第6戦富士大会 FP.1トップは牧野任祐
2023.07.15
FP.1 トップタイム 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
スポーツランドSUGOで行われた第5戦から約1ヶ月。7月15日(土)〜16日(日)、全日本スーパーフォーミュラ選手権 第6戦が静岡県富士スピードウェイで行われる。このレースからは、いよいよシリーズも終盤戦。タイトル争いもさらに激しくなるということで、どのドライバーにとっても重要な1戦となる。一方、今回の大会は、『夏祭り in FUJI MOTORSPORTS FOREST』として開催。多くのイベントが行われることになっており、初日となる土曜日から、多くの観客が富士スピードウェイに足を運んだ。
この日、最初の走行となったのは、午前9時から90分間に渡って行われたフリー走行。このセッションは、午後の予選に向けて、マシンのセットアップを作り上げていく大切な時間。終盤には、各ドライバーがニュータイヤでのアタックシミュレーションを行っている。その中で、トップタイムをマークしたのは、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。これにリアム・ローソン(TEAM MUGEN)、佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)とホンダエンジンユーザー勢がトップ3を独占した。これに続いたのは山下健太(KONDO RACING)、宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)とトヨタエンジンユーザー勢となっている。
この日、まだ梅雨明け前の富士スピードウェイは、湿度が高い曇り空の朝を迎えた。セッション開始時の気温は24℃、路面温度は28℃。メインストレートには追い風が吹いていた。月曜日が海の日ということで、この週末は連休となるが、関東や東海では酷暑になることが予想されている。それと比べれば過ごしやすいコンディションのもとで、フリー走行は始まった。
このセッションの序盤、まず1分23秒台に入ってきたのは、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)。また、開始から10分ほどというところで、現在ランキングトップの宮田が1分23秒646をマークしてくる。その2分ほど後、これを上回ってきたのは、ランキング2位のローソン。ローソンはここで、1分23秒289までタイムアップしてくる。さらに、その2分ほど後、セッション開始から15分というところでは、牧野が1分23秒062をマークし、この時点でのトップに立った。牧野はGRスープラコーナーで若干バランスを崩す場面も見られたが、勢いのある走りを見せている。セッション開始から30分ほど経ったところで、この牧野のタイムに迫ったのは、松下信治(B-Max Racing Team)。松下は、ここで1分23秒134をマークし、2番手に浮上する。さらに、セッション開始から40分を過ぎたところでは、ローソンが自己ベストを更新。1分23秒055をマークし、牧野、松下を上回ってきた。
しかし、セッション折り返しから間もなく、このローソンのタイムを上回り、真っ先に1分22秒台に入ってきたのは、牧野。牧野はここで1分22秒876をマークしただけでなく、その10分後には1分22秒825までタイムアップ。この時点でのトップに立っている。その5分後には、チームメイトの太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も大きくタイムアップ。1分23秒035をマークして、この時点での2番手に浮上。これにローソン、松下、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)と続いていた。
その後、午前10時07分に、セッションは赤旗によって中断される。これは、今回負傷によって欠場となった大湯都史樹(TGM Grand Prix)の代役として参加している大津弘樹(TGM Grand Prix)がアドバンコーナー進入のイン側エスケープゾーンにマシンをストップさせたため。大津のマシンはエンジンがストップして自力走行ができなかったため、マシン回収のために赤旗が提示された。
このマシンの回収が終わり、セッションが再開されたのは、午前10時15分。残り時間が15分ということで、各ドライバーはアタック前のマシンの状況を確認。その後、ニュータイヤを装着し、タイムアタックシミュレーションへと向かった。ここでまずトップタイムを書き換えたのは、佐藤。佐藤は他に先駆けてアタックに入ると、セッションの残り時間が8分となったところで1分22秒766をマークしてくる。これとほぼ同時に自己ベストを書き換えたのは、笹原。笹原もここで1分22秒934と22秒台に入ってきた。
その他のドライバーたちは佐藤や笹原がタイムを刻んだ頃にコースイン。トラフィックマネージメントを行いながら、ゆっくりとタイヤを温めていく。その中では、ラウル・ハイマン(B-Max Racing Team)がGRスープラコーナー立ち上がりでスピンする場面なども見られたが、ハイマンはすぐにリスタート。他のドライバーたちもそこまで大きな影響を受けることなく、アタックに入った。そして、残り時間が30秒となったあたりから、続々とコントロールラインを通過。まずは松下が1分22秒985と22秒台に入ってくる。続いてチェッカーを受けると同時に、山下健太(KONDO RACING)が1分22秒837と、一気にタイムアップ。山下に続いてアタックしていた平川が1分22秒957、宮田が1分22秒920とやはり22秒台に突入したきた。さらに、ここでローソンが1分22秒601とトップタイムを書き換えてくる。しかし、最後の最後にトップに立ったのは、牧野。牧野は各セクターで全体ベストタイムをマークすると、1分22秒477までタイムアップし、首位でセッションを締めくくった。2番手はローソン、3番手は佐藤。以下、山下、宮田、笹原、平川、阪口、松下と続き、野尻智紀(TEAM MUGEN)はまさかの10番手。ベストタイムでも1分23秒010と、22秒台に入れることができず、若干ライバルに遅れを取る形でセッションを終えている。
午後の予選では、牧野が再び速さを見せて、今季初PPを獲得するのか? あるいはポイントランキングでトップを争っているローソンや宮田がPP争いを見せるのか。野尻はどう巻き返してくるのか? 見逃せない展開となるはずだ。
FP.1 2番手 リアム・ローソン(TEAM MUGEN)
FP.1 3番手 佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)