第5戦 FP.2は大津弘樹がトップタイム
2024.08.25
FP.2 トップタイム 大津弘樹(TGM Grand Prix)
前夜、関東・甲信地方を激しいゲリラ雷雨が襲ったものの、その後は天候が回復傾向となった8月25日(日)。栃木県モビリティリゾートもてぎも、曇り空ながらうっすらと陽が差すような朝を迎えた。そのコンディションのもと、午前9時10分からは30分間に渡って、全日本スーパーフォーミュラ選手権のフリー走行が行われている。路面に一部ウェットパッチが残っていたため、ウェット宣言が出されたこのセッション。しかし、実際の走行は全車がスリックで行った。その中で、トップタイムをマークしたのは、もてぎでの優勝経験を持つ大津弘樹(TGM Grand Prix)。2番手には木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)、3番手には国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、4番手には大嶋和也(docomo business ROOKIE)と続いている。
昨日の予選後に、一部のピットが冠水するほど激しい雷雨に見舞われたもてぎ。しかし、午後7時頃までには雨が小降りとなり、そこからは天候が回復傾向となった。25日(日)の朝には、周囲の道路もドライアップ。サーキットのコースもほぼ乾いた状態となっている。また、前日と比べれば気温、湿度ともに低く、しのぎやすい天候となった。そんな中、午前9時10分からは決勝に向けてのマシンセットアップを仕上げるために大切な30分間のフリー走行が行われた。セッション開始時点での気温は27℃、路面温度は33℃。路面の一部にウェットパッチが残っていたことから。セッション前にはウェット宣言が出された。コースがオープンされると、野尻智紀(TEAM MUGEN)、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)といった順で、まもなくほとんどのドライバーがコースイン。坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)だけは少しピットに待機してから、コースに入っていった。
多くのドライバーは、アウトラップを終えるとピットイン。ピットレーン出口でスタート練習を行う。同じタイミングで半分以上のドライバーがスタート練習をしたため、ピットロードには練習待ちの大行列も見られた。その後、各ドライバーは本格的な走行に入る。開始から7分ほどというところでは、大津が1分34秒322、さらに1分34秒199と34秒台のタイムを連発。これがセッションのトップタイムとなっている。続いて、セッション開始から10分というあたりでは、国本が1分34秒687をマークし、大津に続く。大嶋も国本がタイムを出してまもなく、1分34秒853と34秒台のタイムをマーク。さらに、セッション折り返しの頃には、木村が1分34秒534をマークして、大嶋、国本を上回り、2番手に浮上した。その後、セッション上位のタイムに大きな変更はなかった。
FP.2 2番手 木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)
一方、予選上位のドライバーたちは、精力的に連続周回。この連続走行で序盤から好タイムを並べたのは、予選8番手の坪井。坪井は計測3周目に1分35秒047、4周目に1分35秒050、5周目に1分35秒272、6周目に1分35秒035、1分35秒071と非常に安定して速いペースを刻んでいる。また、坪井と同様、連続走行のペースがかなり安定していたのは、予選5番手の牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。牧野はセッション前半こそ1分35秒台後半から36秒台のタイムを刻んでいたが、一旦ピットに入った後は、計測11周目に1分35秒624、12周目には1分35秒593、13周目には1分35秒331、14周目には1分35秒632、15周目には1分35秒685をマーク。そこまで大きくタイムが落ち込むこともなかった。また、予選6番手の山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)もまずまずの仕上がり。山本は、計測3周目に1分35秒748をマークした後、4周目には1分35秒158、5周目には1分35秒749、6周目には1分35秒454、7周目には1分35秒594、8周目には1分35秒709、8周目には1分35秒597、9周目には1分35秒869をマーク。周によって多少バラつきはあったが、タイムの落ち込みはそこまで大きくなかった。山本は一旦ピットに入った後も、1分35秒台中盤のタイムを続けて出している。一方、PPの山下健太(KONDO RACING)は、計測3周目に1分34秒885をマークすると、4周目には1分35秒179、5周目には1分35秒347、6周目には1分35秒496、7周目には1分35秒781、8周目には1分35秒945、9周目には1分36秒088と、少しずつタイムが落ち込む。予選2番手の太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は計測3周目に1分35秒751、4周目に1分35秒585、5周目に1分35秒389とタイムを上げて行ったが、その後は6周目に1分35秒725、7周目に1分36秒083、8周目に1分36秒006とタイムを落とす。9周目には1分35秒701まで戻して一旦ピットイン。再び走り始めると、1分35秒台後半のタイムを続けてマークしたが、その仕上がりが気になるところだ。また予選3番手の大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)は計測3周目に1分35秒245をマークすると、4周目には1分35秒389、5周目には1分35秒791、6周目には1分35秒790、7周目には1分36秒082、8周目には1分36秒062、9周目には1分36秒108。一旦ピットに入った後も、タイムは1分36秒台から37秒台。連続周回でのタイムの落ち込みが見られた。予選4番手の野尻智紀(TEAM MUGEN)も1分35秒台後半から36秒台での走行と、決して本調子とは言えない結果となっている。
FP.2 3番手 国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
このセッションでは誰がどれだけ燃料を積み、何ラップしたタイヤで走っているのかが分からないため、実際に決勝で速さを見せるのが誰になるかは蓋を開けなければ何とも言えない。決勝までのインターバルには、各チーム、各ドライバーがデータに基づいてセットアップも変更してくるはずだ。それでも、各ドライバーの朝のラップペースを見ると、レース中に各所でポジションの入れ替わりが起こりそうな予感。スタートから波乱が起きる可能性もあるだろう。