阪口晴南 2024年開幕戦で自身初ポール・ポジション獲得!
2024.03.09
予選P.1 阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
朝のフリー走行が終わってから3時間余り。曇りがちとなった三重県鈴鹿サーキットは、若干風が弱まったものの、相変わらず冬のような寒さが続いた。そんな中、午後3時05分からは、全日本スーパーフォーミュラ選手権開幕戦のノックアウト予選が行われ、各ドライバーが渾身のアタックを見せた。この予選で自身初のPPを獲得したのは阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)。2番手には太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、3番手には野尻智紀(TEAM MUGEN)と続いている。
午前中よりは若干温かくなり、風も少し収まった3月9日(土)午後の三重県・鈴鹿サーキットでは、予定通り全日本スーパーフォーミュラ選手権開幕戦のノックアウト予選が行われた。
まず10分間で争われるAグループのQ1が始まったのは、午後3時05分。この時点で、気温は8℃、路面温度は18℃。空は曇りがちながら、所々に陽が差すようなコンディションとなる。今回、このAグループに振り分けられたのは、山下健太(KONDO RACING)、太田、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、三宅淳詞(ThreeBond Racing)、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、テオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)、大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)、松下信治(TGM Grand Prix)、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)の11名。セッションが開始されると、岩佐を先頭に、笹原、太田、大湯、プルシェールといった順で多くのドライバーがすぐにコースイン。これに対して、松下と山本は、最初からニュータイヤでのアタックを行うべくピットで待機した。コースに出たドライバーは、アウトラップを終えて太田、大湯、可夢偉、三宅、プルシェール、木村がピットイン。岩佐、笹原、山下はもう1周走ってからピットに戻っている。
この頃、セッションの残り時間が7分となったところで、山本と松下がコースイン。続いて、三宅、プルシェール、木村らが続々とコースに入っていった。この時点でコースに入ったドライバーたちは、アウトラップのあと、2周タイヤを温めてからアタックに入る予定を立てていた。一方、残り時間が6分を切ると、太田、大湯、さらに岩佐、笹原がコースイン。こちらはアウトラップのあと、1周タイヤを温めてからアタックに入っている。
その中で、最初にアタックに入ったのは、太田。太田はこのアタックで驚速ぶりを見せ、1分36秒284を叩き出す。これに続いてアタックしていたドライバーたちは、最後まで太田のタイムを上回ることができなかった。2番手には1分36秒450までタイムを伸ばした山本、3番手には1分36秒545をマークした岩佐。以下、ルーキーの木村、松下とトップ5はホンダエンジン勢が独占。朝のフリー走行で好調な滑り出しを見せていた山下が6番手に滑り込み、トヨタエンジン勢としては唯一Q1突破を果たした。一方、わずかな差でQ2進出を逃したのは、可夢偉、プルシェール、大湯、笹原、三宅の5人だった。
予選P.2 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
5分間のインターバルを経て、10分間で争われるBグループのQ1が始まったのは、午後3時20分。今回、このBグループには、小高一斗(KONDO RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、野尻、国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口、Juju(TGM Grand Prix)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)の10名が振り分けられた。セッションが始まると、野尻、坪井、牧野、阪口、小高、国本、福住はすぐにコースに出て行く。一方、大嶋、Juju、佐藤はピットで待機。最初からニュータイヤを装着してアタックする予定にしていた。
その後、セッションが始まって2分という所でコースに出たのはJuju。Jujuは他のドライバーに先駆けてタイヤを温め始め、アタックの準備を進めていった。Jujuが動き始めた頃には、アウトラップを終えた牧野、阪口、小高、福住、国本は一旦ピットイン。野尻と坪井は、もう1周走ってからピットに戻っている。
セッションの残り時間が7分を切った所では、佐藤、小高、牧野がコースイン。他のドライバーたちも続いてコースに入る。そこから2分ほどが経ち、セッションの残り時間が5分あたりとなったところから、坪井と野尻が最後にコースへと入って行った。
この中で、最初にアタックラップに入ったのは福住。福住はチェッカーと同時に1分36秒518というタイムをマークする。しかし、続いてアタックしていた阪口は1分36秒404と、福住を上回ってきた。さらに、坪井が1分36秒472と阪口に続いた。しかし、この後アタックしていた野尻は圧巻の走り。各セクターで全体ベストタイムをマークすると、一気に1分35秒862と、今日初めて35秒台に突入してくる。さらに、牧野が1分36秒296をマークし、野尻に続く2番手に浮上。これに阪口、坪井、福住、最後の最後に6番手に滑り込んだ佐藤までがQ1を突破。一方、小高、大嶋、国本、Jujuは、Q2に駒を進めることができなかった。
Juju(TGM Grand Prix)
10分間のインターバルを経て、いよいよPPを決定づけるQ2が始まったのは、午後3時40分。Q2は通常7分間となっているが、今回は気温・路面温度が低いということで、10分間で行われている。
さて、セッションがオンタイムで始まると、野尻、岩佐、太田、山下、阪口、木村、坪井らは、ユーズドタイヤですぐにコースイン。これに対して、牧野、福住、松下、山本、佐藤はピットでニュータイヤを装着して待機していた。アウトラップを走り終えると、野尻、岩佐、太田、阪口、木村、坪井はピットイン。山下はもう1周走ってからピットに戻った。
ピットに待機していたドライバーたちの中では、セッション開始から3分という所でアウトラップと2周のウォームアップからのアタックを企図していた山本、佐藤、松下がコースイン。さらに、牧野、木村と続く。その1分後には太田もコースイン。残り時間が5分となった所では、阪口、坪井、福住、山下、野尻、そして最後に岩佐がコースに入って行った。この中で、最初にアタックラップに入ったのは、アウトラップと1周のウォームアップを終えた太田。太田はQ1と同様、各セクターで全体ベストとなる好タイムをマークして行く。これに続いてアタックに入ったのが阪口。阪口は、太田のセクタータイムをさらに上回り、抜群のアタックを見せた。コントロールラインを切った太田は1分35秒880と、35秒台に突入。しかし、阪口はこれをコンマ1秒ほど上回り、1分35秒789を叩き出すと、計時モニターのトップに躍り出る。この頃、アタックを行なっていた中では、野尻がセクター1、セクター2で阪口や太田のタイムを上回っており、どんなタイムを刻むのか注目された。しかし、野尻のタイムは伸び悩み、1分35秒926。結局、誰も阪口のタイムには届かず。阪口はシリーズフル参戦4年目にして、嬉しい自身初のPPを獲得した。これに続いたのは、昨年の最終戦を制している太田。Q2に向けてセットアップの調整を少し失敗してしまったという野尻が悔しい3番手。以下、佐藤、山本、山下、福住、牧野、松下、坪井と続き、ルーキー最上位は岩佐の11番手。これに同じくルーキーの木村と続いている。
予選P.3 野尻智紀(TEAM MUGEN)
明日、決勝日の鈴鹿も、冬の寒さが続く予定だが、一体どんなレースが展開されるのか。コース上では熱いバトルが繰り広げられるはずだ。
予選P.4 佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)
予選P.5 山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)