2025年 第8戦東北大会予選 岩佐歩夢が今季初ポール・ポジションを獲得
2025.08.09
第8戦 予選1位 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)
朝から親子連れをはじめ、多くの観客がスタンドに足を運んだ8月9日(土)の宮城県・スポーツランドSUGO。午後2時からは全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦のノックアウト予選が行われた。この予選で今季初PPを獲得したのは、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)。2番手にはサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)、3番手には阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)がつけた。
朝のフリー走行が終わってから3時間半のインターバルを経て、10分間で争われるAグループのQ1が始まったのは、午後2時。今回ポイントランキングをもとにして、Aグループには、山下健太(KONDO RACING)、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)、三宅淳詞(ThreeBond Racing)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、高星明誠(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)、小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC)、フェネストラズ、大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)の11名が振り分けられた。フリー走行の時とは風向きが変わって、メインストレートは向かい風。セッション開始時点で気温は31℃、路面温度は49℃まで上昇していた。
ピットロード出口がオープンされると、太田を先頭に、野尻、フェネストラズ、福住、佐藤、山下、大湯、高星、小高といった順で、間もなく全車がコースイン。この中で、アウトラップを終えて、太田はピットに戻る。その他のドライバーの中では、野尻、フェネストラズ、福住、小高、大湯がアウトラップに加えてインラップを走ってからピットに戻っている。これに対して、最初から計測に入ったのは、佐藤、高星、大嶋、三宅。佐藤はユーズドタイヤだったが、その他のドライバーはQ1で2セットのニュータイヤを投入し、アタックも2回行うプランを立てていた。計測を行なったドライバーの中では、三宅が1分06秒592をマーク、山下が1分06秒621、大嶋が1分06秒674、佐藤が1分06秒730、高星が1分07秒119というタイムを刻んだ。最初のアタックを終えると、この5人も一旦ピットに戻っている。この頃、セッション開始から5分というところでは、野尻がニュータイヤでコースイン。その1分後にはフェネストラズもコースに入る。これに続いて、ピットでタイヤを換えた佐藤、福住、太田、大湯、大嶋、山下、三宅といった順でコースに入っていく。最後に小高もコースに向かった。
第8戦 予選1位 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)
この中で、最初にアタックラップに入ったのはフェネストラズ。タイヤのウォームアップを1周に抑えたフェネストラズは、チェッカーまで15秒というところでコントロールラインを切ると、いきなり1分05秒930と、05秒台に飛び込んできた。続いてアタックした佐藤は1分06秒382、福住は1分06秒387、太田は1分06秒571。ここでチェッカーが提示される。しかし、その後も05秒台に入ったドライバーはおらず、フェネストラズがQ1をトップ通過。これに大湯、野尻、山下、佐藤、福住と続き、ここまでがQ1を突破している。一方、僅差でQ2に駒を進められなかったのは、三宅、グリップ不足に悩まされた太田、大嶋、高星、小高の5人。中でも大島は2セット目のアタックに入ったところ、3コーナーでスピンしてコースオフ。エスケープゾーンにストップしてしまったため、アタックすることが叶わなかった。
この大嶋のマシン回収を行なったため、BグループのQ1は、当初の予定よりも3分遅れて、午後2時18分に開始。今回、Bグループには、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、ザック・オサリバン(KONDO RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)、岩佐、オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)、野中誠太(KDDI TGMGP TGR-DC)、阪口、小出峻(San-Ei Gen with B-Max)、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)の11人が振り分けられた。ピット出口がオープンされると、牧野を先頭に、岩佐、坪井、可夢偉、フラガ、オサリバン、阪口といった順で、すぐに各車がコースに入った。このグループでは、アウトラップだけ走ってピットに戻ったドライバーはゼロ。坪井と可夢偉の2人は、インラップを走ってからピットに戻る。それ以外のドライバーは計測ラップに入り、牧野が1分06秒469というタイムをいきなりマーク。オサリバンも1分06秒807と06秒台に入ってきた。一方、この計測ラップ中、右フロントの足回りに問題を抱えた小出は、S字で縁石に乗り上げて、マシンがジャンプ。出口のエスケープゾーンにマシンを止めてしまう。これによって、セッションはすぐさま赤旗によって中断される。この小出のマシン回収が終わり、セッションが再開されたのは午後2時33分。残り時間は4分56秒で行われることとなった。
第8戦 予選2位 サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)
セッションが再開されると、坪井、可夢偉がすぐさまコースイン。ここから少し間を開ける形で、岩佐、オサリバン、フラガ、野中、Jujuといった順で全車が間もなくコースに入っていく。そして、残り1分40秒というあたりから、まずは坪井がアタックに入った。チェッカーまで40秒というあたりでコントロールラインを切った坪井は、1分06秒433をマーク。さらにもう1周アタックを続行した。坪井に続いてアタックした岩佐は、1分05秒733と一気に05秒台に突入。さらに、フラガが1分05秒641と、岩佐を上回ってくる。このタイムを上回ったドライバーはおらず、フラガはトップでQ1を突破。岩佐がこれに続いた。さらに、オサリバン、阪口、牧野と続き、2周目のアタックでタイムを伸ばした坪井が、最後の最後に6番手に滑り込み、Q1を突破している。一方、最後に坪井に逆転される形で、Q2に駒を進められなかったのは、可夢偉。ラスムッセン、野中、Juju、アタックが叶わなかった小出も、Q2への進出はならなかった。
第8戦 予選3位 阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO INGING)
10分間のインターバルを経て、いよいよPPを決定する7分間のQ2が始まったのは、午後2時48分。ピット出口がオープンされると、岩佐、フェネストラズ、オサリバン、阪口、大湯らがユーズドタイヤですぐにコースイン。アウトラップを終えると一旦ピットに戻る。一方、セッション開始から1分30秒というところでは、ウォームアップラップを2周走ってからアタックする予定を立てていた野尻が真っ先にニュータイヤでコースに向かった。その30秒後には、野尻と同じくウォームアップラップを2周してからのアタックというプランだった福住もコースイン。これに続いて、セッション開始から2分半というところで岩佐、フェネストラズ、フラガ、佐藤、坪井、牧野、オサリバン、山下、大湯、阪口といった順で、各ドライバーは前車との合間を開けながら、コースへと入っていった。アウトラップではポジションの入れ替わりもあり、この中で最初にアタックに入ったのは、フェネストラズ。フェネストラズはチェッカーまで10秒というところでコントロールラインを切ると、1分05秒766と、05秒台のタイムをマークする。しかし、続いてアタックした岩佐がこれを上回る1分05秒517を叩き出し、この時点でのトップに立った。このタイムを上回ったドライバーは最後まで現れず、岩佐は今季初のPPを獲得。フェネストラズが2番手、最後にアタックした阪口が1分05秒775で3番手に滑り込んだ。以下、坪井、福住、フラガ、牧野、オサリバンと続いている。一方、このアタック中、最終コーナーでスピンして、リヤからタイヤバリアに激突し、マシンを大破してしまったのは大湯。幸い身体は無事だったが、大湯はアタックを完了することができなかったため、12番手からレースをスタートすることとなった。
明日は午前9時30分から、決勝を見据える30分間のフリー走行。午後2時20分からは、いよいよ51周の決勝レースが行われるが、誰が勝利の美酒を味わうのか。岩佐あるいは阪口が自身初優勝を果たすのか、あるいはシリーズにカムバックしたフェネストラズや現在ポイントランキングトップの坪井が最後に笑うのか。スタートから見逃せない戦いとなりそうだ。