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2024年 第6戦・第7戦 富士スピードウェイ大会 レースプレビュー

2024.10.07

瑶子女王杯 第4戦 富士スピードウエイ大会のスタートの様子
 
8月24日(土)〜25日(日)に栃木県モビリティリゾートもてぎで行われた第5戦。牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)の今季2勝目という結果で幕を閉じたこのレースから、約1ヶ月半という長いインターバルを経て10月12日(土)〜13日(日)に、全日本スーパーフォーミュラ選手権 第6戦・第7戦が行われる。今回の舞台となるのは、静岡県富士スピードウェイ。今シーズン初の1大会2レースとなるが、そこにはどのようなドラマが待っているのか。
 
さて、1大会2レースのダブルヘッダーということで、今回は通常の大会とは走行のフォーマットも違う。週末の予選・決勝に向けて、11日(金)の午後1時40分からは90分間に渡ってフリー走行が設定されている。この90分間で、各チーム&ドライバーは、本番に向けてのマシンセットアップを仕上げていくことになる。富士では7月初旬に合同テストが行われ、同じく下旬にはシリーズ第4戦も行われているが、その時とは気温・路面温度などコンディションが大きく違うため、合わせ込みが必要だ。ちなみに、合同テストでは、現在ランキングでも上位につけている牧野や山下健太(KONDO RACING)らの調子が非常に良く、彼らはその後も好調を維持している。また、第4戦の富士を制した坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)はどこのサーキットでも決勝ペースの良さが出色。彼らがランキングトップの野尻智紀(TEAM MUGEN)とどのような戦いを見せるのかが、今回の1つの注目点だ。一方、前回の富士でPPを獲得した福住仁嶺(Kids com Team KCMG)や表彰台に上がっている大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、また前回のもてぎではあと少しで優勝だった太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)をはじめ、今季ここまで勝利こそないものの、随所に光る速さを見せているドライバーたちがシリーズ後半戦に入って、どのようなレースを見せるのかがもう1つの見所。ここまでの5戦で勝者はまだ3名だが、今回の富士では4人目、あるいは5人目の勝者が生まれる可能性もある。それだけに、金曜日の走行は重要なセッションとなってくるのだ。
 
ランキング2位 53pts. 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

 
ランキング3位 43.5pts. 坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)

 
そして、土曜日、日曜日ともに、午前9時から行われるのがノックアウト予選。前日とコンディションが変わっていようとも、朝の走り始めがいきなり予選ということで、ドライバーにとっては一発勝負となる。2グループに分かれて行われるQ1では、最初にマシンのバランスを確認することもできるが、大きくセット変更をする時間はなく、走り始めの状態で各ドライバーはタイムアタックを行わなければならない。気温・路面温度もこれまでよりは低く、アウトラップとウォームアップラップを走ってからアタックに入るのが定石。その分、時間的にかなりタイトだからだ。金曜日の走行を経て、各チームが予選でどのようにクルマを仕上げてくるのか。また、ほぼぶっつけ本番の予選で、どのドライバーが理想的にタイヤを温め、完璧なラップを刻むのか。土曜日と日曜日では、結果も違ってくる可能性が大きいが、タイトル争いを視野に入れているドライバーたちにとっては、予選トップ3に与えられるポイントが非常に重要。その分、タイムの争いも熾烈となってくるはずだ。
 
ランキング1位 58pts. 野尻智紀(TEAM MUGEN)

 
決勝は、両日とも午後に行われ、いずれも41周(最大75分間)での戦い。もちろん、最初の見所はスタートだ。ただし、富士はメインストレートが長く、TGRコーナー(第1コーナー)からコカ・コーラコーナーにかけて、ダンロップコーナーの飛び込みから立ち上がりにかけて、また第3セクターのGR Supraコーナー立ち上がりからパナソニックコーナーの進入にかけてと、オーバーテイクポイントも随所にある。そのため、決勝でのセットアップの仕上がりが良ければ、ポジションを上げていくことも可能だ。今回も、各ドライバーが計200秒ずつ、オーバーテイクシステム(OTS)を使用することができるため、序盤からOTSを使った争いも見られるだろう。また、ドライコンディションであれば、今回も4輪のタイヤ交換が義務付けられる。交換のウィンドウは、先頭車両が10周目(9周終了後10周回目に入った周回を指す)の第1セーフティーカーラインを超えてから、最終周回に入る前まで。路面温度が低くなっていることから、夏場よりはタイヤを長く保たせられるため、作戦には幅が生まれてくるはずだが、今回は誰が何周でピットロードに滑り込むのか? アンダーカットを狙って早目に入るのか、オーバーカットを狙って引っ張る作戦に出るのか。各ドライバーのペースやタイム差などを見ながら展開を予想するのも、観戦の楽しみの一つとなるだろう。
 
秋の行楽シーズンということで、「SUPER FORMULA AUTUMN FESTA」と称して場内では様々なイベントも用意されている今大会。その上、予選・決勝が2回あるということで、家族連れで大いに楽しめる連休となるのは間違いない。

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