「今日は勝負に負けたかなと思っていて、太田(格之進)選手のレースだったと思います」第5戦決勝公式記者会見
2024.08.25
決勝 優勝 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELIION RACING)
「今日は勝負に負けたかなと思っていて、太田(格之進)選手のレースだったと思います。残り3周で仕掛けて90度コーナーまで並走していったんですけど、そこで決め切れなかったですし、OTS(オーバーテイクシステム)もほぼほぼ使い切っていて6秒くらいしか残っていなかったので、勝負には負けたのかなと思っています。
山下(健太)選手に対して、絶対にアンダーカットしないといけないと思っていたので、それは事前に言っていました。ピットインを引っ張る場合、残り10周ぐらいまで引っ張るのが普通だと思うんですけど、残り15周という少し早いタイミングで入りました。その分、残りが厳しくなるかなと思っていたんですけど、まずは山下選手の前に出ることがひとつの目標だったので、戦略的にはやれることはやったかなと思っています。
1-2(フィニッシュ)できる可能性は目の前まであったと思いますし、僕としては2位だったと思うので、悔しいレースになったかなと。今も正直、“負けた”という感情の方が強いんですけど、チームとしては総合的に見てもかなりレベルアップできたと思いますし、残り2大会4レースで僕たちが主導権を握れるんじゃないかなという手応えがあったので、次戦以降もふたりで、チームで頑張っていきたいと思います」
決勝 2位 山下健太(KONDO RACING)
「牧野(任祐)選手と太田(格之進)選手には『完敗』だなというレースでした。朝のフリー走行の感じからも“速くはないな”と思っていたので、今日は厳しいレースになると思っていました。でも、スタートは決めようと思っていましたし、コース上で抜かれるのは“ダサイ”ので、それだけはないようにと思って走っていました。
太田選手の方がミニマム付近の速さがあって、多分、ミニマムで動くんじゃないかなという雰囲気を感じていたんですけど、そのとおりになって、そこで自分がカバーしにいくかどうかというところが今日のポイントだったと思います。自分的にはカバーした方がいいんじゃないかなと思っていたんですけど、エンジニアとチームと相談した結果、引っ張るということになりました。牧野選手が真ん中くらいでピットに入ったので、それをカバーしにピットに入ったんですけど、自分がズルズル過ぎてアンダーカットされてしまいました。そもそもレースペースが足りなかったので、今日できることはやったとは思っているんですけど、勝つにはまだ全然足りないなというのが今日のレースの印象でした。
今回ポールポジションを獲れましたけど、次の富士で同じようなパフォーマンスを出せるとはまったく思っていないので、予選でもう一度前にいけるように考えて、次の富士に臨みたいと思います」
決勝 3位 野尻智紀(TEAM MUGEN)
「今大会もダメージリミテーションというか、そういうレースをせざるを得なかったというところが、今の自分たちの立ち位置を示しているなと思っています。ランキングトップはなんとか維持できたものの、最近は牧野(任祐)選手の方がパフォーマンス高いレースが多いなとチームともども思っていますし、次の富士に向けて、なにかしら自分たちの武器を形にしていかないとタイトルどうこう言える立場にないんじゃないかという危機感はあります。
今週は走り始めからよくなかったなかで、こういったポジションで、自分たちのなかではこれ以上ない週末を終えられたかなという実感はありますし、しっかりポイントも獲れたというのはほかの選手に対してのプレッシャーになるかと思います。ただ、やっぱり自分たちの武器が最後の最後に効いてくると思うので、そこをしっかりと自分たちで分析して、自分たちの強さ・武器を次までに用意したいと思います。
富士の2連戦は私たちにとって鬼門になっているんですが、そこで優勝できなかったらチャンピオンは遠のくと思いますので、次の富士が大きな山場なんじゃないかなと思っています。優勝できるように頑張ります」
優勝チーム・プリンシパル 村岡潔
「勝って嬉しいんですけど、人間は欲深いからこそ“次も勝とう”と思うのがひとつで、できれば1-2は獲りたかったなと思います。
そこで勝ち残った方が立派なドライバーだと思いますし、負けた太田(格之進)くんも次のために、これを活かせるようにするしかないですよね。勝負の世界ですから。彼は“2位よりも……”ということを考えた結果だと思います。今後いろいろなことを経験するなかで、チャンピオンを獲るためにはどういう判断が必要だとか、このレースを勝つためにどうするかということはお互いに十分に分かっていてもあの戦いをした結果ですから、それはチームとか誰かがコントロールできるものではないですし、その結果、あれだけお客さんに楽しんでもらったということで、それ以上の収穫はなにもないですから、監督冥利に尽きますね。
できれば、このままうまく(1-2で)いけばいいなと思っていましたけど、残り10周を切ったところで無線で『クリーンファイトで』と両方に言いました。それは事前にも(話していたことで)『今シーズンはチャンピオンを獲りにいこう。必ずそういうシーンがあるから、その時はクリーンファイトで任せる』と。ただ、その時はチームとしてホンダとして1-2はどうしても欲しいから必ずもってきてくださいという話のもとで戦った結果ですから、どちらが悪いというわけではないですし、(太田選手は)トラブルでのリタイアですから。チームとしてはきちんとクルマを作って、次のレースにドライバーを送り出すことが大事かなと思いました」