第2回合同テスト 2日目トップタイムは山下健太
2024.07.08
2日目トップタイム
山下健太(KONDO RACING)
酷暑となった七夕から一夜明けた7月8日(月)の静岡県富士スピードウェイ。この日は朝から薄雲が広がったため、午前中こそ陽射しはそれほど強くなかったものの、湿度が非常に高く、午後には陽射しが戻ったため、最後は再び厳しい暑さとなる。そんな中、午前中2時間、午後2時間に渡って、全日本スーパーフォーミュラ選手権 第2回合同テスト2日目のセッションが行われた。初日は、午前・午後ともに、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がトップタイムをマークしたが、2日目のテストを総合トップで締めくくったのは、山下健太(KONDO RACING)。これに岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)と続いている。
ギラギラした太陽が照りつけた7日(日)の富士スピードウェイ。日が暮れてからは風が出て気温が下がり、夜間はエアコンいらずと言っても過言ではないほど、過ごしやすくなった。しかし、8日(月)の朝を迎えると曇りがちながら陽射しが出るタイミングもあり、ジワジワと蒸し暑くなり始める。午前中のセッションが始まった午前9時半の段階で、気温は29℃、路面温度は37℃まで上昇。初日と比べると若干低めとなったが、相変わらず汗ばむようなコンディションのもと、コースがオープンされた。また、早朝はかなり風も強かったが、セッション開始時になると微風に。メインストレートは時々追い風が弱く吹くような状況となった。この日も参加台数は21台。だが、TGM Grand Prixの55号車は、初日の大津弘樹に代わり、大草りきがステアリングを握っている。
さて、セッションが開始されると、まもなくほとんどのドライバーがピットを後にする。ここで序盤から1分23秒台のタイムを刻んだのは、坪井や大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)ら。坪井は計測3周目に1分23秒709、大湯も計測3周目に1分23秒813をマークしてくる。その後、開始から15分という所では、岩佐が1分23秒650をマーク。さらに、その数分後には、野尻智紀(TEAM MUGEN)が1分23秒709をマークした。さらに、ここで自己ベストを更新してきたのは、坪井。坪井は開始20分という所でスクラブタイヤを使用して1分23秒317と、初日の総合トップ3にあたるタイムを速くも記録してくる。これに続いて、1分23秒640をマークしてきたのは、牧野。大湯も1分23秒700と自己ベストを更新、開始から25分という所では阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)も1分23秒874と、23秒台に入ってくる。さらに、開始から約35分という所で、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)も1分23秒974と、やはり23秒台に入ってきた。さらに、その数分後には阪口が自己ベストを更新。1分23秒639までタイムアップしてくる。
2日目2番手タイム
岩佐歩夢(TEAM MUGEN)
一旦タイムを出すと、各ドライバーはピットに戻ってマシンのセットアップを微調整。中には、大きなセット変更を行うため、長時間ピットにステイしていたマシンもあったが、いずれも持ってきたテストメニューを着々とこなして行った。そんな中、セッションを折り返した所でニュータイヤを投入し、トップタイムを書き換えてきたのは岩佐。岩佐は、ここで1分23秒155までタイムを伸ばし、初日の総合トップタイムに迫った。続いて佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)もニュータイヤを投入。1分23秒301と、この時点での2番手に浮上する。さらに、前回のSUGO戦で急遽デビューを果たし、今回のテストが初めてじっくり走行する機会となった平良響(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がやはりニュータイヤで一気に1分23秒557までタイムアップ。木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)もニュータイヤを投入し、1分23秒619と、この時点での4番手に浮上した。その後、残り時間が20分余りとなった所で、大湯がニュータイヤを投入し、1分23秒465までタイムアップしてくる。また、これとほぼ同じタイミングで自己ベストを大きく更新してきたのが、山下。山下はユーズドタイヤながら、ここで1分23秒491までタイムアップしてきた。
そして、残り時間が5分を切ったあたりからは多くのドライバーがニュータイヤを装着してコースイン。ここでアタックシミュレーションを行った。路面温度が上がった影響もあったのか、上手くタイムを伸ばせないドライバーが何名もいたが、その中でまず自己ベストを更新してきたのは、小高一斗(KONDO RACING)。小高は1分23秒450と、一時4番手に浮上する。しかし、続いてアタックしていた大湯がユーズドタイヤながら1分23秒351と、小高のタイムを上回ってきた。さらに、ここで一気にトップに立ったのが、ユーズドの時点から速さを見せていた山下。山下はニュータイヤを装着すると、1分23秒009とここでいよいよ初日の総合トップタイムを上回る。さらに、ニュータイヤの阪口が1分23秒431、スクラブタイヤの野尻が1分23秒371と自己ベストを更新してくるが、いずれも山下のタイムには及ばず。この午前中のセッションでは、山下が首位を堅持。セッション中盤にニュータイヤでタイムを刻んだ岩佐、佐藤と続いた。以下、序盤のタイムで坪井。さらに、大湯、野尻、阪口、小高、木村、平良と続いている。
2日目3番手タイム
坪井翔(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
2時間のインターバルを経て、いよいよ締めくくりとなる最後のセッションが始まったのは、午後1時半から。昼過ぎからはしばらく太陽が顔を出したこともあり、開始時点で気温は33℃、路面温度は44℃まで上昇。ストレートに時折弱い風が吹くぐらいで、ほとんど無風状態の上、午前中同様湿度が高く、非常に蒸し暑いコンディションとなった。セッションが始まると、4分の3ほどのドライバーはすぐさまコースへ。これに対して、小高、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、阪口、大湯、Juju(TGM Grand Prix)らはしばらくピットに待機していた。
このセッションでは、最初の30分間、オーバーテイクシステムを使用することが可能となったが、その中で序盤から好タイムを刻んだのは坪井。坪井はまず1分23秒238というタイムを刻んでくる。続いて、佐藤が1分23秒505、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分23 秒720、野尻が1分23秒946、さらに山下が1分23秒636と23秒台に突入してきた。一旦タイムを出したドライバーたちは、ピットに入るとマシンセットアップを微調整。さらに、テストメニューを進めていく。一方、このセッションの最初から岩佐や平良はロングランテストに入った。平良は22周、岩佐は31周をノンストップで走り込んでいる。最初にタイムを刻んだ佐藤をはじめ、他の何人かのドライバーたちも、そこからはロングランに入った。
これに対して、セッション開始から25分を過ぎたあたり、早い段階で、ニュータイヤを投入したのは木村。木村はこのアタックで1分23秒532をマーク。この時点での3番手に浮上してくる。ほぼ同じタイミングで、程度のいいユーズドタイヤを装着した福住仁嶺(Kids com Team KCMG)も、1分23秒787までタイムアップ、この時点での7番手に浮上した。
2日目4番手タイム
山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)
ここからは各ドライバーともにピットイン、ピットアウトを繰り返しながら、前後足回りなどを中心にセットアップを煮詰めていく。その中で、セッション折り返し前になって、可夢偉がようやくコースイン。これで全車が走行を開始した。この頃になると強い西日が射し始め、暑さも増してくる。湿度は幾分和らいだが、路面温度はぐんぐん上がっていくようなコンディション。残り10分となった所で、気温は33℃と開始時と変わらなかったが、路面温度は49℃まで上昇している。
そして、残り時間が6分を切ったあたりからは、仕上げのアタックへ。ニュータイヤを装着してコースに入ったドライバーたちは、残り時間が2分となったあたりからアタックラップに入った。ここでまず自己ベストを更新してきたのは、大草りき(TGM Grand Prix)。大草は1分24秒375をマークしてくるが、この時点の16番手と思うようにタイムを伸ばせない。これに続いて大嶋和也(docomo business ROOKIE)が1分23秒999をマーク。23秒台に入ってきた。さらに、このアタックで一気にタイムを伸ばしたのが山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)。山本はここで1分23秒271を叩き出して2番手に浮上した。さらに、大湯が1分23秒615、牧野が1分23秒546、野尻が1分23秒510、福住が1分23秒701とそれぞれ自己ベストをマークしたが、セッション序盤に坪井がマークしたタイムを上回るドライバーはいなかった。
2日目5番手タイム
佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)
結果、この最終セッションをトップで終えたのは坪井。これに山本、佐藤、野尻、木村、牧野、大湯、エンジンに問題を抱えたということで最後のアタックを行わなかった山下、福住、太田と続いている。しかし、2日目の総合トップは午前中のタイムで山下。同じく午前中のタイムで岩佐、午後のタイムで坪井が、それぞれ総合2番手、3番手となっている。
この2日間のテストを経て、約2週間後の第4戦ではどんな戦いが繰り広げられるのか? 牧野が2勝目を挙げるのか、山下が久々の優勝を飾るのか? あるいは決勝に向けての準備もしっかり整えた岩佐が初優勝を果たすのか? テストではまだ富士のセットアップを煮詰め切れていないというものの、ポイントリーダーの野尻がそれを跳ね除けるのか。見どころ満載のレースとなるのは間違いない。