2025年第2戦予選 野尻智紀が1996年フォーミュラ・ニッポン発足以来の最多ポールポジション記録を更新!
2025.03.09
第2戦 予選1位 野尻智紀(TEAM MUGEN)
太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)の優勝から一夜明けた3月9日(日)の三重県鈴鹿サーキット。前日から一転、青空が広がった鈴鹿は、北西の風が強く肌寒い1日となったが、朝から多くの観客がスタンドに足を運んだ。その観客の前で、午前10時15分からは全日本スーパーフォーミュラ選手権・第2戦のノックアウト予選が行われた。この予選で開幕戦に続いてPPを獲得したのは野尻智紀(TEAM MUGEN)。野尻の通算PP回数はこれで21回となり、最多PP獲得回数の記録を更新した。その野尻に続いたのは、チームメイトの岩佐歩夢(TEAM MUGEN)。第2戦もTEAM MUGENが予選1-2を決めている。さらに3番手につけたのは太田。ホンダエンジン勢がトップ3を独占した。
朝から燦々と陽が射した鈴鹿サーキットだが、メインストレートにはかなり強い追い風が吹いていた。それでも気温11℃、路面温度18℃と前日よりは温かいコンディションのもと、午前10時15分からは10分間で争われるAグループのQ1が始まる。開幕戦の結果、第2戦でAグループに振り分けられたのは、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、山下健太(KONDO RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)、三宅淳詞(ThreeBond Racing)、岩佐、高星明誠(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)、平良響(KDDI TGMGP TGR-DC)、阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、小出峻(San-Ei Gen with B-Max)、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)の11台。ピットロード出口がオープンするとまもなく、牧野、坪井、福住、フラガ、山下、高星、小出、三宅はユーズドタイヤでコースに入っていく。一方、岩佐、阪口、平良は最初からニュータイヤを装着してピットに待機。コースインのタイミングをはかっていた。コースに出たドライバーたちの多くは、アウトラップを終えると一旦ピットインしてニュータイヤに交換。これに対して、坪井と山下はもう1周走ってからピットに戻った。最初からニュータイヤを装着していた中では、セッション開始から2分半というところで岩佐が真っ先にコースに入る。阪口、平良もこれに続く。さらに、タイヤ交換を終えたフラガや牧野、小出、三宅らもコースイン。これらのドライバーたちは、アウトラップに加えて2周のウォームアップを行ってからアタックに入る予定だった。一方、タイヤ交換を終えてから、しばらくピットに待機していたのは、坪井、福住、山下の3人。この3人はアウトラップと1周のウォームアップを終えてアタックに入るプランで、セッションの残り時間が約5分というところでコースに入っていった。そして、各ドライバーはタイヤを温めると、セッションの残り時間が1分となったところから、いよいよアタックへ。岩佐が真っ先にプッシュラップに入った。チェッカーが提示され、コントロールラインを切った岩佐は1分37秒311というタイムを叩き出す。これに続いてアタックした坪井、阪口、山下、福住は岩佐のタイムを上回ることができない。しかし、続いてアタックした牧野が1分37秒236をマーク。岩佐を上回ってきた。さらに最後にアタックをした小出が1分37秒338と、岩佐に迫るタイムをマークして3番手に滑り込む。結果、Q1をトップ通過したのは牧野。岩佐、小出がそれに続き、ホンダエンジン勢がトップ3を独占している。これに続いたのは、坪井、福住、山下。タイヤのウォームアップを1周に留めた3人がQ1を突破している。一方、フラガ、阪口、平良、三宅、高星はQ2に駒を進めることができなかった。
第2戦 予選2位 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)
5分間のインターバルを経て、10分間で行われるBグループのQ1が始まったのは、午前10時30分。開幕戦の結果、第2戦でBグループに振り分けられたのは、ザック・オサリバン(KONDO RACING)、太田、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、野尻、野中誠太(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)、小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC)、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)、大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)の11台。ピットロード出口がオープンすると、太田、フェネストラズ、可夢偉、佐藤、オサリバン、小高、野中はユーズドタイヤでまもなくコースインしていく。一方、Juju、大嶋、野尻、大湯の4人は、最初からニュータイヤを装着して、タイミングを待っていた。コースに出たドライバーたちは、多くがアウトラップを終えるとピットに戻り、ニュータイヤに交換。オサリバンと小高だけはもう1周走ってからピットに戻った。これに対して、セッション開始1分30秒という所でコースに入ったのはJuju。その2分後には、野尻、大湯、大嶋もコースに入っていく。タイヤ交換を終えた多くのドライバーもこれに続いた。しかし、開幕戦の予選と同様、ウォームアップを1周にする予定だった可夢偉はピットで待機。同じくウォームアップを1周にする予定のオサリバンと小高は、セッションの残り時間が5分となった所でコースに出たが、可夢偉はそこから20秒ほど待って最後にコースに入っていった。そして、残り時間が1分余りとなったところから、各ドライバーはアタックへ。チェッカーが提示されるとまずは小高が1分37秒752というタイムをマークする。続いてアタックしたオサリバンは1分37秒559。これを大きく上回ってきたのは、3番手でアタックしていた野尻だった。野尻はここで1分36秒633をマーク。一気に36秒台に飛び込んでくる。その後、佐藤が1分36秒817、太田が1分36秒907といずれも36秒台に入れてきたが、野尻のタイムには及ばなかった。結果、野尻はQ1をトップ通過。佐藤、太田がこれに続き、Aグループと同様、ホンダエンジン勢がトップ3を独占した。これに続いたのは、大嶋、大湯、フェネストラズ。ここまでがQ1を突破している。これに対して、僅差でQ2に駒を進められなかったのは、オサリバン、可夢偉、小高、野中、Jujuの5人だった。
第2戦 予選3位 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
10分間のインターバルを経て、いよいよ今回10分間で行われるQ2が始まったのは、午前10時50分。ピットロード出口がオープンされると、坪井、フェネストラズ、山下の3人はすぐにユーズドタイヤでコースに入っていく。坪井とフェネストラズはアウトラップを終えるとピットに戻ったが、山下はQ1と同じくもう1周走ってからピットロードに滑り込んできた。その他、9名のドライバーたちは、ニュータイヤを装着してピットに待機。タイミングを待った。この中で、開始から2分という所で真っ先にコースに入ったのは小出。その20秒後には岩佐、野尻もコースに入る。さらに、開始から3分という所からは牧野、佐藤、大湯、大嶋、太田といった順でコースイン。Q1と同様、坪井、福住、山下はこの時点ではまだピットに待機していた。そして、残り時間が5分20秒となったあたりで、坪井と福住がコースイン。その20秒ほど後には、山下が最後にコースに向かった。この中で、残り時間が2分というところから最初にアタックラップに入ったのは小出。これに続いて、残り時間が1分20秒となった所からは、野尻、岩佐、佐藤、福住、坪井といった順でアタックに入る。小出は残り時間が30秒という所でコントロールラインを切るが、タイムは1分37秒585と思ったようには伸びていかない。そこからチェッカーが提示されると、野尻が1分36秒060というタイムを叩き出す。続いてアタックしていた岩佐はセクター2、セクター4で野尻のタイムを上回ったものの1周のタイムは1分36秒170と野尻にはわずかに届かなかった。その後、アタックしていたドライバーたちも野尻のタイムには及ばず。野尻は開幕戦に続いてPPを獲得。通算21回目のPP獲得となった。岩佐は2番手。最後の最後にアタックした太田が岩佐と1000分の39秒差で3番手に滑り込む。予選トップ3の顔ぶれは、奇しくも開幕戦と同じとなり、ホンダエンジン勢がトップ3を独占している。トヨタ勢のトップにつけたのは坪井。坪井は4番手につけた。以下、牧野、佐藤、福住、大湯、山下、大嶋、フェネストラズと続き、小出が12番手でQ2を締めくくった。
開幕戦ではPPスタートながら優勝を飾ることができなかった野尻が、今季初優勝をもぎ取るのか。あるいは岩佐が初優勝を果たすのか。あるいは太田が鈴鹿での連勝記録を伸ばすのか。第2戦は、開幕よりも距離が長いレースとなり、タイヤ交換のウィンドウも決められていないが、どのチーム、どのドライバーが最適のストラテジーで勝利を掴むのか、注目だ。