瑶子女王杯 2025年 第11戦・第12戦 予選 岩佐歩夢が連続ポールを奪取
2025.11.22
第11戦・第12戦 予選1位 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)

期間を通して好天の予報が出されており、絶好の行楽日和となりそうな晩秋の連休。その初日となる11月22日(土)の午前中、三重県鈴鹿サーキットでは、「瑶子女王杯 2025年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第10・11・12戦 第24回JAF鈴鹿グランプリ」のノックアウト予選が行われた。この公式予選、午前8時からは本日午後から行われる第11戦の決勝グリッドを決するもの。それに続けて、午前10時05分からは明日23日(日)の午後に行われる第12戦のグリッドを決する予選となっている。その結果、第11戦・第12戦と両方でPPを獲得したのは、ここまでランキング2位の岩佐歩夢(TEAM MUGEN)。岩佐は予選で6ポイントを獲得し、ランキングトップの坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)との差を大きく縮めた。さらに野尻智紀(TEAM MUGEN)が両予選で2番手となり、TEAM MUGENがいずれのレースでもフロントロウを独占。また第11戦で3番手に滑り込んだのは、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)。第12戦で3番手に滑り込んだのは佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)となっている。坪井は、第11戦の予選で9番手、第12戦の予選では7番手に留まっている。
前日に続き、朝から陽射しに恵まれた鈴鹿サーキット。ゲートオープンから、大勢の観客がスタンドに足を運ぶ中、午前8時からは全日本スーパーフォーミュラ選手権・第11戦のノックアウト予選、10分間で争われるAグループのQ1が始まる。この時点で、気温は13℃、路面温度は14℃。メインストレートには軽く追い風が吹くコンディションとなった。今回、ランキングをもとにAグループに振り分けられたのは、ザック・オサリバン(KONDO RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)、Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、岩佐、高星明誠(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)、野中誠太(KDDI TGMGP TGR-DC)、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、佐藤の11名。コースがオープンすると、牧野を先頭に岩佐、フェネストラズ、福住、佐藤、オサリバン、阪口、高星といった順にまずはユーズドタイヤでピットを後にする。この時点でピットに待機していたのはJujuと大嶋。この2人は最初からニュータイヤを装着し、他とは違うタイミングでアタックに行く予定を立てていた。コースに出たドライバーたちは、アウトラップでマシンの状態を確認すると、すぐにピットイン。タイヤ交換を行う。その間にコースに出たのが、大嶋とJuju。大嶋はセッション開始から3分というところで、Jujuはそこから30ほど経ったところでニュータイヤでコースに入った。これに続いて、牧野、佐藤、阪口、フェネストラズ、オサリバン、高星、野中、福住がコースイン。岩佐は残り時間が5分30秒となったところで、最後にピットを後にした。この中で、最初にアタックに入ったのは、タイヤのウォームアップを1周に留めた岩佐。岩佐は各セクターで最速タイムをマークし、真っ先にチェッカーを受ける。この時、岩佐が叩き出したのは、1分36秒693というタイムだった。その後、他のドライバーたちが次々コントロールラインに戻ってくるが、誰も岩佐のタイムを破れない。その結果、岩佐はトップでQ1を突破。1分36秒817をマークした佐藤、1分36秒854をマークした福住、1分36秒916をマークした牧野、さらに1分37秒063のフェネストラズ、最初からニュータイヤでコースに入り1分37秒099をマークした大嶋までがQ1を突破した。一方、オサリバン、野中、阪口、高星、JujuはQ2に駒を進めることができなかった。
第11戦・第12戦 予選1位 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)

5分間のインターバルを経て、同じく10分間で争われるBグループのQ1が始まったのは、午前8時15分。今回、ランキングをもとにBグループに振り分けられたのは、坪井、山下健太(KONDO RACING )、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、三宅淳詞(ThreeBond Racing)、野尻、オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)、小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC)、大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、小出峻(San-Ei Gen with B-Max)、フラガの11名。ピットロード出口がオープンされると、太田を先頭に、坪井、可夢偉、フラガ、山下、ラスムッセン、小高、小出、三宅はユーズドタイヤでコースに入っていく。これに対して、野尻と大湯はピットに待機。最初からニュータイヤを装着し、他とはタイミングをずらしてコースに入る予定を立てていた。ユーズドタイヤで走ったドライバーたちは、全員、アウトラップを終えるとピットに入り、タイヤを交換。その間、セッション開始から2分40秒というところで、野尻、大湯がコースに入って行った。それに続けて、タイヤ交換を行ったラスムッセン、フラガ、小高、坪井、山下、太田、小出といった順で、他のドライバーたちも続々ピットを後にする。その中で、セッション開始から4分というところで最後にコースに向かったのは、三宅だった。そこから各車タイヤを温めていき、残り時間が1分となったところから、最初にアタックに入ったのは野尻。チェッカーを受けながら、コントロールラインを切った野尻は、ここで1分36秒614というタイムをマークする。しかし、まもなくフラガが1分36秒508をマークして、野尻を上回ってきた。さらに、太田が1分36秒433を叩き出して、トップに浮上。その後、太田のタイムを上回ったドライバーはおらず、太田はトップでQ1を通過した。それにフラガ、野尻が続く。4番手には1分36秒701の坪井。さらに1分37秒066の小高、1分37秒164の山下までがQ1を突破している。一方、大湯、可夢偉、ラスムッセン、アタック中に燃料系のトラブルに見舞われた小出、アタックに入る前にチェッカーを提示されてしまった三宅は、Q2に駒を進めることができなかった。
第11戦・第12戦 予選2位 野尻智紀(TEAM MUGEN)

10分間のインターバルを経て、いよいよPPを決定づける7分間のQ2が始まったのは、午前8時35分。このセッションでは、全車が最初からニュータイヤを装着していたが、ピットロード出口がオープンされると、牧野、坪井、フェネストラズ、福住、佐藤、フラガ、太田、山下、小高、大嶋がまもなくコースイン。これに対して、野尻と岩佐は他とタイミングをずらすため、しばらくピットに待機する。そして、セッション開始から2分というところで野尻がコースイン。少し間を開けて岩佐もコースへと入った。前に誰もいない状態で、自分のペースでタイヤを温めると、残り時間1分というところから真っ先にアタックに入ったのは野尻。続いて岩佐もアタックに入る。これに他のドライバーたちも続いた。そして、チェッカーを受けながら真っ先にコントロールラインを切った野尻は、1分35秒945と35秒台に突入。しかし、岩佐がこれを上回る1分35秒736を叩き出す。その後、この岩佐のタイムを破ったドライバーはおらず、岩佐が今季2度目のPPを獲得した。2番手には野尻。さらに、最後のアタックで1分35秒976とこちらも35秒台に入れてきたフラガが3番手に滑り込んだ。以下、佐藤、太田、フェネストラズ、牧野、福住と続き、現在ランキングトップの坪井はまさかの9番手。さらに、小高、山下、大嶋という結果になっている。
第11戦 予選3位 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)

第11戦の予選が終わってから1時間20分余り。午前10時05分からは、第12戦のノックアウト予選、10分間で争われるAグループのQ1が始まった。この頃には、太陽も高く上がり、気温は16℃、路面温度は22℃まで上昇。風はほとんど止んでいるようなコンディションとなった。第11戦の予選の結果、第12戦でAグループに振り分けられたのは、オサリバン、牧野、福住、三宅、大嶋、岩佐、ラスムッセン、野中、フェネストラズ、大湯、フラガの11名。ピットロード出口がオープンされると、牧野を先頭に、岩佐、フェネストラズ、福住、オサリバン、ラスムッセン、野中はまもなくユーズドタイヤでコースイン。フラガ、大湯、大嶋は、最初からニュータイヤを装着してピットに待機した。コースに出たドライバーたちは、アウトラップを終えると全員がピットインし、タイヤを交換。それを前に、セッション開始から2分30秒というあたりで、フラガ、大嶋、大湯はコースに向かった。その後、開始から3分というところでは、タイヤを交換したフェネストラズ、オサリバン、ラスムッセン、野中、三宅もコースに向かう。そこから1分半ほど待って、岩佐、福住、そして最後に牧野がコースに向かった。早めにコースインしたドライバーたちは、アウトラップに加えて2周ウォームアップ。一方、福住や岩佐、牧野らはウォームアップを1周に留めた。そのため、セッションの残り時間が1分半となったあたりから、最初にアタックに入ったのは福住。これに牧野、岩佐、フラガ、大嶋、大湯といった順で続く。真っ先にチェッカーを受けた福住は、1分36秒999というタイムをマーク。続く牧野が1分36秒483までタイムを上げてくる。しかし、続く岩佐が1分36秒027を叩き出し、トップに立った。その後アタックしていたドライバーは誰も岩佐のタイムを上回ることができず、岩佐はトップでQ1を突破。牧野、フラガ、フェネストラズ、そして野中、福住までがQ1を通過する。野中にとっては、初のQ2進出となった。一方、大湯、大嶋、オサリバン、ラスムッセン、三宅はQ2に駒を進めることができなかった。
第12戦 予選3位 佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)

5分間のインターバルを経て、同じく10分間で争われるBグループのQ1が始まったのは、午前10時20分。第11戦の予選結果を受けて、第12戦でBグループに振り分けられたのは、坪井、山下、Juju、野尻、高星、小高、阪口、小出、佐藤の11名。ピットロード出口がオープンされると、Juju以外の10名はすぐにユーズドタイヤでコースに入り、アウトラップを終えると一旦ピットに戻ってタイヤを交換する。Jujuはセッション開始から2分30秒というところで、真っ先にニュータイヤでコースイン。その30秒ほど後にはタイヤ交換を行った佐藤、山下、高星、阪口、小出がコースに入った。そこから1分半ほど待って、野尻、太田、小高、坪井、小出もコースイン。セッション開始から5分というところで可夢偉が最後にコースへと向かった。そして、セッション残り1分半というあたりから、最初にアタックに入ったのはJuju。チェッカーと同時に、Jujuは1分38秒618という自己ベストタイムを刻む。続いてアタックしていた太田は、1分36秒291というタイムをマークしてトップに浮上。野尻、小高、坪井は、この太田のタイムに届かなかった。しかし、これに続いてアタックしていた佐藤が1分36秒244というタイムを叩き出し、太田を上回ってくる。その後、佐藤のタイムを上回ったドライバーはおらず、佐藤がQ1をトップで通過した。これに太田、野尻、小出、坪井、阪口と続き、ここまでがQ1を突破している。一方、僅差ながら、小高、山下、可夢偉、高星、そしてJujuはQ2に駒を進めることができなかった。
10分間のインターバルを経て、いよいよPPを決定づける7分間のQ2が始まったのは、午前10時40分。このセッションでは全員最初からニュータイヤを装着していた。そして、ピットロード出口がオープンされると、フェネストラズ、佐藤、フラガ、野中、小出がすぐにコースイン。その後、セッション開始から1分半という時点で阪口がコースに向かう。その15秒ほど後には野尻、福住、牧野、太田、岩佐、そして最後に坪井がコースインして行った。そして、残り時間が1分となったあたりから、各ドライバーが次々にアタックラップに入る。ここで真っ先にアタックを開始したのは、阪口だ。チェッカーとともにコントロールラインを切った阪口のタイムは1分36秒674。しかし、これに続いてアタックしていた野尻が大きくタイムアップ。1分35秒973と35秒台に飛び込んでくる。福住は1分36秒400、太田は1分36秒206、1分36秒246と、いずれも35秒台には入れなかった。しかし、これに続いてアタックしていた岩佐が、1分35秒910と野尻をわずかに上回って、トップに浮上。その後、岩佐のタイムを破ったドライバーはおらず、岩佐は第11戦に続いて、連続PPを獲得した。2番手には野尻が入り、第11戦に続きTEAM MUGENがフロントロウを独占。最後のアタックで1分36秒192までタイムアップした佐藤が3番手につけた。以下、太田、牧野、フラガとトップ6はホンダエンジン勢が独占。トヨタエンジン勢のトップにつけたのは7番手の坪井だった。さらに、福住、フェネストラズ、阪口、野中、小出という結果になっている。
本日、午後2時30分からは、まず第11戦の決勝レースが行われるが、PPスタートの岩佐が今季2勝目を上げるのか。他のランキング上位ドライバーたちが逆転を果たすのか。はたまた新たなウィナーが生まれるのか。スタートから非常に気になる展開となりそうだ。
