引退を表明した山本尚貴がトップタイム! 最終大会金曜専有走行
2024.11.08
専有走行トップタイム 山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)
立冬を過ぎた途端、強い寒気が流れ込んだ日本列島。一気に季節が進む中、11月8日(金)〜10日(日)にかけて、三重県鈴鹿サーキットでは、今季の全日本スーパーフォーミュラ選手権を締めくくる最終大会が行われる。今大会は9日(土)の第8戦、10日(日)の最終戦JAFグランプリという2レース制。両日ともに午前中に予選、午後から決勝というスケジュールになっている。それに先立ち、8日(金)には、午後2時25分から90分間のフリー走行が行われた。このフリー走行でトップタイムを奪ったのは、今大会でスーパーフォーミュラからの引退を表明した山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)。2番手には、現在ランキング4位の岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、3番手にはランキング2位の牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がつけている。以下、4番手には佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)、5番手には山下健太(KONDO RACING)。ランキングトップの坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)は6番手、ランキング3位の野尻智紀(TEAM MUGEN)は7番手でセッションを締めくくった。
専有走行2番手 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)
朝から陽射しに恵まれた鈴鹿サーキット。前日に吹いていた強い北風もおさまり、日向ではポカポカと過ごしやすい1日となっている。そんな中、午後2時25分からフリー走行が開始される。この時点で気温は19℃まで上昇。路面温度も27℃となっていた。セッションが始まると、多くのドライバーはすぐにコースイン。持ち込んだクルマのセットアップを確認していくが、この中で序盤から好タイムを刻んだのは佐藤。佐藤は開始からわずか10分という段階で1分40秒018をマークする。またその2分後には、牧野も1分40秒438と40秒台に入ってきた。最初のプッシュラップを終えると、各ドライバーはピットに戻ってマシンを微調整。再びコースに戻って走行し、セットアップを煮詰めていく。その作業を繰り返していく中、セッション開始から25分というところでは、山本が1分39秒692と真っ先に39秒台に入ってくる。さらに、佐藤も山本を上回る1分39秒509をマークして、PONOS NAKAJIMA RACINGの2台が仕上がりの良さを感じさせた。
専有走行3番手 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
その後、セッションが中盤に差し掛かり、開始から36分となったあたりでは、予選シミュレーションを行った木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)が一気にタイムアップ。木村は、ここで1分38秒831と、今日初めて1分38秒台に突入。その10分ほど後には、岩佐が木村を上回る1分38秒723、山本が1分38秒781をマークして、こちらも38秒台に入ってきた。他のドライバーたちも次第に自己ベストを更新。牧野が1分39秒236、大嶋和也(docomo business ROOKIE)が1分39秒211、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)が1分39秒047、佐藤が1分39秒250とタイムを上げてくる。そんな中、セッション開始から1時間10分を過ぎたところでアタックラップに入り、大きく自己ベストを更新しそうだったのが、坪井。坪井はセクター1で全体ベストを書き換えると、セクター2、セクター3と自己ベストを刻んだ。ところが、ここで赤旗が提示され、セッションは中断される。これは三宅淳詞(ThreeBond Racing)が2コーナー立ち上がりでスピン、アウト側の芝生の上にストップしたためだ。
三宅のマシン回収が終わり、セッションが再開されたのは、午後3時43分。残り時間は12分となった。そのため、再開されるとすぐに半分ほどのドライバーはコースイン。残るドライバーたちも残り時間が7分を切ったあたりからニュータイヤでコースに入り、最後のタイムアタックシミュレーションを行う。この時点でも気温は18℃、路面温度は25℃。セッション開始時と大きくは変わらず、安定したコンディションの中で各ドライバーはアタックを遂行した。この中で、残り1分30秒というあたりからアタックに入ったのは、赤旗前までトップに立っていた岩佐。岩佐はこのアタックで、各セクター全体ベストをマークし、1分37秒523というタイムを叩き出した。自己ベストを約コンマ8秒更新し、この時点でもトップに立つ。続いてアタックしていた阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)は、1分37秒990。チェッカーとともにタイムを刻んだ福住は1分37秒926、坪井は1分37秒749、山下は1分37秒748、牧野は1分37秒525。いずれも岩佐のタイムには届かなかった。しかし、これに続いてアタックした山本がほとんどのセクターで全体ベストを更新。1分37秒360とトップタイムを叩き出す。その後、山本のタイムを上回ったドライバーはおらず、山本は引退レースを前に速さをアピール。金曜日からサーキットに足を運んだ熱心なファンの前で、印象的なラップを刻んだ。これに続いたのは、岩佐、牧野、佐藤、山下、坪井、野尻、福住。以下、阪口、大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)と続いている。
専有走行6番手 ランキング・トップ坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)
明日、午前9時05分から行われるノックアウト予選では、この勢いのまま山本がPPを獲得するのか。あるいはタイトルに望みを繋いでいる岩佐が今季2度目のPPをもぎ取るのか。あるいは、ランキング上位3人の坪井や牧野、野尻が強さを発揮するのか。Q1からギリギリのタイムアタック合戦が繰り広げられることとなる。
専有走行7番手 野尻智紀(TEAM MUGEN)