第3戦予選 DOCOMO TEAM DANDELION RACINGがワン・ツー イゴール・オオムラ・フラガが3番手に
2025.04.19
前日に続き、朝からぐんぐんと気温が上がり、夏のようなコンディションとなった4月19日(土)の栃木県モビリティリゾートもてぎ。早朝から多くの観客がスタンドに足を運ぶ中、午前9時20分からは全日本スーパーフォーミュラ選手権・第3戦のノックアウト予選が行われた。この予選で見事今季初のPPを獲得したのは、フリー走行から好調ぶりを見せていた牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。2番手にはチームメイトの太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が続いた。3番手に滑り込んだのは、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)。ルーキーのフラガにとっては、初の予選ポイント獲得となった。
薄曇りの空が広がった19日(土)のもてぎ。夏めいた強い陽射しが、その雲を通して照りつけ、気温は朝から上昇を続けた。この日、最初の走行となるAグループのQ1が始まった午前9時20分の段階で、気温は23℃、路面温度は30℃まで上がっている。10分間で争われるこのQ1で、今回選手権ポイントをもとにしてAグループに振り分けられたのは、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、ザック・オサリバン(KONDO RACING)、牧野、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)、Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、高星明誠(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)、平良響(KDDI TGMGP TGR-DC)、阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)の11名。セッションが始まると、牧野、坪井、福住、佐藤、オサリバン、阪口といった順で、ほとんどのドライバーはユーズドタイヤでコースに入る。これに対して、最初からニュータイヤを装着してピットで待機していたのは野尻だった。コースに出たドライバーたちの中では、アウトラップを終えて牧野、平良、高星、大嶋、Jujuがピットイン。その他のドライバーはもう1周走ってからピットへと戻った。一方、野尻は他のドライバーたちがピットでタイヤ交換を行う中、セッション開始から2分半というところでコースイン。アウトラップに加えて、2周のウォームアップを行う。これに続いて、セッション開始から4分というところでは平良と高星、その30秒後にはJuju、開始から5分というところからは坪井、牧野、佐藤、阪口、福住、オサリバン、大嶋といった順で、ニュータイヤを装着してコースに入っていく。
この中で、残り時間2分というところから真っ先にアタックに入ったのはJujuと平良。これに続いて、残り時間が1分20秒となったところからは野尻がアタックに入った。そこから他のドライバーたちも続々アタックラップに入る。そして、チェッカーが提示されると、まずはJujuが1分35秒084というタイムをマーク。続いて平良が1分33秒354をマークする。これを一気に上回ってきたのは、3番目にアタックしていた野尻。野尻は1分31秒768と、この週末初めて1分31秒台に飛び込んできた。だが、続いてアタックした牧野が野尻を上回る1分31秒645というタイムを出して、トップに立った。さらに、佐藤が1分31秒807、阪口が1分31秒830、坪井が1分31秒738、福住が1分31秒874と、多くのドライバーが31秒台のタイムをマーク。しかし、牧野のタイムを破るものはなく、牧野がトップのままQ1を通過している。これに続いたのは坪井、野尻、佐藤、阪口、福住。ここまでがQ1を突破した。一方、オサリバン、大嶋、高星、平良、Jujuは残念ながらQ2に駒を進めることができなかった。
5分間のインターバルを経て、同じく10分間で争われるBグループのQ1が始まったのは、午前9時35分。今回、Bグループには山下健太(KONDO RACING)、太田、野中誠太(Kids com Team KCMG)、三宅淳詞(ThreeBond Racing)、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、小林利徠斗(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)、小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC)、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)、大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、小出峻(San-Ei Gen with B-Max)、フラガの11名が振り分けられた。セッションが始まると、このグループでは太田を先頭に、岩佐、フェネストラズ、野中、フラガといった順で、まもなく全車がユーズドタイヤでコースイン。アウトラップを終えると、太田、野中、小林はピットに戻る。その他のドライバーはもう1周走ってからピットに戻り、ニュータイヤへの交換を行った。その後、セッション開始から4分というところで三宅が真っ先にニュータイヤでコースイン。その45秒ほど後には、岩佐、小高、フラガもコースに入る。さらに、フェネストラズ、太田、小出、大湯、山下、野中、小林といった順で全ドライバーがピットを後にする。この中で最初にアタックを行なったのは、三宅。残り時間が1分40秒ほどとなったところからアタックラップに入った三宅は、チェッカーまで残り10秒というところでコントロールラインを切り、1分32秒875というタイムをマークしている。そして、チェッカーが提示されると、フラガが1分31秒531をマークし、トップに浮上。続く岩佐は1分31秒685とフラガには届かなかった。小高は1分32秒226と思うようにタイムを伸ばせず。さらに、フェネストラズ1分31秒884、太田が1分31秒684、小出が1分31秒939、大湯が1分31秒618、山下が1分31秒683と、多くのドライバーたちが31秒台に突入。しかし、最後までフラガのタイムが破られることはなかった。結果、フラガはトップのままQ1を突破。これに続いた大湯、山下、太田、岩佐、フェネストラズまでがQ1をパスしている。一方、小出、これが初予選となった小林、小高、野中、三宅は、Q2に駒を進めることができなかった。
10分間のインターバルを経て、いよいよ7分間で争われるQ2が始まったのは、午前9時55分。Q2に進出を果たした12台は、最初から全車ニュータイヤを装着して、ピットに待機していた。この中で、セッション開始と同時に動いたのは野尻。野尻はQ1と同様、アウトラップに加えて2周タイヤをウォームアップしてからアタックに入るプランだった。その後、セッション開始から1分30秒というところで、岩佐、福住、フラガ、牧野、坪井、フェネストラズ、阪口がコースイン。開始から2分10秒というところで佐藤、大湯、山下もコースへ。そして、セッション開始から2分30秒というところで、太田が最後にコースへと入っていく。そして、残り時間が1分20秒となったところから、まずは岩佐がアタックへ。これに福住、フラガ、牧野、阪口、フェネストラズ、大湯、坪井、野尻といった順で、全ドライバーがアタックへと入っていった。チェッカーと同時にコントロールラインを切った岩佐のタイムは1分31秒392。これに続いてアタックしてい福住は1分31秒396と、岩佐には1000分の4秒届かない。続くフラガは1分31秒306と岩佐のタイムを100分の9秒上回ってくる。そして、4番手でアタックしていた牧野が1分31秒172を叩き出してフラガを上回り、この時点でトップに立った。その後、牧野のタイムを破ったドライバーはおらず、牧野は今季初PPを獲得。最後の最後にアタックした太田が1分31秒302をマークしてフラガを上回り、2番手に滑り込んでくる。その結果、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGが予選1-2でフロントロウを独占。ルーキーのフラガが3番手につけた。以下、山下、フェネストラズ、岩佐、福住、野尻、佐藤、阪口、大湯と続き、ディフェンディング・チャンピオンの坪井はまさかの12番手となっている。
午後2時50分からは、いよいよ第3戦の決勝が行われるが、このままDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの2台が、昨年のもてぎ戦を彷彿とさせるチームメイトバトルを演じるのか。あるいはフラガが早くも初優勝を果たすのか。もてぎを大の得意とし、レースペースにも自信を持っている山下が2019年の岡山戦以来久々の優勝を果たすのか。はたまた野尻や岩佐、坪井がストラテジーを上手く生かして挽回してくるのか。スタートから非常に熱いレースとなりそうだ。