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合同テスト&ルーキー・ドライバーテストが始まる。初日総合トップは坪井 翔(VANTELIN TEAM TOM’S)

2023.12.06

初日総合トップタイム 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOM’S)

三つ巴のチャンピオン争いが演じられた今シーズンの最終戦から1ヶ月余り。12月6日(水)〜8日(金)にかけて、三重県鈴鹿サーキットでは1年を締めくくる毎年恒例のスーパーフォーミュラ合同テスト&ルーキーテストが行われた。今回のテストでは、今季のレギュラードライバーだけでなく、これまでの所属チームとは違うシートに乗り込んだドライバーが多数。また、3日間を通じて、14名ものルーキードライバーが参加する。話題性が高いドライバーの参加もあり、平日にも関わらず初日から多くの観客がサーキットに足を運んでいる。

前日は肌寒い曇り空だった鈴鹿。しかし、テスト初日となる6日は快晴と言えるような見事な青空が広がった。また、この日は冷え込みも緩み、午前10時からのセッション1開始時点で、気温は13℃、路面温度は19℃まで上昇している。
11チーム・22台と、レギュラーシーズンと同じチーム数、同じ台数が参加した今回のテスト。その中で、シーズン中と同じシートに乗って走り始めたのは、野尻智紀(TEAM MUGEN)、山下健太(KONDO RACING)、小高一斗(KONDO RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)の10名。それ以外のドライバーは、ルーキーや移籍が噂されるドライバーばかりだった。ルーキーでは、FIA F2帰りの岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、今季のFIA F2チャンピオンであるテオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、今季SFLタイトルを獲得した木村偉織(B-Max Racing Team)、小出峻(B-Max Racing Team)、Juju(TGM Grand Prix)の5名がステアリングを握った。一方、これまでの所属チームとは違うチームで走行したのが、関口雄飛(Kids com Team KCMG)、国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、大湯都史樹(P.MU/CERUMO・INGING)、松下信治(TGM Grand Prix)の5名。さらに、今季はレギュラーシートを得られなかった三宅淳詞がThreeBond Racingから参加。またスーパーサブとして開幕前テストではDOCOMO TEAM DANDELION RACING、シーズン中にはTEAM MUGEN、TGM Grand Prix、TCS NAKAJIMA RACINGと3つのチームからスポット参戦した大津弘樹が今回のテストにもTCS NAKAJIMA RACINGから参加している。

岩佐 歩夢(TEAM MUGEN)

テオ・プルシェール(TEAM IMPUL)

木村 偉織(B-Max Racing Team)

セッションが始まると、各ドライバーは続々とコースイン。今回からは全車共通のダンパーが使用されることになり、レギュラー陣はマシンセットアップの煮詰めや来年に向けてのデータ採りを行っていく。一方、ルーキーたちや、これまでとは違うチームのマシンに乗り込んだドライバーたちは、まずは慣熟走行。そこから少しずつペースを上げていった。このセッションでは、コースアウト車両が一切なく、テストにしては珍しく一度も赤旗が出されることはなかった。
そんな中、まずセッション開始早々に1分38秒879というタイムをマークしたのは野尻。その他のドライバーたちは39秒台のタイムでこれに続く。その後、各チームはテストメニューを進めていき、開始から約45分となったところで牧野が1分38秒627と、野尻のタイムを書き換えてくる。さらに、セッションの残り時間が40分を切ったところでは、関口がユーズドタイヤで1分38秒459をマークしてトップに立った。これとほぼ同じ頃には、佐藤が1分38秒465と、関口に続くタイムをマークしてくる。
そして、セッションの残り時間が10分を切ったところからは、多くのドライバーがニュータイヤを投入。今回は最終大会からのタイヤの持ち越しは自由、さらに最初の2日間に関しては各車6セットのニュータイヤが供給されるが、まずはここで各ドライバーが最初のタイムアタックシミュレーションに入った。一方、ここでニュータイヤを使用しなかったのは、野尻、可夢偉、大嶋、木村、小出の5人となっている。
その中で、セッションの残り時間が6分となったところで、真っ先にタイムアタックを行い、トップタイムを書き換えてきたのは坪井。坪井はここで1分37秒895をマークしてくる。しかし、ここからがアタックの本番。セッションが残り2分となったところでは、牧野が1分37秒448と、坪井のタイムをコンマ4秒余り上回ってトップに立つ。また、これに続いてアタックしていた山下が、牧野と1000分の1秒台まで同じタイムをマーク。2番手につけた。さらに、セッションの残り時間が1分を切ったところで、佐藤が1分37秒431と牧野、山下のタイムをわずかに上回り、トップに浮上。このままセッションは終了するかと思われた。しかし、チェッカーを受けると同時に、この佐藤のタイムを大きく上回ってきたのは、関口。関口はセクター1から驚速ぶりを見せる。セクター2でこそ全体ベストはならなかったものの、セクター3では再び全体ベストを叩き出し、コントロールラインを切った時には、1分37秒027と、それまでトップだった佐藤のタイムをコンマ4秒も上回るスーパーアタックを見せた。その結果、このセッションを堂々のトップで締めくくったのは、関口。これに佐藤、牧野、山下と続き、5番手にはルーキーの岩佐が滑り込んだ。以下、大湯、阪口、太田、大津、坪井、笹原、三宅、小高、国本、松下、野尻、大嶋と続き、注目のプルシェールは18番手、木村は20番手、小出は21番手。Jujuは、セッション序盤から着実にタイムを縮めて、最後のアタックでは1分41秒870までタイムアップ。走り始めと比べて、数秒もタイムを上げてくる学習能力の高さを見せた。

午前トップタイム 関口 雄飛(Kids com Team KCMG)

Juju(TGM Grand Prix)

2時間のインターバルを経て、セッション2が始まったのは、午後2時。このセッション開始時には、さらに暖かくなり、気温は17℃、路面温度は25℃まで上昇した。コースがオープンされると、多くのドライバーは間もなくピットを後にする。一方、しばらく待ってからコースに入っていくドライバーも見られた。
このセッションで、開始早々、1分37秒689というタイムをマークしてトップに立ったのは野尻。野尻は、午前中のセッション最後にはニュータイヤを使用しなかったが、このセッションでは最初からニュータイヤをつけてコースに入っている。これにユーズドタイヤの坪井が1分38秒465、同じくユーズドタイヤの佐藤が1分38秒676で続く。しかし、開始から20分というところで、セッションがストップ、この日、最初の赤旗が提示された。これは、木村がヘアピン立ち上がりでメインドライブシャフト折損のトラブルによってマシンをストップさせたため。この木村のマシン回収が終わると、セッションは午後2時28分に再開された。
この赤旗再開後、15分ほど経ったところで、ユーズドタイヤで自己ベストタイムを更新してきたのは可夢偉と山下。可夢偉はここで1分38秒793、山下は1分38秒647をマークしてくる。また、この数分後には、小出がニュータイヤを投入。1分39秒171と、いよいよ40秒を切ってきた。また、午前中トップタイムをマークしていた関口は、しばらくピットガレージでリヤの足回りのセットアップ変更を行っていたが、コースに出るとユーズドタイヤで1分38秒512と、この時点での3番手となるタイムをマーク。また、太田もユーズドタイヤで1分38秒531までタイムを上げてきた。さらに、ちょうどセッションが折り返したところで、Jujuがニュータイヤを投入。ここで午前中の自己ベストを上回る1分41秒219までタイムを伸ばしてきた。
その後、セッションの残り時間が40分あまりとなったところで、1分38秒345までタイムアップし、この時点での3番手に浮上してきたのは、ニュータイヤを投入した笹原。また、ルーキーのプルシェールも、ユーズドタイヤで1分39秒922までタイムアップしてくる。
その後、セッションの残り時間が30分を切ったところでは、ニュータイヤを投入した松下が1分37秒703で2番手、同じくニュータイヤを履いた可夢偉が1分37秒855で3番手に浮上。さらに、ここで一気にタイムアップしてきたのが1分37秒240を叩き出した関口。ここで関口は、野尻を上回ってトップに立った。

初日総合3番手 佐藤 蓮(TCS NAKAJIMA RACING)

これを境に、多くのドライバーがニュータイヤを投入。残り時間が20分というところで、大津が1分37秒831、牧野が1分38秒094、坪井が1分37秒731、岩佐が1分38秒047、野尻が1分37秒641と次々に自己ベストを更新してくる。そして、このタイミングで佐藤が1分37秒210をマーク。関口を上回るトップタイムを叩き出してきた。さらに、佐藤と1000分の1秒差のタイムを出して2番手に浮上したのが太田。太田は1分37秒211をマークしている。また、残り時間13分というところで、山下が1分37秒277をマークして、4番手に浮上してくる。
その後、ほとんどのマシンは一旦ピットイン。野尻、山下、牧野、太田、三宅、岩佐、プルシェール、大湯、大津、佐藤は連続でもう1セット、ニュータイヤを投入して、テスト初日の締めくくりとなるタイムアタックシミュレーションに向かう。セッション半ばにニュータイヤを入れたドライバーたちも、ここで再びニュータイヤを投入した。この中で、セッションの残り時間が8分というところで、最初にコースインしたのは可夢偉。続いて、大嶋、マシンの修復が終わった木村、関口もピットを後にする。ここから続々と各ドライバーがピットを後にしている。
可夢偉はフロントだけスクラブした後、一旦ピットインしてリヤをニューに交換していたが、残り時間が6分となったあたりから、他に先駆けてタイムアタック。1分37秒549をマークして、この時点での5番手に浮上してくる。これに続いて、各車がタイヤを温め、セクター自己ベストをマークし始めた。しかし、4輪ともにニュータイヤをスクラブした後、一旦ピットに戻り、残り3分というところでコースインした関口が、アウトラップのデグナー2つ目でコースオフ。残念ながら関口の最終アタックはならなかった。一方、すでに関口をかわしていたドライバーたちは、最後までプッシュを続けた。
その中で、最初に自己ベストを更新したのは、岩佐。岩佐は1分37秒321をマーク、この時点での4番手に浮上してくる。大湯が1分37秒385をマークして、これに続いた。さらに、松下が1分37秒257をマークして、この時点の4番手に浮上。そして、最後の最後に1分36秒994を叩き出したのは、坪井。坪井は、この初日のセッションで唯一1分36秒台のタイムをマークし、総合トップで1日を締めくくった。午後のセッション、坪井に続いたのは、佐藤、太田、関口、松下、山下、岩佐、大湯。総合タイムでは、午前中トップをマークした関口が2番手。さらに、佐藤が総合3番手となっている。

明日、7日(木)には、初日と同様、午前10時から12時、午後2時から4時と、計4時間のセッションが行われる。初日とは違うドライバーがステアリングを握るチームも出てくるが、明日はどんな結果となるのか。非常に楽しみだ。

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