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第10戦・第11戦・第12戦 占有走行 トップタイムはイゴール・オオムラ・フラガ

2025.11.21

朝から好天に恵まれた11月21日(金)、三重県鈴鹿サーキットでは、「瑶子女王杯 2025年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第10戦・第11戦・第12戦 第24回JAF鈴鹿グランプリ」の開催に先立ち、午前11時05分から12時05分、午後2時10分から3時10分と、1時間のセッションが2回、計2時間のフリー走行が行われた。この2回のセッションを通じて、総合トップタイムをマークしたのは、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)。これに岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)と続いている。
 
占有走行総合1位 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)

 
朝から陽射しが降り注いだ鈴鹿サーキット。最低気温は7℃まで低下していたが、そこからは陽射しのおかげで暖かくなり、過ごしやすい1日となった。最初のセッションが始まった午前11時05分の時点で、気温は16℃、路面温度は24℃というコンディション。風もほとんどなく、セッション開始時はメインストレートが軽い向かい風。その後、セッション中盤頃からは風向きが変わり、メインストレートには軽い追い風が吹いた。
 
コースがオープンされると、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)を先頭に、野尻智紀(TEAM MUGEN)、岩佐、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、福住仁嶺(Kids com Team KCMG )、佐藤、フラガといった順で3分の2ほどのドライバーがまもなくピットを後にする。そこから数分経つと、他のドライバーたちもコースに向かっていった。走り始めたドライバーたちの中には、マシンのチェックを終えてすぐピットに戻るものもいたが、最初から計測に入ったドライバーも。まずは野尻が1分39秒275、岩佐がそれを上回る1分38秒913をマークしてくる。さらにフラガが1分38秒909、ザック・オサリバン(KONDO RACING)が1分39秒760、小出峻(San-Ei Gen with B-Max )が1分38秒823と、最初のプッシュラップで多くのドライバーが1分40秒を切ってくる。この頃には、他にもプッシュラップに入っているドライバーたちが何人かいた。ところが、セッションは開始から約9分30秒というところで赤旗によって中断される。これはオリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)が1コーナーに進入した際、リヤが流れてスピンアウト、1〜2コーナーの間あたりのタイヤバリアに接触してストップしたため。ラスムッセンのマシンは右側前後のサスペンション等にダメージを負って、その後の走行は叶わなかった。
 
占有走行総合2位 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)

 
そのラスムッセンのマシン回収が終わると、セッションは午前11時23分に再開。太田、坪井、可夢偉、福住、佐藤、フラガといった順で各ドライバーが再び続々とコースに入っていく。そこからタイヤを温めたドライバーたちは、再びプッシュラップへ。まずは三宅淳詞(ThreeBond Racing)が1分38秒762というタイムをマークして、一瞬トップに立つ。しかし、その直後に大きくタイムを上げてきたのは、坪井。坪井は1分37秒852と、真っ先に37秒台に入ってくる。セッション中盤には、太田が1分37秒859というタイムをマークしてきたが、坪井のタイムにはわずかに1000分の7秒届かない。その間も、各ドライバーはピットイン、アウトを繰り返しており、マシンセットアップを煮詰めていった。
 
そして、セッションの残り時間が17分30秒ほどとなったところで、序盤に坪井がマークしたタイムを上回ってきたのは、野尻。野尻はスプーンコーナーの立ち上がりで走路外走行と判定されそうなラインを通りながらも、ここで1分37秒465というタイムをマークしてくる。ほぼ同時にプッシュラップに入っていた太田も1分37秒851をマークし、今度は坪井のタイムを1000分の1秒上回ってきた。その後、セッションの残り時間が7分を切ったあたりからは、多くのドライバーがニュータイヤでコースイン。予選アタックのシミュレーションを行った。残り時間が約2分というところからアタックに入った岩佐は、シケインでトラフィックにつかまる場面もあったが、ここで1分37秒808をマークし、この時点での2番手に浮上。しかし、続いてアタックしていた牧野が1分37秒249と、一気にタイムを上げ、トップに立った。その後まもなくチェッカーが提示されると、太田が1分37秒355とタイムアップ。さらに、フラガが1分37秒263と牧野に続くタイムをマークしてくる。そして、最後の最後にタイムを上げたのが坪井。坪井は、1分37秒251を叩き出したが、牧野にはわずかに1000分の2秒及ばず。このセッションをトップで締めくくったのは牧野だった。2番手に坪井、3番手にフラガ。これに太田、野尻、福住、可夢偉、佐藤、岩佐、小出と続いている。
 
占有走行総合3位 佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)

 
2時間余りのインターバルを経て、2回目のフリー走行が始まったのは、午後2時10分。この時点では気温が18℃、路面温度は27℃まで上昇していた。風向きは午前中と変わって、メインストレートは追い風から横風となり、少し強く吹くコンディションとなっていた。
 
セッションが開始されると、牧野、太田を先頭に、ほとんどのドライバーがすぐにコースイン。アウトラップでマシンのセットアップを確認して、すぐにピットに戻ったドライバーもいたが、その後は各車とも本格的な走行に入っていく。中でも、坪井、牧野、太田、福住、岩佐らはレースを見据えての連続走行を行なっていた。それに対し、1回目の走行ではパワーステアリングのトラブルからほとんど走れなかったサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)のように、予選に向けてのセットアップを仕上げて行くドライバーも。その中で、序盤から1分37秒650と、37秒台のタイムをマークしてきたのは、佐藤。これに続いて、セッション開始から約11分というところでは、チームメイトのフラガも1分37秒848と、37秒台に入ってくる。さらに、セッション開始から22分というところでは、阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)も1分37秒679をマーク。ポジションを上げてくる。それ以外のドライバーたちも、ピットイン、アウトを繰り返しながら、マシンセットアップの煮詰めを行っていった。
 
その後、セッションが折り返すと、トップタイムを書き換えたのはフェネストラズ。フェネストラズはここで1分37秒635をマークしてきた。その数分後には、福住が1分37秒736、牧野が1分37秒920と、いずれも37秒台に入ってくる。さらに、残り時間が13分となったところでは、佐藤が自己ベストを大きく更新。1分37秒211をマークして、この時点でのトップに立った。この頃になると、多くのドライバーはピットに戻り、ニュータイヤに交換。セッションの残り時間が7分となったあたりからは、続々とコースに入っていく。そして、残り時間が1分30秒となったあたりから、アタックに入るドライバーが出てくるが、この頃シケインでは大渋滞が発生。午前中のクラッシュからようやくマシンを修復し、2回目の残り時間が17分というところでコースに入ったラスムッセンや阪口はアタックに入る前にチェッカーが提示されてしまう事態となった。これに対して、ちゃんとしたアタックを行い、最後にタイムを上げてきたのは、岩佐。岩佐は1分36秒885と、真っ先に36秒台のタイムをマークし、一旦はトップに立つ。しかし、その数台後ろの位置でアタックしていたフラガが、1分36秒846を叩き出し、トップに浮上。その後、フラガのタイムを上回ったドライバーはおらず、フラガが総合でもトップタイムという結果になった。2番手には岩佐、3番手には最後に1分36秒899までタイムアップした佐藤。これに1回目のタイムで牧野と坪井、2回目のタイムで福住と太田が続いている。結果、タイトル争いを演じているドライバーの多くが、鈴鹿でも上位発進することになったが、明日午前8時から行われる第11戦のノックアウト予選、それに続いて午前10時05分から行われる第12戦のノックアウト予選で、PPを獲得するのは誰なのか。全く予想できない展開となりそうだ。
 

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