第6戦 予選 福住仁嶺がポール・ポジションを獲得
2024.10.12
第6戦 予選1位
福住仁嶺(Kids com Team KCMG)
「スポーツの日」を含め、10月唯一の連休となる今週末。その初日となる10月12日(土)には、静岡県・富士スピードウェイで、全日本スーパーフォーミュラ選手権・第6戦が行われる。この日、最初のセッションとなったのは、午前9時から行われたノックアウト予選。そこで第4戦・富士に続いてPPを奪ったのは、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)。前戦・もてぎでトラブルによって目前の優勝を逃した太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がわずか1000分の4秒差で2番手、さらにここまでランキングトップの野尻智紀(TEAM MUGEN)が3番手。以下、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、前日のフリー走行でトップだった佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)と続き、現在ランキング2位の牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は9番手に留まっている。
金曜日に続いて朝から秋の透き通った陽射しに恵まれた12日(土)の富士スピードウェイ。早朝には、初冠雪前の富士山もくっきりと姿を現し、絶好のレース日和となった。そんな中、午前9時からは気温19℃、路面温度25℃というコンディショナのもと、ノックアウト予選が開始。まずは2組に分けて行われるQ1のAグループによる10分間のセッションが始まった。今回、ポイントランキング順をもとにAグループに振り分けられたのは、山下健太(KONDO RACING)、牧野、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、岩佐、国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)、大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、大津弘樹(TGM Grand Prix)、佐藤の10人。ピットロード出口がオープンされると、岩佐を先頭に、笹原、牧野、大湯、国本、山下、佐藤らはすぐにユーズドタイヤでコースイン。これに対して、大津は最初からニュータイヤを装着して、ピットに待機していた。コースに出たドライバーは、ほとんどがアウトラップを終えるとピットイン。各車ニュータイヤに履き替えた。唯一、大湯だけはもう1周走ってからピットに戻り、ニュータイヤへの交換を行っている。一方、セッション開始から3分という所で真っ先にニュータイヤでコースに入ったのは大津。これに岩佐、佐藤と続く。さらに、その30秒ほど後には、大嶋、国本、山下、牧野、笹原がコースイン。他のドライバーよりも1周多く走った大湯は、セッションの残り時間が6分となった所でコースへ。そして、残り時間が5分半となった所で、可夢偉が最後にコースに入っていった。路面温度が低かったこともあり、ここから各ドライバーはアウトラップ、2周のウォームアップラップを走る。そして、残り時間が2分余りとなった所で、まずは大津がアタックに入った。チェッカーの少し前にコントロールラインを通過した大津のタイムは1分22秒472と、すでに前日のフリー走行で佐藤がマークしたトップタイムをコンマ3秒ほど上回っていた。続いてアタックしていた岩佐は、大津と全く同じ1分22秒472というタイムを刻むと、さらにもう1周アタックを続行。これに続いてアタックしていた佐藤は、1分22秒207と大津と岩佐を上回ってくる。しかし、4番目にアタックした牧野が圧巻の走り。牧野はここで1分21秒960と、唯一21秒台のタイムを叩き出した。その後も、牧野のタイムを上回ったドライバーはおらず、牧野はQ1をトップ通過。佐藤が2番手でそれに続く。Q1で3番手となったのは、2周目のアタックで1分22秒350までタイムアップした岩佐。これに大津が続き、トップ4はホンダエンジンユーザーが独占した。これに続いたのは、笹原と可夢偉。トヨタエンジンユーザーとしては、この2人だけがQ1を突破している。一方、Q2進出を逃したのは、山下、大嶋、大湯、国本の4名だった。
第6戦 予選2位
太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
5分間のインターバルを経て、同じく10分間で行われるBグループのQ1が始まったのは、午前9時15分。今回、Bグループに振り分けられたのは、小高一斗(KONDO RACING)、太田、福住、三宅淳詞(ThreeBond Racing)、野尻、ニック・デ・フリース(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、坪井、阪口、木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)、Juju(TGM Grand Prix)、山本の11人。ピットロード出口がオープンされると、野尻を先頭に坪井、太田、阪口、デ・フリース、小高、山本、福住、木村といった順で多くのドライバーがすぐにユーズドタイヤでコースイン。一方、三宅とJujuは最初からニュータイヤを装着して、ピットロードに待機していた。コースに出たドライバーたちは、アウトラップを終えると全車ピットイン。ニュータイヤへの交換を行う。それに対して、セッション開始から3分という所では、Jujuと三宅が他に先駆けてニュータイヤでコースイン。これに続いて他の多くのドライバーたちもコースに入る。残り時間が6分という所まで待って、最後にコースに向かったのが坪井だった。Bグループでも、ドライバーたちはアウトラップと2周のウォームアップを走ってからタイムアタックへ。残り時間が2分半を切ったあたりで、まずはJujuがアタックに入り、三宅がそれに続いた。コントロールラインを切ったJujuは、ここで1分24秒110と、前日に出していた自己ベストを更新。続いてアタックしていた三宅は、1分22秒875と22秒台に入ってくる。3番手でアタックした山本は1分22秒447でトップに浮上。続く木村と国本は23秒台のタイムに留まった。さらに、ここで野尻が1分22秒416と、トップタイムを更新。野尻はさらにもう1周、アタックを続行する。また最初のアタックラップ、TGRコーナー(第1コーナー)のブレーキングでコースオフしたのが太田。太田はチェッカー目前にコントロールラインまで戻ってくると、ここから仕切り直しのアタックに入った。そして、チェッカーが提示されると坪井が1分22秒247をマークして、それまで野尻がマークしていたタイムを上回ってくる。しかし、野尻はアタック2周目にさらにタイムを更新。1分22秒089を叩き出し、トップを奪い返してQ1を突破。坪井がこれに続いた。3番手には山本、4番手にはチェッカーと同時にタイムを刻んだ阪口。さらに、仕切り直しのアタックを成功させた太田が5番手、福住が6番手でQ1を通過している。これに対して、わずかな差でQ2進出ならなかったのは三宅、木村、デ・フリース、小高、Jujuだった。
第6戦 予選3位
野尻智紀(TEAM MUGEN)
10分間のインターバルを経て、いよいよPPを決定づける7分間のQ2が始まったのは、午前9時35分。セッションが始まるとすぐに、野尻、岩佐、阪口、大津、福住がコースイン。開始から1分ほど待って、坪井、笹原、牧野、山本、佐藤、太田、可夢偉といった順でコースへと入っていく。しかし、真っ先にコースに入った野尻と岩佐は非常にゆっくりしたペース。アウトラップでは阪口と大津がこの2台をかわす。大津はさらに自分のペースでタイヤを温めるべく、ウォームアップ1周目には阪口もパス。Q1と同様、各ドライバーともにアウトラップと2周のウォームアップを行ってからアタックに入ったが、真っ先にプッシュを開始したのは大津だった。これに続いたのが阪口。さらに、岩佐、野尻、福住と続く。大津は、残り時間が1分半ほどとなった所からタイムアタックへ。チェッカー目前にコントロールラインを切った時には、1分22秒281とQ1での自己ベストを更新してくる。続いてアタックしていた阪口はQ1の自己ベストをコンマ5秒以上更新する1分22秒011をマーク。ここでチェッカーが提示された。その直後にコントロールラインを切ったのは岩佐。岩佐は1分21秒946と、21秒台に突入して、この時点でのトップに浮上。しかし、続いてアタックしていた野尻が1分21秒875と岩佐を上回り、さらには福住がQ1の自己ベストを1秒近く更新する1分21秒726を叩き出してトップに浮上する。その後にアタックしたドライバーたちは、多くが1分22秒台のタイムに留まった。だが、最後の最後にアタックを敢行した太田が各セクターで好タイムを刻み、1分21秒730をマーク。福住までわずか1000分の4秒まで迫った。しかし、最終的には誰も福住のタイムを上回ることができず、福住は同じ富士スピードウェイで行われた第4戦に続き、今季2回目のPPを獲得。2番手には太田、3番手には野尻と続いている。ポイントランキングで野尻を追う牧野はアタックラップでミスがあり9番手、坪井は7番手、山下は13番手。決勝では、ここからどのような展開になるのか。PPの福住は今回こそ優勝を果たすのか、あるいはもてぎで涙を流した太田が勝利の美酒を味わうのか。はたまた野尻がベテランらしいレースを見せて逆転するのか。もちろん前回の富士を制している坪井、今季流れを持っている牧野をはじめ、他のドライバーたちも目指すは表彰台のてっぺん。スタートから激しい争いが展開されるはずだ。