「(今季)富士4戦をどれだけ獲れるかがチャンピオンを獲るうえで至上命題」第6戦決勝記者会見
2025.07.19
第6戦 決勝1位 坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)
「スタートの加速が若干遅くて、どちらかと言うと防戦一方な感じでしたけど、コカ・コーラコーナーで福住(仁嶺)選手を抑えられたのは大きかったかなと思います。防戦するのにOTS(オーバーテイクシステム)を使ってしまい、(OTSを)切るか切らないか迷ったんですが、福住選手が使っていなさそうだったので“ここはいくしかない”と腹をくくって(OTSを)押しっぱなしでいきました。その結果、(野尻智紀選手を)抜くことができたので、今日のレースのターニングポイントのひとつはそこだったのかなと。本当に決勝ペースには自信を持っていましたし、それを去年に引き続き発揮できたので、決勝に関してはいいレースだったと思います。
今日、ランキングトップに立ったとは思っていなかったんですけど、まだ半分ぐらいレースが残っているので、あまり意識する段階ではないと思っています。まずは目先のレースで勝つというところで、富士を獲らないといけないなと。富士4戦をどれだけ獲れるかがチャンピオンを獲るうえで至上命題な課題になると思うので、この富士で獲れる時にしっかり獲ることが大事だと思っています。
(ハースでのF1テストが発表になりましたが?)ホットなニュースがある時に勝てると、またホットなニュースをお届けできますし、F1に乗せてもらえる機会がある以上はあまりダサい走りもできないので、スーパーフォーミュラの勝者としてしっかり誇りをもって乗れるようにしたいなと思います」
第6戦 決勝2位 野尻智紀(TEAM MUGEN)
「ポールポジションからスタートして、TGRコーナーはトップだったんですけど、そこからの競り合いで負けてしまいました。そこはドライバーの反省点として、もう少しやり切れた部分はあったかなと思っています。決勝ペースはちょっと厳しく、またやられてしまったなという感じですね。『この位置からだったら何もなければ』と坪井(翔)選手陣営に思わせてしまっているところがあると思いますし、(このままだと)一気にチャンピオンシップの流れをもっていかれてしまうので、頑張らないとなという感じです。
今日も今日でやり残したことはあったと思いますし、もちろん悔しさはありますけれども、少なくとも(トップが)見える位置にはいるので、もう少しずつやっていけば追いつける日がくるのかなと。ただ、その“もう少し”が大変なのがスーパーフォーミュラだと思うので、かなり何か大幅なトライをしなければいけないだろうし、大変な仕事が待っていると思っています。とはいえ、レースは何が起こるか分からないので、明日またしっかりといい予選をして、優勝を狙って頑張りたい。明日は違う日になるといいなと思っています。
(坪井選手を捉える手応えは)見えてはいないですね(苦笑)。でも一歩一歩やっていったなかに少しでも上積みがあれば、少しずつ近づいていくものだと思うので、今日の反省点を活かして、また何かしら新たなトライをしたい。それが外れても当たっても、それは自分たちの成長だと思いますし、次につながるステップだと思っています」
第6戦 決勝3位 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)
「今シーズンここまで常にスピードはあって、常にトップで戦えているという印象だったんですけど、この富士ではスピードが足りていないなという印象です。専有走行でも順位こそ上にいましたけど、フィーリングは全然良くなかったですし、今日の予選もコンディションが違えば順位がコロっと変わってしまうような状況でした。ただスピード的に厳しいなかで、このレースに関しては5番手スタートから3位表彰台と自分たちがいま持っているもので獲れる結果の最大限を獲れたと思っています。結果自体はポジティブに捉えていますけど、内容だったり、自分たちのいま持っている力というところで言うと、今週はかなり苦しんでいる状況なので、明日に向けて、いろいろ考えなければいけないところ、準備しなければいけないところが多いなという印象ですね。
レースをとおして自分たちが持っているスピードやペースを最大限に発揮するレースを目指していました。第2スティントでももう少しオーバーテイクしていきたかったのですが、トップスピードが厳しくて、オーバーテイクも難しく、レースは苦しい状況でした。結果として、もう少し何かできたかというと、今日のレースではなかなか難しいんじゃないかなと思います。
ここまで表彰台かリタイアかという結果が続いていますが、常に決勝レースで上位にいるというのはすごく大事なことだと思いますし、そんな簡単なことではないと思うので、そこ(表彰台という結果)はポジティブに捉えています。ただ、週末の入りだったり、予選だったり、ところどころでパフォーマンスを落とすことがあるので、そのへんが今の課題かなと捉えています」
優勝チーム監督 舘信秀(VANTELIN TEAM TOM’S)
「富士4連勝ですか!? 今日も完璧なレースでしたよね。予選で少し悔しい思いをしたんですけど……最近は(予選)3~4番手ぐらいのところから、作戦なり坪井の走りが良くて勝つことが多かったんですけど、今日は(予選)2位だったので『勝ってくれるんじゃないかな』と思っていました。勝ってくれて大変嬉しいです。ありがとうございます。
ただ、いまいちこの場で僕がハッピーになれないのは37号車(サッシャ・フェネストラズ)のスピードが足りなくて結果が残せていないから……半分嬉しくて半分悔しい思いですね。ですから、37号車のスピードを上げなくてはいけないなというところで頭がいっぱいなんですが……頑張ります」