合同テスト・ルーキーテスト 2日目 総合トップは福住仁嶺
2025.12.11

12月11日(木)の三重県・鈴鹿サーキット。この日は全日本スーパーフォーミュラ選手権の1年を締めくくる合同テスト・ルーキーテスト、2日目の走行が行われた。レギュラードライバーにとっては、この日が最後の走行。セッションの終わりはニュータイヤを使用してのアタック合戦となった。その結果、2日目の総合トップタイムをマークしたのは、福住仁嶺(docomo business ROOKIE)。これに牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)と続いている。
2日目総合トップタイム 福住仁嶺(docomo business ROOKIE)

初日に引き続き、陽射しに恵まれた鈴鹿。この日最初となるセッション3は、午前9時から行われた。開始時の気温は11℃、路面温度は12℃。風はほぼないようなコンディションとなった。この日は、ドライバーの顔ぶれにも変更がありKONDO RACINGの1台には名取鉄平に代わりルーク・ブラウニングが、Kids com Team KCMGの8号車には体調不良でドクターストップがかかったカッレ・ロバンペラに代わり鈴木斗輝哉が、ThreeBond Racingには荒尾創大が、KDDI TGMGP TGR-DCの28号車には国本雄資がそれぞれ乗り込んでいる。ピットロード出口がオープンされると、多くのマシンがすぐにコースイン。初走行のドライバーたちは完熟走行から開始したが、レギュラー陣営はテストメニューに沿って、マシンセットアップを色々と試していく。その中で、まず1分38秒661というタイムをマークしてきたのは、初日の両セッションをトップタイムで締めくくったフラガ。開始から20も分ほどというところでは、ザック・オサリバン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)がフラガを上回る1分38秒520をマークしてくる。その3分後には、牧野が1分38秒183をマークし、この時点でのトップに立った。その後、セッション開始から32分というところで、セッションは赤旗によって中断。これはチャーリー・ヴルツ(TEAM GOH)が逆バンクでコースオフしたため。プッシュラップに入っていたヴルツは、リヤが流れてハーフスピンし、コースから飛び出す形となった。このマシン回収が終わり、セッションが再開されたのは、午前9時40分。しかし、わずか6分後、再び赤旗が提示される。これはコース上にオイルが出たため。フラガのマシンがトラブルを抱え、ギヤボックスのオイルがシケインからストレートにかけて流れ出た。このオイル処理にはかなりの時間がかかり、次にセッションが再開したのは、午前10時14分。そこから各車は再びテストメニューに入ったが、セッションが終盤に差し掛かると、ニュータイヤでアタックするドライバーも現れる。残り時間が40分を切ったあたりでは、牧野が1分37秒441と、この日最初に37秒台に入ってくる。その後、セッションの残り時間が10分となった所では、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)が1分37秒921とやはり37秒台に入ってきた。さらに、残り時間が5分を切ってから、福住仁嶺(docomo business ROOKIE)が1分37秒783、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が1分37秒640、阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が1分37秒701と37秒台に入ってきたが、牧野のタイムには及ばず。その結果、セッション3は牧野がトップで締めくくった。2番手には坪井、3番手には阪口。これに佐藤、福住、山下健太(Kids com Team KCMG)、オサリバン、大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S )、野尻智紀(TEAM MUGEN)と続いている。
2日目総合2番手 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

2時間半のインターバルを経て、合同テスト最後のセッション4が始まったのは、午後1時45分。セッション3の間は空に雲が広がったりという時間帯もあったが、この最後のセッションは再び陽射しに恵まれた。セッション開始時の気温は15℃、路面温度は20℃まで上昇。メインストレートは午前中に続いてほぼ無風だったが、時折弱い向かい風が吹いていた。このセッションは初日と同様、当初の予定よりも終了時刻を10分延長して、午後4時10分まで。最後の20分間は、全車を2つのグループに分け、それぞれ10分間、アタックシミュレーションをできる時間帯を設けている。さて、セッションが始まると、各車は続々とコースイン。それぞれ残るメニューをこなしていく。その中で開始から30分を前にして、赤旗が提示される。これはデグナーコーナー2つ目でコースアウト車両があったため。このマシンの回収が終わると、セッションは午後2時23分に再開。その5分後には、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)が1分37秒680と、このセッションでは最初に37秒台に入ってくる。しかし、その直後、セッションは2回目の赤旗に中断された。これは、NIPPOコーナー立ち上がりで鈴木がコースオフしたため。このマシンの回収が終わると、セッションは午後2時39分に再開された。この再開後、ニュータイヤを投入してトップタイムを書き換えたのは岩佐。岩佐はここで1分37秒362と、自身の出していたタイムをコンマ3秒ほど上回ってきた。さらに再開から20分後、自己ベストを更新してきたのは、松下信治(DELiGHTWORKS RACING)。新チームとして初のテストに臨んでいる松下は、1分38秒742というタイムをマークし、この時点での5番手に浮上してくる。その5分ほど後には、福住が1分37秒918と37秒台に突入。さらに、その数分後には太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING )もニュータイヤを投入して1分37秒965と、37秒台に突入した。その数分後、午後3時23分には、3回目の赤旗が提示される。これは荒尾創大(ThreeBond Racing)がアウトラップでハーフスピンし、S字コーナーイン側にコースオフしたため。このマシンの回収が終わると、セッションは午後3時29分に再開された。その再開から間もなく、牧野が1分37秒777というタイムをマーク。続いてフラガが1分37秒640、坪井が1分37秒726と次々に37秒台に入ってきた。そして、午後3時50分からの10分間は、昨日組み分けされた2グループのうち、グループ2に振り分けられたドライバーたちが、午後4時から4時10分はグループ1に振り分けられたドライバーたちが、それぞれ10分間に渡って最後のアタックを行う。その中で、佐藤が1分37秒576、太田が1分37秒381と自己ベストを更新。さらに、牧野がそれまで岩佐の出していたトップタイムを上回る1分37秒319を叩き出す。さらに、フラガが1分37秒358、坪井が1分37秒617、阪口が1分37秒956、山下が1分37秒514、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)が1分37秒911と自己ベストを更新してきたが、牧野のタイムには及ばなかった。しかし、チェッカーとともに一気にタイムアップし、トップに躍り出たのは福住。福住は各セクターで速さを見せて、コントロールラインを切った所で1分37秒221をマーク。2日目のセッションを総合トップで締めくくった。レギュラードライバー陣はこれで年内最後の走行を終了。次に走行するのは2月の合同テストということになる。
2日目総合3番手 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)

一方、ルーキー勢は明日12月12日(金)もテストを続行。ここで誰が速さを見せるのか、非常に興味深い展開となりそうだ。