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合同テスト&ルーキー・ドライバーテスト 総合トップは小林可夢偉(Kids com Team KCMG)

2023.12.07

総合トップ 小林可夢偉(Kids com Team KCMG)

 
12月に入ったとは思えないほどポカポカとした陽気に恵まれた前日に比べ、曇りがちの天候となった12月7日(木)の三重県鈴鹿サーキット。この日も引き続き、スーパーフォーミュラ合同テスト&ルーキーテストが行われた。この日のセッションで総合トップタイムをマークしたのは、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)。これに福住仁嶺(Kids com Team KCMG)、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)と続いている。
 
早朝は青空が広がる時間もあった鈴鹿。しかし、午前10時から始まるセッション3が近づくにつれて空は雲に覆われ、肌寒く感じられるような天候となった。それでも、セッション開始時の気温は14℃、路面温度は16℃と、この時期にしては暖かいコンディションとなった。この日、多くのドライバーは、初日から引き続きの走行。しかし、Kids com Team KCMGの18号車には関口雄飛に代わって福住仁嶺、TGM Grand Prixの55号車には松下信治に代わってラスムス・リンド、TCS NAKAJIMA RACINGの64号車には大津弘樹に代わってイゴール・オオムラ・フラガが乗り込んでいる。
 
ラスムス・リンド(TGM Grand Prix)

 
イゴール・オオムラ・フラガ(TCS NAKAJIMA RACING)

 
総合2番手 福住仁嶺(Kids com Team KCMG)

 
さて、セッションが始まると同時に、ほとんどのドライバーはピットを後にしてコースに入っていく。そこから各車はタイヤを温め、本格走行に入っていこうとしていた。しかし、そろそろタイヤが温まり始めたかどうかというところで、赤旗が提示され、セッションは中断された。これは開始から約5分というところで、可夢偉が最終コーナーでコースアウトしたため。この可夢偉のマシン回収が終わると、セッションは午前10時19分に再開された。
ここから各車は本格走行に入り、野尻智紀(TEAM MUGEN)がいきなり1分38秒496をマークしてくる。これに続いて、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)は1分39秒595をマーク。さらに、福住が1分39秒485、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分38秒863、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分39秒244、大湯都史樹(P.MU/CERUMO・INGING)が1分39秒377、山下健太(KONDO RACING)が1分39秒279と、各ドライバーが次々に1分40秒を切ってきた。
ところが、セッション開始から25分というところで、セッション2回目の赤旗が提示される。これはイゴール・オオムラ・フラガ(TCS NAKAJIMA RACING)がヘアピンでコースオフし、グラベルストップしたため。このマシンの回収が終わると、セッションは午前10時39分に再開された。
この頃になると、雲の切れ間から陽射しが現れるが、時折メインストレートには強い追い風が吹くコンディションとなった。そんな中、各ドライバーは精力的に走行。再開から3分というところでは、野尻が1分38秒417と自身が出していたトップタイムをさらに更新してくる。また、岩佐も1分39秒147と自己ベストを更新。初日を総合トップで締めくくった坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)も1分38秒958と、38秒台に入ってきた。さらに、セッション開始から約50分というところで、ニュータイヤを投入した小出峻(B-Max Racing Team)が1分38秒825をマーク。この時点での3番手に浮上してくる。セッションの折り返しが近づくと、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)が1分38秒839、太田が1分38秒484といずれもユーズドで自己ベストを更新。野尻のタイムに迫ってきた。これに続いて、福住が1分38秒728、大湯が1分38秒698と、やはり自己ベストを更新してくる。
その数分後、セッションが折り返した午後11時4分には、3回目の赤旗が提示される。これは木村偉織(B-Max Racing Team)がヘアピンでブレーキをロックさせて、コースアウトしたため。このマシンの回収が終わると、セッションは午前11時16分に再開された。この頃になると、風がより強まる。単なる追い風ではなく、巻いているような風で目まぐるしく方向が変わり、ドライバーたちにとっても難しいコンディションとなった。そんな状況のもと、再開から数分後にユーズドタイヤでトップタイムを書き換えて来たのは、太田。太田はここで1分38秒032までタイムを上げてくる。しかし、間もなくこの太田のタイムを上回ったのが、かなり程度のいいユーズドタイヤを装着した福住。福住は、ここで1分37秒806と、セッション3では真っ先に37秒台に入ってくる。さらに、セッションの残り時間が30分を切ったところで、ニュータイヤを着けてタイムアタックを行なったのが笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)。笹原は、ここで1分37秒513とトップタイムを書き換えて来た。小林可夢偉(Kids com Team KCMG)もニュータイヤを投入し、1分38秒513までタイムアップ。さらに、初日は慣熟走行に徹していたテオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が、ここでニュータイヤを投入して1分38秒245までタイムアップし、この時点での5番手まで浮上してくる。また、残り時間が12分ほどとなったところでは、阪口がユーズド1分37秒969までタイムアップし、この時点での3番手までポジションを上げてきた。
そして、残り時間が10分を切ったところで、ニュータイヤを投入してトップタイムを書き換えたのが坪井。坪井はここで1分37秒503をマークしてくる。それをきっかけに、多くのドライバーがニュータイヤを投入。タイムアタックシミュレーションに入る。これに対し、岩佐と三宅淳詞(ThreeBond Racing)は最後までユーズドのままだった。
残り1分というところで1分37秒655までタイムアップし、この時点での3番手まで浮上したのがプルシェール。さらに、最後の最後には、牧野が1分37秒096を叩き出してトップに浮上する。これに続いてアタックしていた太田は、セクター1、セクター3で全体ベストタイムをマーク。しかし、最終コーナーでコースアウトして、スポンジバリアに突っ込んでしまった。この太田よりも後ろを走行していたドライバーたちは、セクター4でスピードを緩めたため、最後の最後に自己ベストを更新することができずにセッションを終了している。一方、それよりも前にアタックを行い、各セクターで自己ベストをマーク。1分40秒039と、初日の自己ベストを1秒余り上回ってきたのがJuju(TGM Grand Prix)。午後のセッションでは、いよいよ1分39秒台に突入するのかどうか、非常に注目される。
 
Juju(TGM Grand Prix)

 
2時間のインターバルを経て、セッション4が始まったのは午後2時。ルーキー以外のドライバーにとっては、これが今年を締めくくる時間となる。午後1時頃にはわずかに雨もぱらつき、開始時点では再び陽射しが雲に覆われていたが、気温は14℃、路面温度は18℃。そこから間もなく雲が切れ、陽射しが燦々と降り注いだ。
このセッションでは、開始からわずか6分というところで、岩佐が1分37秒011をマーク。岩佐は初日の野尻と同様、ここでニュータイヤを投入した。その他のドライバーは、ユーズドでの走行。ランプランに沿って、マシンの煮詰めを行なっていく。
その後、セッション開始から15分というところで、赤旗が提示される。これは序盤にトップタイムをマークした岩佐が、デグナー2つ目でコースアウトしたため。岩佐のマシンはバリアに接触し、左フロントサスペンションやフロントウィングにダメージを負った。このマシンの回収が終わると、セッションは午後2時28分に再開。ここから各ドライバーは本格的な走行に入る。その中で、再開から6分というところで一気にトップタイムを書き換えたのは野尻。野尻はここでニュータイヤを投入すると、1分36秒737と初日の総合トップタイムを上回るタイムを叩き出した。また、ほぼ同時に阪口もニュータイヤを投入し、1分37秒068までタイムアップ。この時点での3番手に浮上してきた。また、可夢偉はユーズドで1分37秒306までタイムを伸ばしてきている。セッションが折り返しに近づくと、福住もユーズドタイヤで1分37秒370までタイムアップし、この時点での5番手まで浮上してきた。
そして、セッションが折り返したところ、午後3時03分には、午前中のクラッシュからの修復作業を終えた太田が、ようやくコースイン。再び走行を開始する。その2分ほど後には、山下健太(KONDO RACING)がユーズドタイヤで1分37秒282をマークし、この時点での4番手に浮上。また、その数分後には、可夢偉もユーズドで1分37秒154までタイムアップしてくる。また、午後3時15分過ぎには、Jujuがニュータイヤでアタックに入る。各セクターで自己ベストをマークしたJujuは、ここでいよいよ1分39秒628と40秒を切ってきた。Jujuは、その翌周もプッシュを続行。ここでも1分39秒755と、2周続けて39秒台をマークした。
その後、セッションの残り時間が約40分となったところで、可夢偉と福住はニュータイヤを投入。福住が1分36秒762、可夢偉が1分36秒897までタイムアップ。さらに、山下もニュータイヤを投入。山下は、1分36秒643を叩き出し、トップに浮上した。これとほぼ同じタイミングでニュータイヤを装着した三宅も、1分37秒689までタイムを上げ、この時点での8番手まで浮上してくる。また、残り時間が30分を切ったところで、笹原がニュータイヤを装着して1分37秒179、フラガが1分38秒136までタイムアップしてきた。この時点で、セッションは5分間延長が決定。チェッカー予定は午後4時05分となっている。
午後3時45分を過ぎ、セッションの残り時間が20分を切ると、その他のドライバーたちも多くがニュータイヤを投入。ここで山下がマークしていたトップタイムを一気に上回ってきたのは、坪井。坪井は、セクター2、セクター4で全体ベストをマーク。セクター3では他のマシンに少し引っかかったものの、1分36秒395と山下のタイムをコンマ2秒半上回ってくる。また、牧野が1分36秒677、佐藤が1分36秒834、阪口が1分36秒680と36秒台に入ってくる。さらに、大湯が1分36秒454と、坪井に迫るタイムをマークして2番手に浮上してくる。
この後、多くのドライバーたちは、一旦ピットイン。もう1セットニュータイヤを装着して、最後のアタックの時を待った。その中で、残り時間が10分余りというところで真っ先にコースに戻り、アタックを敢行したのは可夢偉。可夢偉は、この最終アタックで1分36秒296というタイムを叩き出してトップに立つ。この2分後には、プルシェールも1分36秒586をマーク。この時点での4番手に滑り込んできた。また、その少し後には、Jujuも最終アタックへ。Jujuはここで1分38秒539と、一気に38秒台に突入。初日の自己ベストを2秒以上も上回り、2日目のテストを締めくくっている。
一方、その他の多くのドライバーたちは、セッションの残り時間が6分を切ったところから、ニュータイヤを履いて続々コースイン。各ドライバーともに各セクターで自己ベストを出してくる。その中で、可夢偉に100分の4秒差まで迫る1分36秒337をマークして2番手に浮上したのは、福住。さらに、山下が福住と100分の5秒差となる1分36秒392をマークし、3番手に入ってきた。そして、チェッカーと同時、最後の最後にアタックに入った坪井が、福住と山下の間に割り込む1分36秒363をマーク。最終的に3番手に入ってくる。しかし、誰も可夢偉のタイムを上回ることはできず、2日間のテストを総合トップタイムで締めくくったのは可夢偉。これに福住、坪井、山下と続いた。以下、大湯、プルシェール、阪口と続き、トップ7までをトヨタエンジン勢が独占。以下、太田、牧野、最終アタックでトラフィックに引っかかった野尻、佐藤、ルーキーの木村と続いている。
 
ホンダエンジン勢トップ 総合7番手 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

 
明日、8日(金)は、ルーキーのみのテスト。セッションは午前9時半から11時、午後1時から2時半と、計3時間が行われる。このルーキーテストでは、また新たなドライバーたちがステアリングを握ることとなるが、誰が速さを見せるのか。興味は尽きない。

 

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