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鈴鹿公式テスト 初日トップは牧野任祐

2025.02.18

初日総合トップ
牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
 
12月に行われた合同テスト&ルーキーテストから2ヶ月余り。最強・最長の寒波が日本列島を覆う中、2月18日(火)〜19日(水)にかけて、三重県・鈴鹿サーキットでは、全日本スーパーフォーミュラ選手権の第1回公式合同テストが行われる。テスト前日には、ガレージに今年のシーズンを戦う13チーム、22台のマシンと22名のドライバーがずらりと勢揃い。いずれのチームも新たなシーズンに向けての高揚感に満ちていた。
 
テスト初日となる18日(火)は、午前・午後ともにセッションの時間が30分間ずつ延長。これは、2日目の午前中に雪という予報が出されたためだ。その分、初日は両セッション合わせて5時間という長丁場となったが、各チーム、各ドライバーは今季から投入されるニュースペックのタイヤを装着して精力的に周回を重ねた。その結果、12月のテストでも総合トップタイムをマークした牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が再びトップタイムをマーク。福住仁嶺(Kids com Team KCMG)、三宅淳詞(ThreeBond Racing)が僅差でこれに続いている。
 
前夜から雪が降り始め、早朝には家々の屋根や外に止めたクルマがうっすらと白く染まった2月18日(火)の鈴鹿。その後、太陽が顔を出したものの、寒気の影響で1日を通して底冷えする1日となった。そんな中、午前10時からはセッション1が始まる。開始時の気温は8℃、路面温度は12℃。メインストレートには強い追い風が吹いていた。また、前夜降った雪が乾き切らず、開始時の路面はウェット。セッション開始後しばらくは、どのドライバーもウェットタイヤを装着しての走行となった。ウェットタイヤも2025年仕様ということで、どのドライバーにとっても初装着。ここでタイヤの感触を確かめることとなる。
 
ピットロード出口がオープンすると、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)を先頭に、山下健太(KONDO RACING)、ザック・オサリバン(KONDO RACING)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、高星明誠(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)をはじめ、3分の1ほどのドライバーがすぐにコースイン。多くはマシンの状態を確認すると、アウトラップを終えてピットに戻った。その中で坪井は最初から計測ラップへ。まずは1分51秒699というタイムを出してくる。その後、セッションが進むと、多くのドライバーが計測を開始。開始から13分というところでは、三宅が1分49秒299というタイムをマークしてくる。また大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が1分49秒437、山下が1分49秒761と続々49秒台に入ってくる。さらに、セッション開始から24分というところでは、坪井がウェットタイヤでのトップタイムを更新。ここで1分48秒403までタイムアップしてきた。
 
この頃になると雪は止み、強い風のおかげもあって、路面は急激に乾き始める。コンディション的にはウェットタイヤでもスリックタイヤでも走行が難しくなってきた。そのため、多くのドライバーがピットに戻り、待機する。そんな中、ルーキーのオサリバンや小出峻(San-Ei Gen with B-Max)らは、コースを疾走。オサリバンはここで1分49秒029までタイムアップしてきた。
 
初日総合2番手
福住仁嶺(Kids com Team KCMG)
 
その後、セッション開始から58分というところで、福住が2コーナーアウト側にマシンを止める。これはエンジンの電気系にトラブルが発生したため。これにより、セッションは赤旗によって中断される。福住のマシン回収が終わり、セッションが再開したのは午前11時04分。このタイミングで、オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)が真っ先にスリックタイヤを装着して、コースへと入って行った。ラスムッセンは、2025仕様のスリックタイヤでまずは1分43秒619までタイムアップ。それまでのトップタイムを書き換えてくる。これをきっかけに何人かのドライバーがスリックタイヤを投入。平良響(KDDI TGMGP TGR-DC)が1分40秒509と一気にタイムを縮めてきた。さらに、大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が1分38秒479と38秒台に突入。三宅も1分39秒107と、1分40秒を切ってきた。
 
セッション開始から、路面コンディションが好転するまでずっとピットに待機していた牧野と太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は、この頃、ようやくコースイン。まずはウェットタイヤでマシンの状態を確認していく。その一方、スリック組は続々タイムアップ。オサリバンが1分39秒492、平良が1分39秒799と自己ベストを更新してくる。しかし、2回目のプッシュラッブを終えた平良は、インラップのバックストレートでガス欠のためにストップ。ここでセッション2回目の赤旗が提示された。
 
平良のマシン回収が終わり、セッションが再開されたのは午前11時50分。その直後には、三宅が1分38秒318とトップタイムを書き換えてくる。また、山下が1分38秒646、小出が1分39秒498、大嶋和也(docomo business ROOKIE)が1分39秒982、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)が1分39秒264と、多くのドライバーがスリックタイヤで自己ベストを更新。残り30分を切ったところでは、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)が1分39秒255、ラスムッセンが1分38秒739、フェネストラズも1分38秒794までタイムを伸ばしてきた。
 
そこからセッション終盤に向けては、路面コンディションが好転。残り15分というところでは、大湯が1分38秒219とトップタイムを更新。さらに、三宅がこれを上回り、1分38秒060でこの時点でのトップに立つ。また、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)や小出といったルーキー勢も、1分38秒台までタイムアップしてきた。そして、残り時間が12分ほどというところで1分38秒040をマークして、トップに立ったのはフェネストラズ。ほぼ同じタイミングで阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)も1分38秒255と、この時点での4番手まで浮上してきた。ここから各ドライバーは、さらにタイムを上げてくるものと思われた。しかし、ようやくスリックでコースに出てプッシュを開始した坪井がNIPPOコーナーの先でコースアウトし、グラベルストップ。セッションは3回目の赤旗によって中断される。残り時間が4分しかなかったため、セッションはこのまま終了することとなった。
 
その結果、最初のセッションをトップで締めくくったのは、フェネストラズ。2番手には三宅、3番手には大湯。以下、阪口、太田、山下、オサリバン、小出、フラガ、ラスムッセンまでがトップ10となっている。
 
初日総合3番手
三宅淳詞(ThreeBond Racing)
 
1時間半のインターバルを経て、セッション2が始まったのは、午後2時。午前中と同様、メインストレートには追い風が吹いていたものの、ずっと陽射しが出ていた影響で、セッション開始時の気温は11℃、路面温度は24℃まで上昇。路面も完全にドライとなっており、ピット出口がオープンされると多くのドライバーがまもなくコースへと入っていった。この中で序盤から午前中のトップタイムを上回ってきたのは、野尻智紀(TEAM MUGEN)。野尻は計測4周目に1分37秒751と、今日初めて37秒台に入ってくる。その10分後には、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)も1分37秒522をマーク。さらにセッション開始から20分が過ぎたところでは、フラガが1分37秒378、三宅が1分37秒716、可夢偉が1分37秒512、牧野が1分37秒870と、多くのドライバーが37秒台に突入してきた。その後、セッション開始から25分というところでは、野尻が1分37秒239とトップタイムを更新。岩佐が1分37秒263をマークして、野尻に続いた。岩佐は、セッション開始から32分というあたりでさらにタイムアップ。1分36秒820と、真っ先に36秒台に突入してくる。
 
それから10数分後、セッション開始から45分というところでは、赤旗が提示される。これは、山下がスプーンコーナー2つ目の出口でスピン、ストップしたため。山下のマシン回収が終わると、午後2時55分にセッションは再開された。この再開後まもなく、1分36秒851と、岩佐に続いて36秒台に入ってきたのは佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)。それからすぐに自身がマークしていたトップタイムを書き換えたのは岩佐。岩佐は1分36秒694までタイムアップしてくる。これに続いて野尻も自己ベストを更新。1分36秒711をマークして、岩佐に続いた。これに続いて、オサリバンが1分36秒983と36秒台に突入。可夢偉が1分36秒566を叩き出して、岩佐を上回ってくる。しかし、まもなく牧野が1分36秒525と可夢偉を上回り、この時点でのトップに立った。また、ここでフラガも1分36秒644と36秒台に突入。福住が1分36秒814、太田が1分36秒770と36秒台に入ってきた。
 
この後、午後3時22分に、2回目の赤旗が提示される。これは、アウトラップだった佐藤がヘアピン立ち上がりでスピン、ストップしたため。このマシンの回収が終わると、セッションは午後3時34分に再開された。この再開後、数分経ったところでは福住が1分36秒388をマークして、トップタイムを書き換える。続いて三宅が1分36秒763、コースに復帰した佐藤が1分36秒566と、いずれも36秒台に突入した。しかし、午後3時57分には、セッション3回目の赤旗が提示される。これは、2コーナー立ち上がりでフラガがコースアウトし、タイヤバリアにクラッシュしたため。このマシンの回収が終わると、セッションは午後4時07分に再開されたが、再開からまもなく、午後4時10分にはまたしても赤旗が提示される。これはヘアピン立ち上がりでオサリバンがコースオフ、クラッシュしたため。 オサリバンのマシン回収が終わると、セッションは午後4時21分に再開された。この時点で、終了時間が1分延長されることも決定。各ドライバーは残り時間ちょうど10分で、テスト初日の仕上げを行うこととなった。ここで複数のドライバーがニュータイヤを投入。その中で、真っ先にアタックに入った牧野が1分36秒116を叩き出して、トップに立つ。これに続いてアタックしていたドライバーたちは、このタイムを上回ることができなかった。
 
結果、テスト初日の総合トップタイムを奪ったのは牧野。最後のアタックで自己ベストとなる1分36秒143までタイムアップした福住は、わずかに届かず2番手だった。また、最後のアタックで1分36秒396と、やはり自己ベストを伸ばした三宅が3番手に滑り込む。4番手には太田。可夢偉は最終アタックでトップを狙えるだけのアタックを見せていたが、スプーンコーナーでスピンオフし、自己ベスト更新はならず。5番手で初日を締めくくった。以下、佐藤、坪井、野尻、岩佐、オサリバン、山下、フェネストラズ、フラガ、小出というオーダーで、ここまでが36秒台のタイムをマークしている。
 
初日のセッションが午前・午後とも延長されたため、2日目は午前中のセッションが1時間短縮。開始時刻は午前11時からとなるが、明日はどのようなテストが展開されるのか。開幕前最後の走行となるだけに、各チーム、各ドライバーにとっては大事な3時間となるはずだ。
 

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