野尻が、この時点でランキング2番手に浮上している。
 
気温17℃、路面温度24℃と、専有走行時よりはかなり冷えたコンディションの中、9時30分からは10分間で争われるAグループのQ1が始まる。今回、Aグループに振り分けられたのは、ローソン、山下健太(KONDO RACING)、太田、国本雄資(Kids com Team KCMG)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)、坪井、松下信治(B-Max Racing Team)、ジェム・ブリュックバシェ(TGM Grand Prix)、佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)の11人。コースがオープンされると、ローソン、関口、山下、太田、佐藤といった順でまもなく全車がユーズドタイヤを装着してピットを後にした。ここからアウトラップを終えて、ピットに戻ったのは、山下、太田、坪井の3人。その他のドライバーはもう1周インラップを走ってからピットに戻った。一旦ピットに戻ったドライバーたちは、ここでニュータイヤに交換。セッションの残り時間が5分15秒ほどというところで、坪井、佐藤、ブリュックバシェ、ローソン、国本、松下、関口、太田、山下、笹原、大嶋の順でコースに入っていった。今回は、ここから全ドライバーがアウトラップ、ウォームアップラップを走ってからアタックに向かう予定を立てていた。
そして、残り時間が40秒となったあたりから各車がアタックラップに入る。ところが、ここでハプニングが発生。最後にコースに入って行った大嶋が、アタックラップに入る直前にチェッカーフラッグが提示されてしまった。そのため、大嶋はアタックできず、ここで予選を終えることとなった。
その他のドライバーたちは、アタックラップでフルプッシュ。最初にアタックに入った坪井が1分37秒821というタイムをマークしてくる。その後アタックしていたドライバーたちは、誰も坪井のタイムを破れなかった。結果、坪井はトップでQ1を通過。これにローソン、太田、山下、佐藤、松下と続き、ここまでがQ1を突破している。一方、ブリュックバシェ、国本、笹原、関口、そしてアタックできなかった大嶋は、Q2に駒を進めることができなかった。
 
予選P.1 野尻智紀(TEAM MUGEN)

 
5分間のインターバルを経て、10分間で争われるBグループのQ1が始まったのは、午前9時45分。今回、Bグループには、野尻、小高一斗(KONDO RACING)、牧野、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、福住仁嶺(ThreeBond Racing)、平川、宮田、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、ラウル・ハイマン(B-Max Racing Team)、大草りき(TGM Grand Prix)、大津弘樹(TCS NAKAJIMA RACING)が振り分けられた。
Aグループと同様、コースがオープンされると、野尻、平川、小高、牧野、大津、大草、宮田といった順で、まもなく全車がユーズドタイヤでピットを後にする。このグループでもアウトラップだけを走ると、牧野、福住、阪口がピットイン。その他のドライバーたちは、もう1周走ってからピットに戻り、各車ニュータイヤに交換した。
そして、セッションの残り時間が5分を切った所で、野尻を先頭に、平川、牧野、大津、宮田、大草、福住といった順で全車がコースイン。Aグループと同様、どのドライバーもアウトラップ、ウォームアップラップを走って、残り時間1分というところからアタックに入って行った。最初にアタックに入った野尻は、セクター1から全体ベストをマークする走り。1分37秒575というタイムを叩き出してくる。これに対して、2番手でアタックに入った平川も、セクター1、セクター2で野尻に肉薄。セクター3では野尻を上回るタイムを見せたが、コントロールラインを切った時には、1分37秒782と野尻には届かず。しかし、専有走行での不調を吹き飛ばすような走りを見せた。この2人に続いたのは、宮田、牧野、可夢偉、福住。ここまでがQ1を突破している。一方、わずかな差でQ2に進出ならなかったのは、阪口、大津、小高、大草、ハイマンの5人。その中でも、これがデビュー戦となる大草は、セクター2で全体ベストタイムをマークするなど、速さの片鱗を見せていた。
 
予選P.2 宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)

 
10分間のインターバルを経て、いよいよPPを決定づける7分間のQ2が始まったのは、午前10時05分。セッションが開始後、わずか10秒というところで、まずは宮田がユーズドタイヤで一旦コースに入る。その他のドライバーたちは、ニュータイヤを装着して待機。セッション開始から1分というところで、野尻、ローソン、フロントだけニュータイヤを装着した可夢偉、平川、松下、山下、坪井、佐藤、福住の順でコースに入って行った。宮田はセッション開始から2分というところでピットインするとタイヤを4本、ニューに交換。この交換作業が行われている間に、太田と牧野がコースに入る。そして、宮田は残り時間が4分30秒となったところでコースイン。また、残り時間が3分45秒というところで可夢偉がピットイン、リヤタイヤだけニュータイヤに交換して、コースへと戻った。
多くのドライバーは、コースに出ると2周タイヤを温めて、アタックラップへ。残り時間が1分35秒となったところで、まずは野尻がフルプッシュに入る。これにローソン、平川、松下といった順でアタックに入った。野尻はセクター1で26秒150、セクター2で15秒723と、Q1以上の速さでタイムを刻んでいく。ところが、野尻がセクター4に入ったあたり、残り時間12秒というところでセッションは突如赤旗によって中断された。これは佐藤がデグナーコーナーでコースアウトし、スポンジバリアに接触してグラベルにストップしたため。この佐藤のマシン回収が終わると、セッションは午前10時23分に、残り時間3分ということで再開される。
赤旗中には、野尻がスクラブタイヤに交換。平川、牧野、宮田は4本ともニュータイヤに交換、坪井がリヤのみニュータイヤに交換、また可夢偉がリヤのみスクラブタイヤに交換。その他のドライバーは、赤旗前に装着していたタイヤをそのままキープし、最後の3分間に臨んだ。
 
予選P.3 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

 
コースがオープンされると、野尻、ローソン、平川、山下、牧野、太田、坪井、可夢偉、福住、宮田、松下の順でコースイン。だが、1〜2コーナーでは、すでにタイヤが温まっているローソンが野尻の前に出る。一旦、野尻の前に出たローソンは、ここからタイヤを使い過ぎないように野尻をブロックするような走り。冷えたタイヤを温めたい野尻は、コース後半に入ると逆にローソンに激しく迫る。アウトラップでの攻防が行われる中、ヘアピンからスプーンにかけて、この2台を次々と抜いて行ったのは平川。結果、最初にアタックに入ったのは、平川だった。これにローソン、野尻が続く。どのドライバーにとってもアウトラップからいきなりのタイムアタック合戦。チェッカーを受けると同時に、まずは平川が1分37秒856というタイムをマークしてくる。続いてアタックしたローソンは、1分37秒878と平川を上回れない。しかし、3番手でアタックした野尻は一気にタイムアップ。1分37秒292と自身のQ1ベストを上回るタイムを叩き出し、トップに立った。この野尻のタイムを破ったドライバーはおらず、野尻は今季4回目のPPを獲得し3ポイントを追加。最後から2番手でアタックした宮田が、2番手に滑り込んで2ポイントを獲得する。前回のもてぎのクラッシュで今回新車を仕立ててきた牧野が3番手となり1ポイントを獲得した。タイトル争いを演じているローソンは、7番手に終わりノーポイント。その結果、野尻がローソンを1ポイント上回り、ランキング2位に浮上した。
 
午後の決勝では、ここからどんな争いが展開されるのか。フロントロウを分けたランキング2位の野尻とランキングトップの宮田だけでなく、各所で激しいポジション争いが展開されることは間違いないだろう。
 
予選7番手に沈んたリアム・ローソン(TEAM MUGEN)

 

 

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