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逆転チャンピオンを狙う牧野任祐と太田格之進が会心のアタック 第10戦予選

2025.10.12

第10戦 予選1位 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

 
前日の雨が止み、朝から曇り空となった10月12日(日)の静岡県富士スピードウェイ。路面にはまだウェットパッチが残る中、午前10時10分からは、全日本スーパーフォーミュラ選手権 第10戦のノックアウト予選が行われた。この予選で今季自身2度目のPPを獲得したのは牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。これに1000分の76秒という僅差で続いたのは、ルーキーのイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)。フラガにとっては、悔しい結果となったが、ここまで自身最高の2番手グリッドを獲得している。3番手には太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。太田は、金曜日のフリー走行結果からは大きく挽回し、貴重な1ポイントを加えた。以下、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)と、トップ6はホンダエンジン勢が独占。ランキングトップの坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)はトヨタ勢トップの7番手で予選を締めくくることとなった。
 

 
前日には雨が降り続いた富士。しかし、早朝にはその雨も止み、午前9時頃からは次第に気温が上がり始めた。しかし、風が余りなかったため、路面はなかなか乾かない。ノックアウト予選、10分間で争われるAグループのQ1が始まった10時10分の段階でも、ダンプコンディションとなり、競技団はWET宣言を出していた。昨日の第9戦の結果を受けて、今日の予選でAグループに振り分けられたのは、ザック・オサリバン(KONDO RACING)、牧野、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)、Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、岩佐、高星明誠(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)、野中誠太(KDDI TGMGP TGR-DC)、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、フラガの11人。気温20℃、路面温度23℃というコンディションの下、ピットロード出口がオープンされると、牧野、岩佐、フェネストラズ、福住、フラガ、阪口といった順でほとんどのドライバーがまもなくスリックのニュータイヤを装着してコースインしていく。しかし、オサリバンだけは、ピットから出てこない。結局、オサリバンは、エンジンハーネスの問題で、エンジン始動することができず、最後までコースに出ることが叶わなかった。その他のドライバーたちは、最初からピットに戻ることなく、周回。残り時間が3分となったあたりからアタックラップに入っていく。ここで真っ先に1分22秒759というタイムをマークしたのは、牧野。これに続いて、フラガが1分22秒793をマーク。2番手に浮上してくる。その後も、続々とアタックラップを終えたドライバーたちがコントロールラインを切るが、22秒台に入ったものはおらず、牧野はトップでQ1を突破。フラガがこれに続いた。3番手には福住。以下、阪口、岩佐、そして最後の最後に自己ベストをマークした大嶋が6番手に滑り込む。ここまでがQ1を突破することとなった。一方、大嶋とわずか1000分の26秒差で7番手だった高星をはじめ、野中、アタックラップ前の周に100Rでスピンを喫したフェネストラズ、Juju、そして全くコースに出ることなく終わったオサリバンは、Q2に駒を進めることができなかった。
 
第10戦 予選2位 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)

 
5分間のインターバルを経て、同じく10分間で争われるBグループのQ1が始まったのは午前10時25分。昨日の第9戦の結果を受け、今日Bグループに振り分けられたのは、坪井、山下健太(KONDO RACING)、太田、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、三宅淳詞(ThreeBond Racing)、野尻、オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)、小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC)、大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、小出峻(San-Ei Gen with B-Max)、佐藤の11人となっている。Aグループの走行時から比べると、路面が少しずつ乾きつつあるコンディションの中、ピットロード出口がオープンされると、太田を先頭に、野尻、坪井、佐藤、山下、大湯、ラスムッセンといった順でほとんどのドライバーがスリックのニュータイヤでコースイン。これに対して、セッション開始から1分30秒あまり待ってから小高、3分ほど待ってから可夢偉が同じくスリックのニュータイヤでコースへと向かった。一旦コースに入ったドライバーたちの中では、坪井と山下がアウトラップを走ったところでピットイン。タイヤ交換を行って、再びコースに戻る。その他のドライバーたちはピットに戻ることなく、タイヤを温めると、残り時間が3分となったあたりからアタックラップへと入った。この中で、一気に1分22秒651と、22秒台のタイムを叩き出したのは太田。太田はその直後の1コーナーのブレーキングで止まり切れず、オーバーシュートする場面も見られたが、無事にコースに復帰。走行を再開した。一方、その他のドライバーたちは、アタックを続行。チェッカーと同時に、大湯が1分22秒795と、22秒台に入ってくる。その後も、佐藤が1分22秒793、野尻が1分22秒784、坪井が1分22秒754と、自己ベストを更新してきたが、いずれも太田のタイムを上回ることができなかった。その結果、太田はトップでQ1を突破。坪井、野尻、佐藤、大湯、そして小出が6番手に滑り込み、ここまでがQ1を通過している。一方、僅かな差でQ2に駒を進められなかったのは、小高、三宅、山下、可夢偉、ラスムッセンという結果になっている。
 
第10戦 予選3位 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

 
10分間のインターバルを経て、いよいよPPを決定づけるQ2が始まったのは、午前10時45分。相変わらず雨は止んでいたが、このセッションではセクター3付近にうっすらと霧が出るコンディションとなっている。その天候の下、ピットロード出口がオープンすると、牧野、太田、野尻、岩佐、坪井、福住、フラガ、佐藤といった順でまもなく全車がスリックのニュータイヤを装着してコースイン。アウトラップに加えて、2周のウォームアップを終えると、アタックラップに入った。まずセッションの残り時間が約30秒となったところで、1分22秒123というタイムを叩き出したのは、牧野。続く太田は1分22秒263と、牧野にはわずかに届かない。野尻、坪井、岩佐も、22秒台には入ってきたが、牧野には届かなかった。そして、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGが1-2体制となったまま、チェッカーが提示。ところが、直後に、牧野と太田の間にフラガが割って入った。その結果、牧野が今季第3戦以来となる今季2回目のPPを獲得。フラガが今季自己最上位となる2番手、太田が3番手となった。タイトル争いを演じている他のドライバーたちは、岩佐が4番手、野尻が5番手。坪井は7番手に留まったが、決勝ではどこまで巻き返せるのかに注目だ。

午後からのレースは41周で争われる。ドライコンディションとなることが期待されており、そうなるとタイヤ交換も義務付けられる。昨日とは全く違う展開となりそうだが、牧野はこのままポール・トゥ・ウィンを果たして、坪井とのポイント差を縮めてくるのか。太田や岩佐、野尻はどんな闘いを見せるのか。そして、ポイントリーダーの坪井の動きも気になるところ。いずれにしても、スタートからチェッカーまで目が離せない展開となるだろう。

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