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第1回瑶子女王杯(Princess Yohko Cup)記念すべきポール・ポジションは福住仁嶺

2024.07.20

予選ポール・ポジション 福住仁嶺(Kids com Team KCMG)

午前中に行われたフリー走行から3時間余り。午後2時からは、第1回瑶子女王杯 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第4戦富士大会(Princess Yohko Cup Japanese SUPER FORMULA Championship Round4 Fuji Speedway)のノックアウト予選が静岡県富士スピードウェイで行われた。2つのグループに分けて、それぞれ10分間で争われるQ1、Q1を突破した12台によって7分間で争われるQ2を経て、約1年ぶりの開催となる富士でのポールシッターとなったのは、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)。2番手に岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、3番手に大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)と続いている。

サポートレースの予選や決勝を終え、10分間で争われるAグループのQ1が始まったのは、午後2時。今回、ポイントランキング順をもとにしてAグループに振り分けられたのは、小高一斗(KONDO RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、岩佐、平良響(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)、大津弘樹(TGM Grand Prix)、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)の10名。フリー走行の後、富士の空は曇りがちとなり、メインストレートには時折強めの追い風が吹いた。セッションが始まった時点での気温は32℃、路面温度は48℃。フリー走行の最後よりは僅かに涼しいコンディションとなる。そして、コースがオープンされると、岩佐、笹原、牧野、阪口、平良、小高、大津、木村といった順でユーズドタイヤを履いてコースイン。可夢偉は1分経過した所で、フロントにニュータイヤ、リヤにユーズドタイヤを装着し、スクラブのためにコースに入った。この中から、マシンの状態を確認しながらアウトラップを終えると、笹原と牧野がピットイン。その他のドライバーはほとんどがもう1周してピットに戻る。しかし、山本だけはさらにもう1周。タイムを計測してからピットに戻った。また、セッション開始から3分という所で、笹原がフロントにだけニュータイヤを装着してコースイン。スクラブすると再びピットに戻り、リヤにもニュータイヤを装着した。そして、残り時間が4分40秒となったあたりで、4輪ともにニュータイヤを装着した岩佐が再びコースへ。これに続いて、牧野、木村、山本、小高、阪口といった順でコースに入っていく。すでにフロントタイヤをスクラブしている可夢偉は残り時間が3分となった所で、また笹原は2分50秒となった所でコースイン。可夢偉と笹原は、ここからのアウトラップを終えると、他のドライバーに先駆けて、すぐにアタックラップに入った。1周のアタックを終えると、可夢偉がマークしたタイムは1分23秒505。朝のフリー走行のトップタイムはすでに上回っていた。続いてアタックした笹原は、1分23秒392と、可夢偉を上回ってくる。ここからアウトラップとウォームアップラップを走ってからアタックしたドライバーたちが次々にコントロールラインを切って行くが、まずは岩佐が1分22秒780といきなり22秒台に飛び込んでくる。さらに、牧野が1分23秒095、山本が1分23秒178をマーク。しかし、最後まで岩佐のタイムを破ったドライバーはおらず、岩佐はQ1をトップ通過。これに続いた牧野、山本、阪口、笹原、小高までがQ1を突破した。一方、僅差でQ2に駒を進めることができなかったのは、可夢偉、平良、木村、大津となっている。

予選2番手 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)

5分間のインターバルを終えて、10分間で争われるBグループのQ1が始まったのは、午後2時15分。今回、Bグループには、山下健太(KONDO RACING)、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、福住、三宅淳詞(ThreeBond Racing)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、大湯都史樹、Juju(TGM Grand Prix)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)の11名が振り分けられた。セッションが始まると、野尻を先頭に坪井、太田、大湯、山下、国本といった順で、全ドライバーがすぐにユーズドタイヤでコースイン。アウトラップを終えて、太田と福住、三宅はピットに戻る。その他のドライバーたちは、そのまま走行。インラップを終えると、野尻や坪井、大湯らほとんどのドライバーがピットに戻った。これに対して、佐藤はさらにもう1周走り、タイムを刻んでからピットに戻っている。また、セッション開始から4分という時点では、坪井がフロントにニュータイヤを装着してコースイン。スクラブすると再びピットに戻り、リヤをニュータイヤに交換した。そして、残り時間が5分となった所で、野尻が4輪ともにニュータイヤを装着してコースイン。続いて、Juju、大湯、国本、山下といった順で、いずれも少しずつ間合いを計ってコースに入って行く。残り時間が3分20秒となった所で、最後にコースに入ったのが、坪井。坪井は、チームメイトの笹原と同様、アウトラップを終えるとすぐプッシュする作戦を採っており、真っ先にアタックに入った。ここで坪井がマークしたタイムは1分23秒252。続いてアウトラップ、ウォームアップラップを終えてアタックに入った野尻が1分23秒306をマークするが、坪井にはわずかに及ばない。しかし、チェッカー目前に、大湯が1分23秒078と坪井を上回ってきた。さらに、チェッカーが提示された所で一気にトップに立ったのが福住。「朝のフリー走行中に、いいセットを見つけて手応えがあった」という福住は、1分22秒963と22秒に突入してくる。その後、福住のタイムを破ったドライバーはおらず、福住はQ1をトップ通過。これに大湯、テストから好調だった山下、坪井、野尻、太田と続き、ここまでがQ1を突破した。一方、僅かな差でQ2進出を逃したのは、佐藤、国本、大嶋、三宅、Jujuとなっている。

予選3番手 大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)

10分間のインターバルを経て、いよいよPPを決する7分間のQ2が始まったのは、午後2時35分。コースがオープンされると、坪井と笹原はフロントにニュータイヤを装着してすぐコースイン。Q1と同様、フロントをスクラブしてピットに戻ると、リヤもニュータイヤに交換した。また、阪口、山下、小高、山本もセッション開始すぐにユーズドタイヤでコースイン。ユーズドタイヤでマシンの状態を確認してピットに戻る。その他のドライバーたちは、最初からニュータイヤを装着して、コースインの時を待った。そして、開始から2分、残り時間5分という所で真っ先に動いたのは岩佐。これに野尻、牧野、阪口、福住、太田といった順でコースに入って行く。一方、アウトラップからすぐにアタックに入る予定の坪井と笹原は待機。残り時間が3分となった所で、コースに入った。Q2に進出した12名の中で、最初にアタックに入ったのは、坪井。残り時間が1分半ほどとなったところからアタックに入った坪井はここで1分22秒573とQ1の自己ベストをコンマ7秒ほど上回ってくる。続く笹原はチェッカーと同時に1分23秒336をマークしたが、坪井を上回ることができない。これに対して、アウトラップとウォームアップを走ってからアタックに入った岩佐が1分22秒560と、Q1での自己ベストをコンマ2秒ほど更新して坪井を上回り、トップに立つ。続く野尻は1分22秒792、牧野は1分22秒749といずれも22秒に入ったが、岩佐と坪井には届かなかった。しかし、これに続いてコースを疾駆していた福住が会心の一撃。福住は1分22秒543と、岩佐のタイムを0.017秒上回り、トップに立つ。その後、アタックしていたドライバーはいずれも福住のタイムを上回ることができず、福住はKids com Team KCMG移籍後初のPPを獲得。チームにとっても国内トップフォーミュラ参戦15年目にして、初のPP獲得となった。これに続いたのは岩佐。また、岩佐に対してわずかに0.011秒差というタイムを刻んだ大湯が、坪井を0.002秒上回り3番手に滑り込んだ。結果、福住、岩佐、大湯の3人は予選ポイントをそれぞれ獲得。以下、坪井、太田、牧野、野尻、山下、山本、小高、笹原、アタックラップのセクター3で電気系のトラブルからギヤがスタックしてそのままピットに戻り、まともにタイムを刻めなかった阪口という結果になっている。

明日の決勝レースでは、今季初のPPから福住がそのまま逃げ切るのか? あるいは、合同テストで決勝シミュレーションまでを終えている岩佐が初優勝を果たすのか。あるいは大湯や坪井が強さを見せるのか。スタートから、最後まで目が離せない展開となるのは間違いない。

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