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公式合同テスト 2日目トップタイムは山下健太

2024.02.22

2日目総合トップ 山下健太(KONDO RACING)

 
終日ウェットコンディションとなった全日本スーパーフォーミュラ選手権第1回公式合同テストの初日。しかし、セッション終了後に天候は次第に回復し、雨は止んだ。2日目となった2月22日(木)は、朝から曇りの天候となり、一時はうっすらと青空が顔をのぞかせた時間帯も。午前中の走り始めは、まだウェットパッチが多く残っていたが、セッション後半には路面がドライアップ。午後も雨は落ちてくることなく、そのままドライでの走行となり、各チーム、各ドライバーは開幕への準備を精力的に進めていった。そんな中、この日総合トップタイムをマークしたのは、山下健太(KONDO RACING)。これに、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)と続いている。
 
すっかり雨が上がった22日(木)の鈴鹿。しかし、気温は低く、風が強い朝を迎えた。その後、セッション開始が近づくに連れて、強い追い風はおさまってくる。また、西コース方向には、青空も見られた。そして、気温10℃、路面温度11℃というコンディションのもと、午前10時45分に午前中のセッションがスタート。この時点では、まだ路面にウェットパッチや川が残っており、多くのドライバーたちがレインタイヤでコースイン。ただし、レインタイヤで走り続けられるほど路面の水は多くなく、アウト・インを繰り返してタイヤ交換練習を行うなどしている。また、路面が乾くのを待って、ピットに待機するドライバーも。小高一斗(KONDO RACING)、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)らは、なかなかコースに出ることがなかった。これに対して、セッション開始から15分という所で、真っ先にスリックタイヤに交換してコースに出たのは、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)。山本はここで1分41秒489というタイムを刻んでくるが、まだまだ路面は完全なドライではなかった。ただし、すでにレインタイヤでも走れないほど水が少なく、セッション開始から約30分というあたりでは、全車がピットインして待機に入っている。そこから最初に動き出したのは、ラウル・ハイマン(TGM Grand Prix)。ハイマンはスリックを装着して、コースに出る。ところが、アウトラップの最終コーナー立ち上がりでスピン、コースアウト。この日最初の赤旗が提示された。ハイマンのマシン回収が終わり、セッションが再開されたのは、午前11時30分。ここから複数台のマシンがコースに出ていったが、自己ベストを書き換えてきたのは山本。スリックのままコースに戻った山本は、セッション再開から15分という所で、1分40秒063というタイムをマークした。しかし、その3分ほど後、2回目の赤旗が提示される。これは、スリックタイヤでの走行を開始した小林可夢偉(Kids com Team KCMG)がハイマンと同様、最終コーナーでスピン、コースオフしたため。このマシンの回収が終わると、セッションは午前11時59分に再開した。この再開後も、スリックで精力的に周回したのは、山本。山本は、ここでいよいよ1分40秒を切り、1分39秒855、1分39秒500、1分39秒451と周回ごとにタイムを縮めていった。この頃になると、多くのドライバーがスリックタイヤでの走行を開始。ここで野尻智紀(TEAM MUGEN)が1分38秒736、1分38秒562と、立て続けにトップタイムを更新してくる。また、ルーキーの木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)も1分38秒828までタイムアップ。野尻に続く。さらに、残り時間が30分を切った所では、テオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)も1分38秒834と、38秒台をマーク。岩佐歩夢(TEAM MUGEN)も1分38秒563と、野尻まで1000分の1秒まで迫った。さらに、プッシュを続けていたプルシェールが1分38秒215までタイムアップ。この時点でのトップに立った。
 
2日目総合2番手 福住仁嶺(Kids com Team KCMG)

 
さらに、残り時間が15分ほどとなった所で、いよいよ1分37秒台に入ってきたのは坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)。坪井は1分37秒902までタイムアップしてくる。しかし、これに続いて1分37秒455と大幅にトップタイムを更新してきたのが、初日の総合トップタイムを叩き出した牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。牧野はウェットだけでなく、ドライでも好調ぶりを見せた。
そして、セッションの残り時間が10分を切ると、野尻、岩佐、阪口、ハイマン、山本が2セット目のスリックタイヤを投入。その他のドライバーもユーズドタイヤながらコースに入り、各車ともにアタックを行なっている。ところが、コース上では各所でトラフィックが発生し、なかなかクリアラップを取れないドライバーも。また、路面温度が低く、タイヤを発動させるのも難しかった。そのため、チェッカーまでに牧野のタイムを上回ったドライバーはおらず、牧野はこの日最初のセッションもトップで終了。最後のアタックで1分37秒749までタイムアップした山本がこれに続いた。3番手には、やはり最後のアタックで1分37秒791までタイムアップした岩佐。これに福住、坪井、阪口と続いた。
 
2日目総合3番手 佐藤 蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)

 
そこから1時間45分のインターバルを経て、このテストの締めくくりとなる最終セッションが始まったのは、午後2時30分。前日午後のセッションが30分短縮されたため、当初の予定よりも15分早く始まった。また、終了も午後5時までと、当初の予定より15分伸びることとなった。
この最終セッションが始まった時点での気温は11℃、路面温度は11℃。メインストレートには追い風が吹くコンディションとなった。そのコンディションのもと、コースがオープンされると多くのドライバーがピットを後にする。これに対して、午前中からフロアに問題を抱え修復作業を行なっていた三宅淳詞(ThreeBond Racing)、大きくセットアップ変更を行なっていた可夢偉と福住らはまだピットに止まっていた。
一方、コースに出てすぐにピットロードに入り、出口でスタート練習を行っていたのが野尻。野尻はここからロングランに入ろうとしていた。ところが、開始からわずか4分という所で、このセッション最初の赤旗が提示される。これはアウトラップだったJuju(TGM Grand Prix)がデグナーを立ち上がった所でスピン、ガードレールに正面からクラッシュしたため。このマシンの回収が終わると、セッションは午後2時44分に再開された。
そして、セッションが再開されると、各車が本格的な走行を開始。その中で、まずは岩佐が1分37秒627と37秒台に入ってくる。また笹原も1分37秒978と37秒台に入ってきた。その後、セッション開始から40分余りという所では、山下が一気にトップタイムを書き換える。山下はここでOTSを使いながら、1分36秒327までタイムアップ。福住も1分36秒448と、36秒台に突入。佐藤も1分36秒454、プルシェールも1分36秒818と、36秒台に入ったきた。
その後、セッション開始から1時間を過ぎたあたりで、このセッションでは2回目の赤旗が提示される。これは三宅がヘアピン立ち上がりでスピン、ストップしたため。このマシン回収が終わると、セッションは午後3時47分に再開された。その20分後には、牧野が36秒台に突入。1分36秒738をマークして、4番手に浮上してくる。
そして、セッションはいよいよ終盤に入るが、残り時間が30分を切った午後4時32分には3回目の赤旗が提示される。これはハイマンがデグナーの進入で縁石の外まではみ出して、コースアウトしてしまったため。このマシンの回収が終わると、セッションは午後4時42分に再開。ここからは多くのドライバーがニュータイヤを投入し、仕上げのタイムアタックに入った。しかし、この時間帯はオーバーテイクシステムが使えなかっただけだなく、コンディション的により寒くなったことから、どのドライバーも大きくタイムを伸ばすことができず。セッション中盤にトップタイムをマークした山下、2番手だった福住、3番手だった佐藤のタイムを上回るドライバーは現れなかった。牧野は最後に1分36秒496と自己ベストを更新。しかし、4番手にとどまっている。さらに、牧野と同じく最後に自己ベストを更新した坪井、セッション中盤のタイムでプルシェールと続き、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が7番手。太田も最後にタイムアップを果たした。この7人が36秒台をマークしている。以下、阪口、国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、可夢偉までがトップ10でセッションを締めくくった。Jujuは、最初のクラッシュではフロントウィングやサスペンションの一部を破損。しかし、大きなダメージではなく、修復が終わると、再び精力的に走行。最後は1分39秒963までタイムを伸ばして、テストを終えている。
 
開幕まではここからわずかに2週間。今回のテストで取れたデータをもとに、各チーム、各ドライバーはどのような戦いを見せるのか。今から待ち遠しい。
 

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