テスト2日目は牧野・太田のダンディライアン勢が最速
2024.12.13
2日目総合トップ
牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
前日に続き、好天に恵まれた12月12日(木)の鈴鹿サーキット。この日も全日本スーパーフォーミュラ選手権の合同テスト&ルーキードライバーテストが行われた。2日目となったこの日のテストでは、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が総合トップタイムをマーク。これに初日を欠場した太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が続いた。太田は午前中のセッションから速さを発揮し、最後のアタックでも牧野と僅差の2番手。11月に行われた第8戦&最終戦・JAFグランプリで2連勝を果たした力をいかんなく見せている。さらに、3番手には阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、4番手には野尻智紀(TEAM MUGEN)。この4人が1分35秒台のタイムをマークしている。
初日と同様、この日最初のセッションが始まったのは午前10時。夜間の冷え込みが厳しかったため、セッション開始時の気温は11℃、路面温度は16℃と、初日よりいずれも2℃ほど低かった。また、メインストレートには軽い追い風が吹いている状況となっている。セッションが始まると、多くのドライバーがすぐにコースイン。初日は欠席だった太田、岩佐歩夢(TEAM MUGEN) も今年のレギュラーシートに戻ってきた。これに対して、2日目はルーキードライバーを起用したチームも複数あり、KONDO RACINGの3号車にはジェームス・ヘドリー、4号車にはファン・マニュエル・コレア、Kids com Team KCMGの7号車には野中誠太、8号車には小山美姫、ITOCHU ENEX TEAM IMPULの19号車にはオリバー・ラスムッセンが乗り込んだ。そのルーキーの中で、コースインしてすぐにヘアピン立ち上がりでスピンを喫してしまったのが、コレア。そのため、セッションは開始からわずか2分というところで赤旗によって中断される。このマシンの回収が終わると、セッションは午前10時13分に再開された。
ここから各ドライバーは本格的な走行に入り、晴南が1分37秒809、大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が1分37秒987、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が1分37秒314と、多くのドライバーたちが序盤から37秒台のタイムを刻む。その中で、再開から約10分というところで、一気に1分36秒604と、36秒台に入ってきたのは初日に総合トップタイムをマークしていた佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)だった。
佐藤がトップタイムをマークした直後、セッションは2回目の赤旗によって中断される。これはまだタイヤが温まり切っていなかった小出峻(San-Ei Gen with B-Max)が2コーナー立ち上がりでスピン、クラッシュしたため。小出のマシンはリヤウィングと右リヤの足回りにダメージを負った。このマシンの回収が終わり、セッションが再開されたのは午前10時36分。そこから各ドライバーは再び走行を開始。レギュラー陣は持ってきたテストメニューをこなしていく。また、ルーキーたちも少しずつ自己ベストを刻み始めた。ルーキーの中では、野中がセッションを折り返す頃、真っ先に1分40秒を切り、1分39秒115をマーク。ラスムッセンも1分39秒492までタイムを伸ばす。同じルーキーながら、今年開発車両のテストドライバーを務め、今回のテストではフルに3日間走ることになっている高星明誠(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)も1分37秒802とこの時点での5番手に浮上してくる。また、残り時間が40分を切ったあたりでは、コレアが1分40秒237、1分39秒953と続けて自己ベストを更新。40秒を切ってきた。ヘドリーもほぼ同じタイミングで1分39秒667をマークし、同じく40秒台を切っている。
一方、レギュラー陣では、残り30分を切ったあたりで、坪井が1分36秒973と、この時点での2番手に浮上。その5分ほど後には牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分36秒253と、初日の総合トップタイムを上回るタイムをマーク。この時点で計時モニターの一番上に躍り出た。さらに、晴南が1分36秒608、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)が1分36秒983と、36秒台のタイムをマークしてくる。そして、セッションの残り時間が10分となったところで、1分36秒053というタイムを叩き出したのが、太田。この頃から他のドライバーたちもニュータイヤを装着してタイムアタックに向かう予定となっていた。ところが、残り時間が6分となったところで、セッションは3回目の赤旗によって中断される。これはニュータイヤでのアタックに入り、1分38秒223までタイムを伸ばしていたヘドリーがS字でプッシュし過ぎてスピン、コースオフしたため。多くのドライバーはまだニュータイヤでのアタック前だったが、ここでセッションは終了となっている。
その結果、午前中をトップタイムで締めくくったのは、太田。牧野がこれに続き、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGが1-2。3番手には佐藤、4番手には晴南。以下、坪井、フェネストラズ、三宅淳詞(ThreeBond Racing)、岩佐、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、ルーキートップのイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)、高星、大湯、野尻智紀(TEAM MUGEN)と続いた。これに、2日目になって初めてステアリングを握ったルーキーたち、野中、ヘドリー、コレア、ラスムッセン、小山と続く。セッション序盤にクラッシュした小出のマシンは修復がギリギリ間に合わず、小出はこのセッションを最下位で終えることとなった。
2日目総合2番手
太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
2時間のインターバルを経て、午後2時からはこの日2回目のセッションが始まる。空には晴れ間が広がっていたが、朝の走り初めとコンディションは大きく変わらず、スタート時の気温は12℃、路面温度は19℃。ストレートの追い風は、午前中よりもし若干強くなっていた。コースがオープンされると、多くのドライバーが続々とコースイン。開始早々から、野尻が1分36秒713といきなり36秒台のタイムをマークする。また開始から13分というところでは、佐藤が1分36秒278をマーク。午前中のトップタイムまでコンマ2秒と迫った。その直後、セッションは赤旗によって中断される。これは高星がヘアピン立ち上がりで縁石に乗って、スピン。クラッシュしてコース上にストップしたため。高星のマシンはフロントウィングだけでなく、リヤにもダメージを負った。そのマシンの回収が終わり、セッションが再開されたのは、午後2時27分。ここから各ドライバーは本格的な走行に入る。その中で、セッション開始から30分を過ぎると、牧野が1分36秒179と、トップに浮上。ルーキーでは、野中が1分37秒276をマークして、この時点での6番手に浮上した。また、午前中のセッションではクラッシュの影響でほとんど走れなかった小出も1分37秒733をマーク。この時点での8番手につける。これに続いて、開始から45分ほどのタイミングで1分36秒147とトップタイムを書き換えたのは太田。太田はその10分後になると、さらにタイムアップ。1分36秒078を叩き出している。この頃には、岩佐や坪井も1分36秒台に入ってきた。
その後、セッションが残り40分余りとなった午後3時18分には、このセッションで2回目の赤旗が提示される。これは小出がシケインでスピンし、コース外にストップしたため。このマシンの回収が終わると、セッションは午後3時25分に再開した。この再開後には、大湯が1分36秒469をマーク。また、フラガが1分36秒469をマークして、この時点での3番手に浮上してくる。また野中が1分36秒677をマークし、いよいよ36秒台に突入。この時点での8番手まで浮上してきた。また佐藤もここで自己ベストを更新。1分36秒106をマークし、この時点での2番手に浮上してくる。さらに、残り時間が12分ほどとなったところでは、牧野が1分35秒890と、とうとう1分35秒台に突入してきた。
2日目総合3番手
阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
その5分後には、全車がピットに入り、そこから最後のアタックシミュレーションへと向かう。このアタックでチェッカー直前にコントロールラインを切り、1分35秒971とやはり35秒台に突入したのは野尻。チェッカーが提示されると、アタックを終えたドライバーたちが続々とコントロールラインを通過する。ここで1分35秒967と、トヨタエンジン勢としては唯一35秒台に突入したのは晴南だった。しかし、最後にダメ押しで自己ベストを大きく書き換えたのは牧野。牧野はこの最後のアタックで、1分35秒597を叩き出す。これに続いてアタックしていた太田は1分35秒656。牧野にはわずかに届かなかったものの2番手に滑り込み、午前中に続いてDOCOMO TEAM DANDELION RACINGが1-2でテストを締めくくった。3番手には晴南、4番手には野尻。ここまでが1分35秒台となっている。以下、5番手に佐藤、6番手に大湯。ルーキー最上位はフラガの7番手となった。これに、三宅、フェネストラズ、野中、岩佐、小出、ラスムッセンと続き、ここまでが1分36秒台のタイムをマーク。さらに、大嶋、ヘドリー、コレア、最後のアタックで1分38秒078までタイムをのばした小山。セッション序盤にクラッシュした高星は、マシンの修復が終わらず、コースに戻ることはなかった。そのため、1分38秒935と、このセッションでは最下位となっている。
明日13日(金)は、ルーキードライバーだけが参加できるテストとなっており、セッションは午前9時30分から11時、午後1時から2時30分の計3時間。今回ルーキーを乗せないDOCOMO TEAM DANDELION RACING、ThreeBond Racing、docomo business ROOKIE、TEAM MUGEN、VANTELIN TEAM TOM’Sの37号車は最初の2日間でテストを終了。明日は、KONDO RACINGの3号車に引き続きジェームス・ヘドリー、4号車にはザック・オサリバン、Kids com Team KCMGの7号車にはすでに来季のF1参戦が決まっているオリバー・ベアマン、8号車には野中、ITOCHU ENEX TEAM IMPULは
引き続き19号車にラスムッセン、20号車に高星が搭乗。さらに、VANTELIN TEAM TOM’Sの36号車には小林利徠斗、VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGの38号車には堤優威、39号車には卜部和久が乗り込む。San-Ei Gen with B-Maxには小出、PONOS NAKAJIMA RACINGの64号車にはフラガが引き続き搭乗。65号車には大草りきが乗り込むことになっている。最終日には、ルーキーの中で誰が速さを見せるのか。非常に注目されるテストとなるはずだ。